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SaaSで大企業の業務変革を進めるコンサルタントの提供価値 #SaaSLovers Day15

こんにちは、高山(@satoshi_2125)です。MNTSQ(モンテスキュー)という大企業向けのSaaSスタートアップで事業開発をしています。

本稿は、SaaSにまつわるリレーブログ企画 #SaaSLovers の15日目の記事となります。(@ShoheiKomatsuさん、運営ありがとうございます!!)

今回の記事は、主に大企業のお客さまを増やしたい・増えてきたSaaSのビジネス職の方向けを想定していますが、(SaaSに限らず)いわゆる大企業DXに取り組む企画職・コンサルの方々にも読んでいただければと思っています。

自己紹介:BCGからSaaSに至るこれまで

まずは自己紹介代わりにこれまでの経歴を。
BCG→PKSHA Technology→コミューン→MNTSQ(いまここ)です。

戦略コンサルから始まり、その後はスタートアップで事業開発だったり、営業だったり、カスタマーサクセス/サービスの導入支援であったり、色々な役割を経験してきました。(詳しくは以下のnoteもご覧ください)

そして、現在は MNTSQ(モンテスキュー) という会社で、「契約業務全体のデジタル化」に取り組んでいます。

「大企業の事業部・法務部・経営を横断して、誰でも一瞬でフェアな契約を作成し、交渉し、管理し、分析できる基盤」を提案しており、以下のように、各業界をリードする大手企業様を中心に導入が進んでいます。

MNTSQ導入企業様(一部抜粋)

実感:大企業の業務変革って難しい

そんなわけで、コンサルとしても、SaaSの中の人としてもやってきたわけですが、「大企業のお客さまに業務を変えてもらうこと」というのは本当に、とても、難しい。

業務プロセスというのはつまり、意味と理由のある手順、これまでの文脈、関係者間の調整が重なり合って構成されるものなので、そこに関わる人が増え、ビジネスの規模が大きくなるほど複雑になっていきます。

そりゃそうでしょ、なのですが、実際に何千社とある取引先とのやりとりを変えていくとか、何万とある自社製品の製造プロセスを変えていく、みたいな話、「いいやり方があるのでこれに沿ってやりましょう」だけでは進まないわけです。

必然、フェーズを切って段階的に変えていく、既存のプロセスと理想のプロセスの間にある大きなギャップを埋めるための方法を考えて、パイロット導入的な検証も行って、最終的に何万人の社員の業務としてなじむように進めていく、ということになります。

コンサルタントにとってのエンタープライズSaaS

一瞬コンサルブログっぽくなりかけましたが、これはSaaSブログ企画です。
一旦、元コンサルにとってSaaSがなぜ面白いのか、という話に戻りましょう。

そもそものSaaSのメリットといった話は既に諸先輩方に語り尽くされていると思いますが、「拡張性」「更新性」はここでも改めて語りたいキーワードです。

「拡張性」(スケーラビリティ)

たとえば、クライアント企業のある部門(50人組織)に4名のコンサルチームが入ってプロジェクトを進めていたとします。とてもよい取り組みだったので、全社5万人にも広げたいと思いました。

その瞬間、1000倍。

勿論、全社展開のためのうまい方法を考えますが、4000名のコンサルをアサインして力づくで何とかする、というのは非現実的です。

このとき、SaaSであれば「うまくいく業務プロセスの型」をプロダクトの力でなるべく保持して、効率的にスケールさせられる可能性を持っています。

「更新性」(アップデートされ続けること)

もう一つ、コンサルプロジェクトにおいて悩ましいのが更新性です。

中長期のご支援や、イネーブルメント(=クライアント企業のケイパビリティ強化)を主眼においたプロジェクトもありますが、「同一テーマ同一スコープに対して、継続的にご支援し続ける」というのは立て付け的にも難しい。

そこに対して、SaaSは継続的な製品アップデートを前提としたサービス提供になっており、「常に最新のベストプラクティスを顧客に届けられる」可能性を持っています。

メリットを活かした提案

上記2点は、例としては極端な表現も含みますが、個人的には端的にソフトウェアでやる意義を示していると思っています。

そのため、SaaSの中の人としても、この2点をいかにお客さまのメリットにできるか、全社的な視点での価値や、導入後もお客さまの業務が継続的によくなっていく立て付けを考えています。

SaaSにとってのコンサルタント

そして、上記のような提案の組み立てに慣れていること、戦略的な思考や抽象と具体を行き来する検討をリードできることこそがSaaSにとってのコンサルタントの提供価値だと考えています。

お客さまに向き合う部分では、問題の所在を明確化して、お客さまの現在の取り組みで「手なりで」達成されるであろう内容とのギャップとしての課題を言語化すること。

そして、その解決方法を(時には自社サービスに閉じずに)真摯に提案できること。

その上で、自社サービスをさらに進化させて、お客さまに提供できる価値を高めるために、プロダクトに対するフィードバックサイクルを加速させること。

進化していくプロダクトがお客さまにどのような価値を発揮できるか、事業の方向性に対してフィードバックを与えること。

顧客の課題解決と、製品開発と、事業づくりが交わる場所に立ち、それらが有機的につながる形で価値を出していけるとすると、これはとても面白いのではないでしょうか。

仮説検証を高速に進めることだけが正しい

「正解がまだない領域で、新たな仮説を立てること」
多くのSaaSスタートアップが取り組んでいることであり、多くのコンサルが取り組んでいることだと思います。

MNTSQでも日々、新たな価値仮説を立て、その検証を高速に回す、ということをしていますが、お客さまへの本質的な提供価値も、こうした検証サイクルを回すことによってのみ、レベルを上げていくことができると信じています。

もしこの記事を通してご興味を持っていただけた方がいましたら、ぜひお話しさせていただけますと幸いです。連絡先(@satoshi_2125

そして、#SaaSLovers Day16 はまさにDXに取り組む大手老舗企業、パイオニアの大野耕平さんです。楽しみにしています!

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