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骨盤・股関節・背骨を連動させるトレーニング

ヨガやピラティスをトレーニングとして導入している選手は多い。
【協調性】や【連動性】など、俗にいう【身体の使い方】を良くするため。

ここではヨガやピラティスが良いかどうかは置いておく。
しかし、【身体をきちんと使う】という事は間違いなく重要。

だが、まず確認しておきたい。
【身体の使い方】とは具体的にどういう事なのか。

簡単に言うと
【骨や関節が最適なポジションにあり、(それらも姿勢も)安定している。そして効率よく動かすことができる】
という事。

・骨や関節が最適なポジションに無い(ズレや歪みのある状態)
・姿勢が安定していない
・動くとき、無駄な力が入りまくり

これじゃ良いパフォーマンスは発揮できないし、怪我も増えるのは当然。
だから
【骨や関節が最適なポジションにあり、(それらも姿勢も)安定している。そして効率よく動かすことができる】
という事が重要。

今回は【連動】という部分でも特に重要な
“骨盤・股関節・背骨”
ここのトレーニングを紹介する。

連動させる為のトレーニングは多くある。
たくさんの選手をサポートする中で
『これ絶対に必要なのに苦手な選手多いな』
というものを紹介するので、是非トライしてほしい。

まず、連動させる前に
【股関節の動き】
を確認する。

股関節は
・体重のかかっていない状態
・体重のかかっている状態

それぞれで機能する必要がある。

しかし
“体重のかかっていない状態”
では可動域を確認したり、トレーニングを行うが
“体重のかかった状態”
できっちりと確認、トレーニングをしているのは意外と少ない。

【体重のかかった状態での股関節の動きレベル1】

【ステップ①】
①拳一つ分の足幅で立つ
(足は真っ直ぐ)
②いい姿勢のまま腰を落とす
③股関節を使い、骨盤を前後に動かす
※足を真っすぐ動かす(膝はブレない)
※腰の高さもブレずに
※足の裏はびちっと着いたまま
(荷重が極端に変わったり母指球が浮いたりしない)

【ステップ②】
①足を肩幅ちょいひらく
②いい姿勢のまま、片方の足に体重を乗せる
③体重を乗せた状態で股関節を内側と外側に捻る動き
※足のラインは真っ直ぐ
※股関節の位置がブレない、腰の高さもブレない

【ステップ③】
①足を肩幅ちょいひらく
②いい姿勢のまま腰を落とす
③腰を落としたまま片方の足に体重移動
④股関節を使い骨盤を捻る
⑤お腹を捻る
⑥胸郭(胸のエリア)も捻る
※体重のかかっている股関節だけ動かす
※腰の高さは変わらない
※きちんと体重を乗せる
※スムーズな動き

まずはこういった動作にトライしてほしい。
『思ったほど股関節が動いてくれない』
という人も多いと思う。

いける方は次のステップにチャレンジ。

【体重のかかった状態での股関節の動きレベル2】

【ステップ①】
①片方の足の体重をのせる
②いい姿勢のまま腰を落とす
③股関節を使い骨盤を前後に捻る
※体重はほぼ片足にのせる
※股関節、骨盤はできるだけブレないように
※足のラインは真っ直ぐ
※足の裏はピタッとついたまま

【ステップ②】
①片方の足に体重を乗せる
②いい姿勢のまま腰を落とし、反対の足は浮かせる
③股関節を使い骨盤を前後に捻る
※足のラインは真っ直ぐ
※腰の高さは一定

しっかりと体重をかけると、股関節をきちんとコントロールするのが難しくなる。
しかし、負荷のかかった状態でも股関節をきちんとコントロールできること、使えることは絶対に必要なこと。

股関節をうまく使えない選手、問題を抱えた選手は本当に多い。
こうした動作がうまくできない選手は
・骨盤、股関節のポジションはどうか
・股関節の可動性はどうか
・股関節の動きを邪魔している筋肉、組織はないか
など、こうした部分の確認からしなければいけない。

