スケートボードとオリンピック③

3回目。

まず初めに
『スケートボードはなぜ見る人の心を打ったのか 選手たちの言葉』
https://www3.nhk.or.jp/sports/story/20681/

NHKが競技終了後しばらく経って出したこの総括記事、とても良く伝えていると思う。1、2年は削除しないでほしいなと思うぐらい。
特に女子のパークは、観ていても最高だったなと思う。ガールズスケーター達が競い合いつつ仲の良い友達のようで、スケートボードの楽しさがとても伝わって来た。ブライス・ウェットスタイン(アメリカ)が選手紹介の時にウクレレ片手に出てきた時は、驚きとともに和んだし、それを「オリンピックだからやめなさい」と決して言わなかったであろう現場、とても良かった(ちなみに岡本選手が3回目のトライ失敗した直後、担ぎ上げて健闘を真っ先に称えようとしたのがウェットスタイン)。

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これ他の競技じゃ絶対あり得ないでしょう?空手で登場シーンでフルートとか吹いて出てきたら非難轟々でしょ。もちろん空手は空手で今のままが良くて、どっちが素晴らしいとか言いたいわけではない。ただ、勝負の場に自分の好きなものを持ち込めたり、競技時間が過ぎて評価対象にならなくても、滑りたいからパフォーマンスして観覧している皆と一緒に盛り上がるのがアリなスケートボード、最高!と思うのです。

今回、連発されるスケボー関係の報道記事を出来る限り読んでいて、特に読み手が感想を書き込めるヤフコメを興味深く見たりしています。 好意的に受け取る人はおおむね、先の回に書いた我が上司のような感想。あと「スケボーやってみたい」とか。この「やってみたい」「スケボーどこで買うのがいいの」にどう答えるかも重要ですよね。全国的に店舗があり、わかり易そうとなるとムラサキスポーツとかになるのかな・・・?通販とかでもたぶんノーブランドでまあまあ良さげなのが買えるようなので、1万5千円ぐらいの予算あれば始められるのかなと思っている。最近は粗悪品も出ているようなので注意が必要だが…。できればブランドもので組むのが良いので、それでもたぶん3万円ぐらいでイケるんじゃないかな?一番いいのは持っている人に1週間ぐらい借りてチャレンジしてみる。それで抵抗感なく普通に乗れるようになれば、あとは興味がいつまで続くかだけなので、良いスケボーを買ったほうがいいと思う。

で、好意的ではない人のコメントはやはり公共の場でのスケートや騒音の問題ですね。「やるならパークでやってくれ」的な意見が多く、これはやむを得ないと思います。加えて「ゴミを散らかしっぱなしにして帰っていく」や「やっているヤツは不良」と決めつけるものとか。ゴミはもしそうだったら拾って帰ろうよって思うし、不良と決めつけるのについてはどうなのかね?ランニング中にすれ違うスケーター少年たちは「こんにちは」とか挨拶してくるけどな?
スケボーの技を大別すると①ただ滑るだけ②地面を蹴って飛ぶ、板をまわす③タイヤだけじゃない板の色んな部分を使い、いろんな場所(例えば手すりなど)を滑る…この3つぐらいかなと思うんだけど、①はウィール(タイヤ)が地面とこすれる音がそこそこうるさい点、②は地面を蹴るパーンという音がうるさい、③はうるさい&手すりや縁石、壁などを傷つける、板に載っている塗料が傷ついたところに着いてしまう、という問題が出ます。あと全般的に歩行者、場合によっては車などへの通行の妨げ。なので一番いいのは、スケートパークがあってそこまで行って、専用の場所で楽しむ…なのですが。なんせパークは混んでいたり、うまい人の迫力とか、敷居が高く混ざりにくい、というのはあると思います。自分も、ほとんどパークで滑った経験はありません。

