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「なんで電話してきたの?」とまた言われる。

もうひとり綺麗な方

 
美術学院(予備校)に通っていた時。美しい女性に囲まれていた。 
「美術系は美人が多い」と聞いていたので「そうなのか」とか思っていた。
 
男子校にいたので女性の誰がどう美しいのかテレビや雑誌からでしか判断できなかった。
 
美術予備校には女性が大半だし、誰が美しくて美しくないかなど考えてもいなかった。
 
そしてそのとき、そういえば彼女は美しいなと思っていたクラスの女性。
 
その女性は篠山さんという女性だった。彼女もイギリスに行くという情報が手に入ったため篠山さんに連絡することにした。
 
またいきなり電話をかけた。
 
いきなり以外にどうやって電話したらいいかわからないけど。
 
そしてまた「何で電話してきたの」とこのパターンである
 
彼女も東京芸大を目指していてグラフィック専攻だったけれどファッションに興味があるようだった。 僕は彼女になぜ電話をしたかを語る。
 
電話は切られることはなく話は少しばかり進んだ
 
「ボストンに行ってきたんだ」
 
イギリスに留学する話をしててなぜボストンの話が出るか向うはわけがわからなかっただろう。
 
「へー。」
と彼女。
 
僕らは結構長く話した。 いま電話でなが電話なんてしない時代だ。 この時が懐かしい。
 
佐野さんも篠山さんも美しい女性だった
篠山さんは普段丸メガネをしていてウェーブのかかった髪をしていた。誰が美しいかどうかなんて考える暇はなかったといったものの。 学校に通っていた時、とても気になっていた。普段無口で誰かとしゃべっている印象は殆どなかった。
 
体は小さく、顔はまるく、そばかすが可愛く、目はすこし鋭かった。
 
もしかしたらクラスにいた皆も彼女を美しいと思ってたのかもしれない。 いや、きっとそうだったと思う。
 
彼女からすごく重要な情報をもらった。英国大使館に行ってみては?とのこと。
 
そしてイギリス留学フェアがあるということ。
 
そこにセントラル・セント・マーチンズのスタッフもインタビューしに来るようだった
 
イギリスに行かないでも面接ができるということらしい。
 
作品を持っていって話をすることが出来ると聞いて嬉しかった。
 
僕は彼女と一緒に行くことに決めた。
 
 

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