見出し画像

日本から出たことのない僕が英検1級を取るまで(一次試験編)

はじめに


 こんにちは!佐藤相平です。

 いつもは小説をnoteにあげていますが、ふだんは予備校で英語などを教えて生活しています。

 僕は留学どころか、海外に行ったことがなく、パスポートすら持っていません。(2022年12月時点)それでも、英検1級の2022年度第1回試験で一次試験を合格(面接は不合格)、第二回試験で面接に合格しました。

 英検1級合格前には色々な方の体験談をネットで読んで参考にしたので、何かの参考になればと思い、自分の体験について今回は書くことにしました。

 ちなみに僕は高校時代は英語が嫌いで、テストはいつも平均点以下でした。海外への憧れも特にありません。そんなヤツがどうして英語を教えているんだ、という話はつまらない上に長くなるのでここではしません。が、そんな人間でも英検1級に受かるんだという参考になればいいなと思います。

一次試験

 僕は2022年第1回試験を受験しました。英検1級に受ける前の英語力は英検準1級、TOEIC910点というレベルです。

 4月のはじめから受験勉強をはじめ、6月5日に一次試験を受けました。
 一次は語彙問題が一番の難関だと思います。僕もはじめて過去問を見た時は選択肢に知っている単語が全くなくて泣きそうになりました。

 だけど金は払ってしまったからやるしかない。

 パス単を8周はしました。1周目は例文の音声を聞きながらでしたが、2周目以降は赤シートを使い意味を確認しながら、知っていた単語や覚えた自信がある単語は×をつけていきました。逆に覚えていなかった単語はチェックをつけてって、まあ普通の勉強の仕方です。

 どうしても覚えられない単語は語源を調べたり、他の例文を調べて書き込んだりしました。あとは昔、MTGをやっていたので、それを利用したりもしました。たとえばwrath「怒り」は「神の怒り(Wrath of God)」から覚えました。

 ただ基本的には、過去問とパス単に地道に取り組むのが一番大事だと思います。僕は長文、リスニング、ライティングの対策は旺文社の過去問題集をとにかく解いただけです。

 他の方の体験を見ていると、海外ドラマを見たり、洋学を聞いたり、洋書を読んだり、という話をしている人が多いですが、最短距離で合格したいなら必要はないと思います。

一次試験当日

 本番二日前に解いた過去問でも語彙問題は合格ラインに届かず、試験日になってしまいました。もっと早くから勉強をはじめれば良かったと後悔しながら、会場へ向かう電車やバスの中、そして試験会場でも、ギリギリまでパス単を見てねばります。

 これは余談ですが、受験者がみんな着席した、試験開始十分前に、おもしろい出来事が起きました。

 一人の受験者が手をあげ、試験官から許可をもらい、トイレに行くと、他の受験者もそれに次々と続き、教室の半分くらいがトイレに向かったのです。一級は試験時間が長く、後半のリスニング中はトイレに行けないから、心配になるのは分かります。もちろん僕も行きました。
 
 いよいよ試験開始。語彙問題を丁寧にやりすぎたせいで、長文にかける時間がなくなります。過去問を解いているときはいつも時間の余裕があったのに。最後の長い文章は5分で読まなければいけません。題材が僕が大学時代に学んだアダム・スミスの『国富論』についてだったので、なんとかなりましたが、知らない話題だったら死んでいたと思います。

 もちろんライティングも時間がありません。必死に文字を書き続け、なんとか書き終えた試験終了1分前、答案を見直しあることに気づきます。

 あれ、一行飛ばしちゃってる。

 1つ目の理由のパラグラフと2つ目の理由のパラグラフの間で解答欄をなぜか一行飛ばして書いていたのです。

 これで大丈夫なのか。今から直そうか。でも時間がない。

 そんなことを考えているうちに筆記試験が終わりました。

 ライティングが気になり集中できないまま、リスニングがはじまります。
  
 開始後すぐに気になったのが、過去問とナレーターが違うということです。過去問はほぼ決まったナレーターしか登場しなかったので、少し戸惑いました。

 なるべく音がよく聞こえるように一番前の席に座ったのですが、スピーカが近すぎて、リスニング終了後には耳鳴りがしました。

一次試験結果発表

 リーディングとリスニングは試験終了後に解答予想があがるので、自己採点をしました。

 リーディングは31/41、リスニングは19/27。
 どちらも合格ラインは超えました。

 リーディングは時間配分を間違えたわりには点が取れたなと思います。直前に詰め込んだ熟語が全部正解だったのと、最後の長文が知っている題材だったのが大きいです。

 リスニングは普段より点が取れませんでした。過去問ではだいたい2、3ミスくらいだったのですが、かなり危なかった。やはりナレーターに慣れていなかった前半のミスが多かったです。

 ライティングに関しては行飛ばしのミスに加えて、見直しの時間がなかったので内容の自信がありません。
 ドキドキしながら一次試験の結果を見ます。

 結果は合格。

 CSEスコアはリーディング679/850、リスニング680/859、ライティング707/850。

 ライティングのスコアが一番良かったのが意外でした。よく言われるように英検のライティングの採点は甘いのかもしれません。
 
  どうにか一次試験は合格できました。が、純ジャパにとっての関門は、やはり二次試験の面接でした。

 長くなってしまったので、続きは次の記事で!

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,334件

英語を教えながら小説を書いています/第二回かめさま文学賞受賞/第5回私立古賀裕人文学賞🐸賞/第3回フルオブブックス文学賞エッセイ部門佳作