それと、スケートボードの大きな魅力の一つに「普段見えていた風景がスケボーに乗ることでまったく違って見える」というのがあると思うんですよね。例えば平坦に続いていく道でも、これから滑っていくにあたって、こういう風に(ジグザグに)行こう、とか、あの少し高くなっている路面で板を蹴って、飛び上がってみよう、とか瞬時に考えながら滑っていく。普段のつまらない街がスケボーに載ることで一瞬で変化していく、というのが魅力だと思います。「だから理解してください」とは言いませんし、「やっても多めに見て」とも言いませんが、滑る側はそんな魅力にひかれてやっているわけです。パウエルの最高峰チーム”ボーンズブリゲード”が街なかを技をガンガン決めながらスケートしまくる映像に、どれだけ痺れたことか。そして自分は彼らのようにできなくても、街並みをそうやって滑っていく楽しさは味わいたいなと思ったのです。

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で、自分の提案というか考えとしては、やはりもの凄く混んでいるような場所や人の往来が激しい場所、交通上危険な場所では絶対にやらないほうがいい。というか理解を得るためにもそういう場所でやるのはガマンする。その上であまり民家が多くないような場所や、例えば大型モールの駐車場のすみっこのほとんど使ってないようなスペースとかで、人が少ない時間帯に行ってやる、でも深夜はやらない、とかであれば「ごめんなさい、ちょっと許してください」な気持ちでスケートボードできればいいなと思います。もちろん、ゴミとかは出さない。あとデッキの塗料が着いちゃう問題は、やはり新しい施設とかではそういう技はやらないほうが良いと思うし、古い施設とか縁石とかでも、これはダメだな、直さないとな、とか思ったらちゃんと対応なりなんなりする、のが必要かなと。そんな風に思います(一番いいのは次作のランプやレールを隅のほうにでも置かせてもらえれば最良でしょう)。そしてスケートパークですね。人気に対して圧倒的にそういう場が足りてないと思いますが、既存の調節池を活用したパークなどもあるので、行政などにはぜひそういう場づくりを考えてほしいなと思う。決して安くできるものでもないけど。何もない田舎で学校を卒業したら出ていくのが普通、って街でも、パークがあるから地元にずっと住みたいとか、俺の町には自慢できるパークがあるんだ、そういう人も多くは無いけど出てくるかもよ?って思う。市政とかにも興味もつきっかけになるかもしれないし。…と、ここ1,2週間の報道では地域でそういう動きも出始めたみたい!

確かブラックフラッグのヘンリーロリンズが言ってたのを読んだ気がするんだけど、学校にも、放課後のクラブ活動とかにも馴染めず、そして誰かとつるむことに興味がないような奴が見つけた居場所が、ハードコアだった、みたいな言葉があります(超うろ覚え)。これって自分にはめっちゃしっくり来るんですよね。
タイミングよくこんな記事があった(有料だけど途中まで読めます)。
「やべー」重視、刺さった自由と個性 スケボーは五輪の象徴か
https://mainichi.jp/articles/20210907/k00/00m/040/055000c
『中学ではサッカー部に入ったものの、「部活文化」になじめなかった。縦社会の人間関係や不合理な根性論。「もっと自分のやり方で自由に楽しみたい」。そんなことを考えていた時に出合ったのがスケボーだった。』
まさにこれかな。スケボーや自分の好きな音楽には、そういった面があった。誰かがやるからとか周りでみんなやっているから、ではなく、やりたければ一人でもやる。

スケートボードがスポーツか、と言われると違うと思うし、オリンピックの競技になるような、大衆的な楽しみになるなんて思いもしなかった。 でも、今回の世間の反応と受け入れ具合を、自分は好意的に受け止めたいと思っています。これからどうなっていくか不安もあるけど、楽しみのほうが大きいのは前回と繰り返しになりますが、スケートの魅力をしっかりと伝えてくれた今回出場したスケーター達、そして伝えてくれたアナウンサーや解説者、魅力をちゃんと発信してくれたメディアの皆さんがあったからこそ、と思っています。特にフジテレビの倉田大誠アナは頑張ってたなと、実況観ながら思いました。

本編だいたい終わり。あと余談的なものを書くかもしれないので、つづく。

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