見出し画像

2対1の練習ドリルの行い方

前回の投稿で書いたように、2対1の練習ドリルがとても好きです。その大きな理由の一つは、バスケットボールのゲームの中で起こりうる様々な場面を切り取って状況を設定しやすいからです。
詳しい状況設定についてはまたの機会に書いていくとして、まずは2対1練習ドリルのオーソドックスな行い方をまとめておきます。

2対1ドリルの始め方
ドリルを行うオフェンス2人とディフェンス1人は、ともにベースラインから同時にスタートし、ハーフライン方向へ走ります。その時、オフェンス2人はパスをしながら、ディフェンスはスプリントダッシュでそれぞれ特定のラインまで進んで折り返し、そこから2対1での攻防が始まります。
ディフェンスがオフェンスと同じラインまで走る場合(図1)や、少し手前で折り返す場合(図2)など、オフェンスとディフェンスの間合いやポジショニングに変化をつけることができますし、その後の守り方や攻め方に制約を与えることで試合中に起こりうる様々な状況を想定して練習することができます。

図1
図2

2対1ドリルのライン設定
プレイヤーがどのラインで折り返すのかを明確にすることでドリルの様子は大きく変化します。折り返すラインとして利用できるのは、ハーフライン(図3)、3ポイントライン(図4)、フリースローライン(図5)などがあげられます。その他にもセンターサークルのラインや、体育館によってはバレーボールのアタックラインも利用できます。
ゴールから遠い位置から2対1が始まれば、オフェンスはスピード豊かにプレイしながらディフェンスをよく見てプレイすることが可能ですし、一方のディフェンスは粘り強く守りきることが求められます。ゴールにより近い位置から2対1が始まるほど、オフェンス、ディフェンスともに瞬時の判断力が求められ、小気味よくプレイすることが大切になります。同じテーマで練習しながらも、時間で区切ったり、日によって折り返す位置を変化させることで、スピード感や判断の速度が変わり、プレイヤーの感性がさらに磨かれていきます。

図3
図4
図5

2対1ドリルのサイドバージョン
同じテーマの2対1ドリルでも、図6のように横向きで行うことでまた新たな刺激が加わります。特に、レイアップのフィニッシュスキルが格段に難しくなるので、縦方向のドリルに慣れてきたところで変化を与えてやることが大切です。

図6

2対1ドリルのスモールバージョン
練習ドリルはその内容だけでなく、適正人数を考えて行うことが大切だと思います。人数が多すぎては退屈してしまいますし、反対に人数が少なすぎては忙しすぎてしまいます。体力的に適切な負荷を与えながら、自分の行ったプレイを振り返る余裕を持たせることも考えると、ここまで書いてきた形の2対1ドリルは12〜15人程度が適正ではないでしょうか。
しかし、チームによってはこれよりも少ない人数で練習することもあるので、その時は図7のように3列に準備していたものを2列にし、攻め終わったオフェンスのうちどちらか一方がディフェンスになるようにして行うことで、練習のローテーションをうまくコントロールすることができます。

図7

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?