【知恵の本棚】信頼と評価を勝ち取る「仕事を選ぶ力」。
上司や先輩から、突然、仕事をふられると、ついつい引き受けてしまう方は多いかもしれません。私の経験上、若い方ほどその傾向は顕著です。
本来の仕事に影響のない範囲であれば、依頼者との信頼関係を築く意味でも、引き受けてよいかもしれません。
しかし、本来の仕事に影響があるとしたら、話は別です。
自分の仕事がいっぱいいっぱいなのに、急にふられた仕事を断ることができないと、どちらの仕事も中途半端になってしまいます。
残業でもカバーしきれないと、アウトプットの質を落とすか、納期を延ばしてもらうかの、どちらかになります。
せっかく頑張ったのに、仕事の依頼者にも喜ばれず、自分自身の評価も落とす、不幸な結果を招きかねません。
たくさん働いても、結果を出さないと、高く評価されることはない。それが会社という組織です。
それなら、急にふられた仕事は、全部ことわればよいのかというと、そう簡単な話でもありません。
特に、プロジェクトチームを作って仕事をする場合は、必ず仕事の割り振りが発生します。それも、プロジェクトが進むにつれ、当初計画にはなかった仕事が、増えていくのが普通です。
その増えた仕事を、すべて断っていては、他のメンバーの負担ばかりが増し、プロジェクトが回らなくなります。
だから、自分が引き受けるべき仕事は引き受け、そうでない仕事は引き受けない判断力が求められます。
安易に仕事を引き受けてしまう3つの原因
なぜ引き受けるべきでない仕事を引き受けてしまうのでしょうか。原因は、3つ考えられます。
一つは、自分より上の立場の人からの指示には従った方がよいという固定観念の存在です。
それは相手を尊敬しているという理由からではありません。自分の方が仕事の経験が浅いために、上司や先輩の言うことの方がきっと正しいのだろう、という思い込みが背景にあります。
しかし、上司や先輩が、相手の能力や置かれた状況までよく理解した上で、仕事をふっているとは限りません。いや、むしろ、そこまで精査せず、ある程度勘に頼って仕事をふっているほうが多いはずです。
2つ目の原因としては、本来の職務を全うする意志の弱さが考えられます。
本来の職務が順調に進んでいない時、そちらに没頭できる人はいいのですが、往々にして、他の結果の出しやすい仕事を先に進めたい思いに駆られます。
そんな時に新しい仕事をふられると、本来の職務が進まない口実に使えるし、仕事の達成感を得たいという潜在意識もはたらき、ついつい引き受けてしまうのです。
3つ目の原因は、具体的なアクションへの落とし込みが甘いことです。
この程度の仕事は、自分の能力なら、すぐにできるだろうと、二つ返事でOKしてしまうことがあります。
ところが、いざ取り掛かってみると、課題がたくさん見つかり、想像した何倍もの労力が必要だったりします。あとから、他のメンバーに任せた方が効率的だったと気づいても、もう引き取ってもらえる状況ではないかもしれません。
仕事を選ぶためのおすすめの方法
では、経験の浅い若い人が、上司や先輩から急に仕事をふられた時は、どうすればよいのでしょうか。
私のおすすめの方法をご紹介します。
STEP1:仕事の内容をその場で理解する
まずは、依頼された仕事の内容を詳しく聞き、その場で理解することに努めましょう。
その場で理解しようとするのがポイントです。この時点では、依頼者も、まだ仕事の具体的なイメージを持てていなかったりするからです。
仕事の進め方を話し合いながら聞くようにすると、依頼者の中でイメージがまとまってきます。すると、他の人にふった方がよいとか、自分でやるべきだと考えが変わることもあります。
もし、自分では対処できるかわからない課題が見つかったら、その課題をどうクリアすべきか、依頼者にも知恵を出してもらいましょう。
STEP2:いったん持ち帰って検討する
引き受けても問題なさそうだと感じても、もう少し詳細を詰める時間をもらって、できるだけ、その場では引き受けないようにしましょう。
いったん持ち帰ったあとは、具体的なアクションまで落とし込んでみましょう。課題が見えてきたり、仕事の重さの程度がわかってきます。
STEP3:誰が引き受けるべき仕事か考える
自分が引き受けた方がよい理由と、自分が引き受けない方がよい理由を整理しましょう。
本来の職務には影響しない、自分の能力を活かせる、自分の成長のために引き受けたい、などは引き受けた方がよい理由になります。
本来の職務に大きな影響が出る、自分の能力を超えている、誰でもできる仕事であり他に手の空いている人がいる、などは引き受けない方がよい理由になります。
STEP4:断る理由or引き受ける条件を依頼者に理解させる
引き受けない方がよい理由が明確なら、この時点で断りましょう。客観的にみても妥当な、自分より他の人にしてもらった方がよい理由を添えると、断りやすくなります。
引き受けた方がよい理由があるなら、アウトプットを出すためのアクションとスケジュール、引き受けた場合に想定される課題を依頼者に話し、落としどころを一緒に考えてもらいましょう。
STEP5:引き受ける場合は依頼者と合意形成する
依頼者が事情を理解した上で、それでも引き受けてほしいというなら、引き受けても大丈夫です。
アクションやスケジュールや課題に関して合意形成しておくと、依頼者も自分ごととして考えてくれるようになります。
仕事を始めてからも、進捗や見通しを共有しやすくなるでしょう。
まとめ
上司や先輩から仕事をふられても、安易に引き受けないようにすることが大事です。
とても結果の出せないような仕事を引き受けても、信頼を失い、評価も落とすだけとなり、何もいいことはありません。
アクションやスケジュールや課題を検討すれば、やり遂げられる仕事なのか、そうでないのか、切り分けられるようになります。
日々、仕事に追われていると感じる方は、仕事を選ぶ能力を磨き、余裕をもって楽しく仕事のできる日常を取り戻しましょう。
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