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環境マガジン 外来種①


自分が小さい頃、家の近くの公園に小さな池があった。
都会では数少ない「生き物と触れ合える場所」で、夏になると体中を蚊に刺されながらザリガニ釣りをし、大きいものはよく家で飼育した。
だが、そんなアメリカザリガニは特定外来生物に指定され、今や気軽に触れ合える生物ではない。

大好きなBUMPの「R.I.P」が頭の中で再生されているが、今回は少し真面目な話。外来種のお話だ。

■外来種とは


外来種とは、自然分布域外で生育する生物種を指す。
ブラックバスやウシガエルなど、海外から持ち込まれた生物種のイメージが一般的には強いだろう。
だが本来の生息地外に導入された生物なら、たとえ日本にいる固有種でも外来種となりえる。

身近な例だとコイ。
日本の固有種は元々、琵琶湖水系など限られた場所にしか生息しない種だった。古くから日本各地へ放流され、明治以降には海外種を養殖目的で輸入し放流されてきた。

固有種は現在、琵琶湖や四万十川など限られた場所でしか生息していないとされている。だから池や川でよく見るコイは、基本的には外来種と思って良い。

■人の都合

「外来種は日本の生態系を破壊する」という悪いイメージがある。
しかし、まず最初に認識しなければいけないのは、こうした外来種は人の都合で持ち込まれたという事実だ。

人間の食料のため。あるいは釣りや鑑賞用といった娯楽のため。
本来は生息しない場所に放流された結果、現在問題になり駆除されている。

自分は昔から生き物が好きで、釣りや観察する楽しさも知っている。
だから生き物を飼育する行為は否定しない。
だが、飼育できなくなった生き物を放流する行為は止めて欲しい。

放流すれば、当然その場所の生態系はバランスが崩壊する危険が高くなる。また、放流した生き物が果たして生き長らえるかも微妙だ。生物は生息する地域の環境や生態系に順応するため、性質や形を変えている。当然生息環境に合わなければ、長くは持たない。

生き物を飼育するとは命を預かる行為だ。その意味を理解し、最後まで世話をしてあげよう。

■次回 


さて、既に野生に放たれ生息しているものはしょうがない。地域の生態系を守る術を考えねばならない。
次回の記事では、「外来種の駆除だけでは解決できない」という視点から話すとしよう。

ではまた。

<P.S.>
環境問題に限らず、紛争や人権問題など世界中の社会問題にも幅広く問題意識があります。私自身、まだまだ勉強不足だなと日々痛感してばかりです。常にアンテナは高く張っておきたいので、何か有益な情報などあればぜひご紹介頂けますと幸いです。
(ゆくゆくは同じ思いを持った者同士で、ナショナルジオグラフィックのようなメディアも運営できたらなと夢を持っております。)

<参考文献>



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