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【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDとは?

以下の記事で、急性期意識障害の研究に触れましたが、
今、私たちが注目している概念にcognitive-motor dissociation (CMD)というものがあります。

本日はこれについて簡単に解説します。

意識障害の研究をする上で、とても大切な概念ですので、知っていて損はないはずですし、この用語を耳にしない日はありません。

■ cognitive-motor dissociation (CMD):認知的運動解離/隠れた意識

実は、自分で動作を表出することができない患者さんでも、
脳がその行動をしようとしている場合があります。
この状態をCMDと呼びます。
とてもシンプルな概念です。

約20年前に機能的MRIでそれを視覚化することで発見されました。

意識障害がある患者さんに、
テニスをすることをイメージする様に指示すると、
それに応じて脳が反応していることがわかり、
それを機能的MRIで可視化できたということですね。

ポイント
この現象は、身体診察だけに基づいて意識の状態を評価するよりも、認知機能がはるかに良好であることを意味します。

これをCMD、「認知的運動解離」または「隠れた意識」と呼びます。

後の研究でCMDは、脳損傷直後に脳波でも検出できること、
そして、それが長期的な機能的結果と関連していることが
明らかにされました。

今神経集中治療と意識障害の研究の多くは、
このCMDを中心に行われています。


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