見出し画像

青天を衝け 8

大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一と、作家でフランス文学者、翻訳家の澁澤龍彦が親戚だというのが、あまりにも世界が異なり過ぎて、どうも頭の中で繋がらないが本当らしい。澁澤龍彦の高祖父、つまり、祖父の祖父にあたる渋沢宗助の甥が渋沢栄一という関係性だ。渋沢栄一のほうが分家筋で、澁澤龍彦のほうが本家筋になる。かたや実業家、かたや異彩を放つ文学者。しかし、すごい一族ですね。澁澤龍彦少年は、渋沢栄一翁に会ったこともあるらしい。

吉行淳之介とも友人だったので、連続テレビ小説「あぐり」とも関係あることになるか。吉行淳之介の両親の話でしたものね。

平成ウルトラマンのウルトラマンダイナに「怪獣戯曲」という異色作がある。ストーリーに鳴海という劇作家が出てくるのだが、モデルが澁澤龍彦らしい。演じた役者さんは、昭和ウルトラマンのウルトラマンエースでは異色の漫画家を演じておられた。役名を九里虫太郎といったが、モデルは明らかに小説家の小栗虫太郎だ。代表作「黒死館殺人事件」。小栗虫太郎に澁澤龍彦。なかなか濃い方ばかりを演じておられるものだ。

「怪獣戯曲」のストーリーには旧約聖書のバベルの塔も出てくる。ブリューゲルの絵画を思わせるデザインでした。カスパーハウザーも出てきた。19世紀のドイツに突然現れた謎の出自の少年で、謎の暗殺でいのちを落とす。何者だったのかの疑問だけが残り、これが多くのクリエイターの創造力を掻き立てました。澁澤龍彦編「世界幻想名作集」でも取り上げられている。澁澤龍彦がらみでウルトラマンに取り上げられるのもある種当然か。

この回の監督が鬼才、実相寺昭雄。この時点でお子様置いてけぼりの異色作になった点は無理もないのかも。

渋沢栄一と言えば、宣教師ギューリックが日米親善の一環として提案した日米の人形交換を推進し、「青い目の人形」を国内に贈るのに貢献した人でもある。童謡「青い目の人形」の背景となった故事ですよね。昭和ウルトラマンのウルトラマンレオでも青い目の人形を持った少女が出てきて、「青い目の人形」が流れるエピソードがあった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?