吉備線とキリスト教
岡山駅10番ホーム、総社方面行の吉備線では列車が入線してくるとき、桃太郎の曲が流れます。この曲を作曲した人はクリスチャンです。
岡野貞一。桃太郎よりもうさぎ追いしかの山で歌い出す「故郷」の作曲で有名かもしれません。地元鳥取の教会で洗礼を受け、岡山で奉仕する伝道者小野田元と結婚した姉、寿美を頼って岡山に移ります。小野田元は現在の山陽学園設立に尽力した人物です。
岡山にあったキリスト教の学校、薇陽学院で学びます。東中山下にあったこの学校は京都にある同志社の分校的性格の学校でした。より正確に言うと同志社に入学する前段階的位置づけの学校。残念ながら比較的短期間で閉じられるのですが、同窓には備前市出身の作家正宗白鳥もいます。同志社で新島襄から学んだ徳富蘇峰の雑誌でキリスト教に関心を寄せていたことも要因です。
岡野はここでアダムス宣教師からオルガンの才能を見出され、東京芸術大学に進学。本郷中央教会の二代目のオルガニストとして礼拝で奉仕し続けました。この教会の初代オルガニストのガントレットも岡山に関わりの深い方で山田耕筰の義兄にあたります。
本郷中央教会は夏目漱石の小説「三四郎」にも登場します。
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