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#71 読書録 生きるとか、死ぬとか父親とか を読んでめちゃくちゃ感情が揺さぶられた話

今日は、オーバーザサン仲間からおススメされた、【生きるとか死ぬとか父親とか】の読書録について残しておきます。

オーバーザ・サンとは?という人はこちら

どんな本なのか気になった方はこちら。


この本を紹介される数分前の会話

友人と都内を散歩中に、今地方にある実家が誰も住む人もいなく近所の人のサポートと母の友人が時々家の換気をしてくれている程度で最低限のメンテナンスがされている状態ですでに7年近く経っている。

家族が旅行などで帰省して実家が使われるのも年間数日程度という状況は今後も変わらないだろう。だから2024年末までには実家を処分したい。

少なくとも処分するかどうか一度しっかり家族会議で検討して、実母、兄と意思決定をすることを目標にしたんだという話をしたことが発端であった。

これが、今回読書録として残す生きるとか死ぬとか父親とかという本が自分の人生と交差する数分前の会話。

そして、後日自分の家に本が届いた。

もともとやりたかった事のヒントは見つかった?

実家の整理。具体的には実家に置いてあるものを基本使っていなくても今の生活が家族全員まわっていることを鑑みるとモノは基本処分する前提で全て廃棄することを意味している。

結果として今の実家の土地を更地にして売却してしまいスッキリさせること。これがやりたかった事。少なくともこの本を読む前までは。

だから、自分のしたい事を話していた流れで紹介されたので、その為のハウツー的な事が書かれていると思っていた。

だが、ふたを開けてみると、そんな道具的な読み方ができる本ではなく、家族のあり方だけではなく、家族として歩んできた時間の影となる思い出とモノ(家やそこにあるモノ全て)とどう折り合いをつけていくかという深い深いストーリーと出会う事ができた。

やりたいことのヒントが見つかったか?というと、いえ逆に全くわからなくなった。というのが答えになるだろう。

ただし、家を整理したあとに、この本に出合っていたとするときっと後悔する事になっただろうという確信は得られた。たとえ結果的にもともとの思い描いていた家を更地にすることになったとしても。

素敵すぎる言葉たち

読み始める前は、本の薄さとオーバーザサンのノリで面白おかしく読める本だなと高をくくっていたのですが、もー感情が揺さぶられて、揺さぶられて自分としては、胸をぐっと締め付けられる所がほとんど。

なにがそうさせるのか?それは使われている言葉が本当に素敵すぎるのだ。自分がよく読むジャンルのビジネスや自己啓発的な本ではめったにお目にかかる事ができない表現の数々。という事で、本を読み終わったときには、付箋の華が咲いた状態になったのだが、しびれる表現達をこれから紹介する。

もちろん笑える所もたくさんあるのですが、人間ひとりひとりがものすごく立体的に見えて、その時の時代背景も自分がそこにいるのではないかという臨場感があり、エピソードが自分に重なる所が多く、珍しく読んでいるときに何度も何度も涙を流してしまいました。

そういう面では、読み始める前とあとのGAPは覚えている限りNO1だったなと。いつもは、読んだ本で気になったところをピックアップして、
1、なぜ今の自分のアンテナに引っかかったのか?
2、それを自分の日常に引き寄せてみると何が言えるのか?
3、では、明日からの行動に移せることは?
みたいなフレームワークでざっくりまとめているのですが、この本についてはちょっとそれでは味気無さすぎるし、なんか全然ちがう。

という事で、気になった表現はいつものように抜き出していくのですが、思いつくままに、どんどん言葉をつないでいく感じで生きたいと思います。

 ・明るくする表現ってこんなにも膨らむのだな

4歳の女児と生後2週間の赤子が燦々と発する無自覚な生命力で部屋は明るく満たされた。

この話の前提がケアハウスの事が書かれており、自分の身内でケアハウスを利用したことがあったので、静かな。正直枯れているイメージの空気に上記の表現で生命の華が咲くような描写になっており、より子供たちのエネルギーが増幅されて届く表現になるほどとうなりました。 

 ・いやー身近にある表現方法がこんなにも強くなるなんて

ほんの10年前まで、父は全盛期の石原慎太郎とナベツネを足して2で割らないような男だった。

いやいや、足して2で割るのバージョン違いとは思えないほどのインパクトの大きさ。そして、選択している2つの事象がも―思い描きやすくてため息がでる表現でした。身近にあるものすべてを掛け合わせればこんなパンチのある表現になるのだなとスーさんの筆の力に脱帽しました。

 ・嗅覚をもと失ったモノを思い出させる表現の深さ

残った殻をシライさんがヘラで鉄板に押し付けると、我が家にも金も母も存在したころの香りがあたりに広がった。

いや、鉄板料理やで、シェフの動きを自分が見ている絵も鮮明に浮かぶし、匂いが過去の自分たちの状況と今の状況の差分を表す文章って本当に衝撃を受けました。ストレートには表現市内からこそ、全体の総量として与えるイメージを増幅させて、結果より読み手に伝わる。これってビジネス文章でてきるのかな?とも妄想。

匂いを使う事により、一瞬だけ思い出させてまた、ぼんやり消えていく事も暗喩している表現。人生で一度も使えてことはなし。

いや、こんな表現を会話のなかでできるような人間に少しでもなりたいと思わされました。やっぱり豊かな表現にたくさん触れる事。これが王道かな。


なんか、自分が読んだ中で刺さったランキングみたいになってしまったが、正直全然違うものになってしまった。

なぜかって、その表現方法が自分のどんな部分に刺さったかは全く別なのに、表現の仕方という荒い括り方をしたからリンゴとクルマを比べている感じに。ま、それも自分の表現力がしょぼしょぼという事で包み隠さずそのままで行きます。

この本の凄さは読んでもらえばもっともっと伝わると思います笑


まとめ

自分がこれまで読んでこなかったジャンルの本をおススメされたときには、思考停止して受け入れる事が吉であるとわかった。もちろん、推してきている人がどんな人かよくよく知っているという前提ですが。

それぐらい、この本は自分の人生に大きく影響する出会いであったことは間違いない。

という事で、もしジェーンスーさんの名前を一度でも聞いたことがある人にはこの本を猛烈プッシュしておきたいと思います。

ではでは


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