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夢百夜話-ユメヒャクヨバナシ 第2夜

そろりと外に出て街中(マチナカ)を歩く。
月明かりだけが支配するこの街は全く知らない街のようだ。
お昼にいつもお世話になっているパン屋。
月1お世話になる理髪店。
スーツを仕立てた洋服屋。
……知っている店は全てあるのに誰も。
……犬や猫も、あのうるさいカラスさえ。
いない。
世界には最初から自分しかいなかったかのように生き物の気配が全くしていない。
「誰か!誰かっ!いませんか!」
叫んでも答えは返らず。
静かに風だけが吹いていた。

そこで目が覚めた。

作品は観る者がいないと成立いたしません。観る者が1人でも成立いたしますが多ければそれだけ物書きという者ははりきるのです。観る者が育てるという役を選んでくれたなら物書きは安心して書くができるでしょう。