うまくアプローチすれば、それほど時間をかけなくても改善できるが、自力では難しい部分もあるので専門家に頼ればいい。

さて、股関節の話が長くなったが今回のテーマは連動。
ここから連動させる動きに入る。

【連動した動き~四つん這いVer.~】

【ステップ①】
①四つん這い
(肩の真下に手首、股関節の真下に膝)
②いい姿勢で骨盤、腰を安定させたまま片方の足を浮かせる
③後ろに伸ばす(あげる)⇒つま先と膝を外に向ける⇒股関節と膝を曲げる⇒おろす 繰り返す
④逆回し
※骨盤が開かない
※お尻や姿勢が逃げないようにする

【ステップ②】
①四つん這い
(肩の真下に手首、股関節の真下に膝)
②片方の足を浮かせる
③体重のかかっている方の股関節を動かす
④股関節を支点に可動域をしっかり使い円を描くような動き
⑤逆回し
※連動して、骨盤も動かす
(骨盤を丸める⇒反らせる⇒開く(おへそを外に向けるイメージ)⇒丸めていく)
※お尻や姿勢が逃げないようにする
※力みすぎない

【ステップ③】
①ステップ①とステップ②を組み合わせる
②体重のかかっている股関節、浮かしている股関節をスムーズに繋げる
③股関節、骨盤の動きに合わせて背骨の動きもプラス
④逆回し
※お尻や姿勢が逃げないようにする
※一定のスピードでスムーズに行う

ステップ①の動きはウォーミングアップ等でもよく行われる。
きちんと出来ている選手は意外と少ないが、ちゃんとやれば良いウォーミングアップになる。
四つん這いではなく、立った状態で行うこともあるが、今回は姿勢の安定性もプラスしていきたいので四つん這いにしている。
そういった事は状況や状態、求めるものによって変えればよい。

ステップ②、ステップ③になると出来ない選手が多いのでないかと思う。
ここまでやると連動した動きに繋がってくるので是非トライしてほしい。

ちなみに、
ステップ①だと“ダイナミックスタビライゼーション”
ステップ②③は“コーディネーション”
という分類になる。

ここまで出来たら立った状態での連動した動きにトライしてほしい。

【連動した動き~立位Ver.~】

これは、最初に紹介した股関節の動きと、先ほどの連動した動きの組み合わせになる。

立った状態で片方の足に体重をのせ、股関節を支点に股関節・骨盤・背骨をスムーズに動かしていく。

腰の高さは変わらず、足のラインは真っ直ぐ、足の裏もびちっと着いたままスムーズに動かす。

こうした動作がスムーズにコントロールできると、競技で求められる様々な動きの獲得に繋げられる。

うまく出来ない場合は
・背骨の動きはきちんと出ているか、コントロールできるか
・骨盤のコントロールはできるか
・股関節の可動性はあるか、コントロールはできるか
・胸郭(胸エリア)の動きが正しく出ているか
・姿勢、関節等の安定性は足りているか
など、こういった部分の確認が必要になる。

どこかに問題がある場合、ひたすら練習しても出来ないまま。
これば当然のことだが、それに気付かず無駄なトレーニングになっている選手は本当に多い。

連動性を引き出すトレーニングは多くある。
簡単なものからトライするのはもちろん良いが、アスリートであれば、ここで紹介している動作くらいはきっちり出来るようにしなければいけない。

気合や根性ではなく、正しい動作を獲得し、それをパフォーマンスに繋げていく作業をどれだけ丁寧にできるか。

ウエイトトレーニングも絶対に必要だが、それだけではだめ。
こういった部分をきちんとアプローチできている選手は本当に少ない。

自力では分かりにくいが、是非トライしてみて、もっと質を上げていきたいのであれば専門家に頼ってほしい。

ただ、専門家と言っても得意分野は様々で、もちろん“腕”もピンキリ。
人と人なので相性もある。
フィットする専門家と出会えることを願うばかりだ。

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