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#73 読書録 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? 前編

最近読書録の比率が多い気がするが、友人におススメしてもらった本を読んで自分では選書しないジャンルの本だったので、今回はこの中で気づいたことについて前後編として気付きをまとめていく。

ヒトに本のおすすめを聞く事の効能は3つあると思う。
1、自分で手に取らないジャンルの本と出合う可能性が高い
2、どうだった?と聞かれる可能性が高いのでちょっと優先順位を高めて読むので積読リスクが低い
3、読後の感想戦として本を間に挟んでワチャワチャ話をする機会ができる

という事で、優先順位が高まった 検証 ナチスは「良いことも」したのか?に今から触れていく。

ちなみに、たまたま大きな書店に行く機会があったので、本屋さんでさらーっと内容を見て、あっ読めると思ったので購入に至りました。毎回この辺りのちょっと深そうなテーマはこんな感じで様子見します。

ちなみに、COTENRADIOでもこのテーマを取り上げているので、こちらも超絶おススメです

この本が気になった方はこちら



事実、解釈、意見という3つの層という考え方

もーこれは、歴史だけではなく、モノゴトを考えるときに汎用的なフレームワークだと思えました。

事実は無色透明な純粋なままで自分たちの所にやってこないという理解が大事だという事。事象として現実世界に起こったとしても。

そして、意見についてはその人が思ったことを正解,不正解で論じる事は出来ない。なぜならば意見だから。

秀逸だなと思ったのは、事実を【これまでたくさんの研究者が積み上げてきた解釈を顧みず】自分の意見と直結して飲み込んでしまう事がある種の危険をはらんでいるという内容が書かれていて納得。

よく言うエコーチャンバーがかかってしまいやすいのもこれに近い考え方なのかなと。色々な見方が存在して、正解、不正解ではなく深める、気づくって発想があると面白いなと。本のテーマに対して面白いといっているのではありませんが、、、

この本全体を通して、検証するにあたり事実があって、その事実だけを見ると一見良さそうな行いをしている。ただし、もう一つメタな視点でみるとプロパガンダの中の一つであり印象操作になっていて、、、というのも、色眼鏡でみるのではなく、これまでの解釈をガイドにして多面的に見る事だなと改めて感じられた。

ジブンにとって大事なのでもう一度言います。
事実、解釈、意見この3つのつながりの見極めが重要。

ヒトラーは民主的に選ばれたのか?

この問いで気になった言葉は、ナチ運動の暴力的なダイナミズムという表現である。事実としては、民主的な大多数でヒトラーが選ばれていない事がわかっている。

一方で、当時のドイツの置かれていた環境で強いリーダーが望まれていた状況と、ヒトラーが独裁を目指し反対派の弾圧を行ったことで、幻惑、委縮させられ結果として積極的か消極的かを問わずにヒトラー体制に忠誠を誓う構造は想像にかたくない。

自分が今の平和な世の中で構築された精神性でナチスの暴力性を持った統制にNOとはきっと言えない。ヒトの強さとは何かを考えさせられる。

経済回復はナチスのおかげ?

ちょっとこの問いであるおかげ?という言葉がちらっと気にはなるが、大事な事は、純粋な景気刺激策(失業対策)としてのアウトバーン建築は経済的な効果よりもプロパガンダ的な意味合いの方が強いという事。

また、読んでいて最も苦しくなるような収奪の経済の影響が大きい。収奪という言葉の後ろに経済がつくのも微妙ではあるが、表現なので仕方がない。
事実として書かれているのは、占領地からの収奪、ユダヤ人からの収奪、外国人労働者からの収奪であり、一部そのさまが書かれているがきっと現地では正気の沙汰ではない行為が行われていたことが容易に想像できる。

ここまで、前半として第一章から第四章あたりのことについて気になる言葉や流れを自分の中に残したかった内容を書いてみたが、この段階でも本書の問いである良いこともナチスはしたのか?に対するYesという答えはなかなか自分のなかでは出せない。

戦争反対!!だけでは今の世に生きる大人の一人としてあまりにも、、、なのでまずは知る事から、過去の歴史を踏まえて同じ轍を踏まない為にどうする事が自分、自分達レベルでできるかを考えられるようにしていきたい。

また、後日後編として気になった表現などを中心にまとめていく。

ではでは

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