人は【言葉】で世界とつながる
普段当たり前に使っている「言葉」について、考えてみます。ほとんどのひとが、毎日言葉を使っています。僕らにとって言葉というのは、いったい何でしょうか。
ほんのちょっとだけ考えてみます。(ちょっと大きく出すぎて後悔)
言葉とは
クロマニヨン人とネアンデルタール人について、教科書に書かれています。進化については詳しく知りませんが、クロマニヨン人が新人と呼ばれ生き残ったといわれています。その理由として、言葉を持っていたことが挙げられます。
クロマニヨン人は、脳や喉の構造が発達していました。言葉をつかうことで、知恵や工夫を仲間に伝えることができたといいます。言葉のおかげで、生き残れたといわれています。
言葉は、目の前にないものについて表現できます。また、過去や未来についても考えたり、表現することができます。言葉は人間だけが扱えるものといわれています。
人は言葉で感じる生物
今夜の晩御飯は「死んだ牛を炎で焼いたものです」といわれたら、少しワイルドで怖い気がします。今日のディナーは「ステーキ」ですといえば、お腹もすき、ツバがわいてきます。表現が違うだけで、印象はずいぶん変わります。
物事を「ネガティブ」や、「ポジティブ」という味方で区別することがあります。それはあくまで印象であり、言葉自体に良し悪しはありません。
「いいかげん」といえば、聞こえは悪いですが、「おおらか」と言い換えればどうでしょう。「頑固」は「意志が強い」、「飽きっぽい」は「新しいことが好き」と言い換えることもできます。
心理学の手法で「リフレーミング」ともいいます。人間は言葉から、いろいろなことを感じる生き物です。
頭の中の事は伝えないとわからない
自分が考えていることは、伝えないと相手はわかりません。あたりまえのことですが、実はなかなか難しいことです。
自分の考えを言葉にしているつもりでも、その言葉に相手がどう感じるかはわかりません。相手がわかるように、言葉にしないといけません。
相手に伝わるように、心がける必要があります。シンプルで、初歩的なテクニックを挙げてみます。
「なぜなら」をつかう
「あれヤバい」と思わず言葉にしてしまった場合、その後に「なぜなら~」をつけてみます。なぜなら、なにがその人を「ヤバい」と思わせたのか、伝えることができるからです。
似ているもので説明する
「大きな生き物が街を破壊しはじめた」といってもピンときません。「山のように大きな生き物」といえば、ビルを踏み潰している怪獣のような姿が浮かんできます。
感情を何かで例えることもできます。「すごく驚いた」ではなく「目が飛び出るほど驚いた」と言い換えたり。「すごく怒っている」ではなく「烈火(激しい炎)のように怒っている」とたとえると、より伝わりやすくなります。
頭の中のことを人に伝えるのは、本当に難しいことです。
言葉の力を高める
言葉の力には3つの要素があります。
知識・・・言葉の意味をたくさん知っている
語彙・・・知っている言葉の数
言語センス・・・どの言葉が適切か判断できる
言葉をたくさん知っていることだけでなく、意味をきちんと知っていることも必要です。そして、その言葉を選ぶセンスが、合わさって言葉の力といえます。それぞれを鍛えて、言葉の力を高めてきたいものです。
まとめ
言葉について、ちょっとだけ考えてみました。
言葉を使えるのは人間だけ
人間は言葉で感じる
頭の中のことは、言葉にしないと伝わらない
言葉の力を高めよう
昔と今とでは、家族構成や近所付き合いなど、社会の様子が変わってきました。そのせいもあり、言葉の力が育ちにくいともいわれています。
しかし、言葉なしでは、目の前の物一つとして相手に説明することはできません。自分の頭の中のこととなれば、なおさら言葉は必要です。
「言葉はヤバい」です。なぜなら、世界は言葉でできています。そして、人間は言葉で世界とつながっているからです。
参考文献
『言葉の力』学校では教えてくれない大切なことシリーズ
(オゼキイサム著、旺文社、2019年)