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青年海外協力隊【給料事情を解説】2年間で200万円以上もらえます

こんにちは。遠藤暁(@str_se)です。

本記事では『青年海外協力隊がもらえる給料』について、徹底的に解説していきます。



協力隊に興味があるひとは、受け取れるお金についても知りたいですよね。

というわけで、本記事で解決する疑問は以下の通り。

・派遣前、2年間の任期中、帰国時にそれぞれどれくらいのお金がもらえるのか?
・具体的にどんな種類の手当があるのか?
・合計でどれくらいの給料がもらえるのか?
・協力隊として活動している間の年金、税金、保険料はどうするの?


青年海外協力隊のお金にまつわる疑問をすべて解決していきます。



ちなみに筆者の青年海外協力隊歴は以下の通りです。

・2017年2月〜3月→短期ボランティア、ボリビア派遣(職種:サッカー)
・2018年2月〜3月→短期ボランティア、エチオピア派遣(職種:サッカー)
・2018年6月〜2020年6月→長期ボランティア、ボリビア派遣(職種:サッカー)

これまで3度も協力隊を経験済みなので、記事の信頼性はあるかと思います。

ということで早速、青年海外協力隊の給料について解説していきます。




青年海外協力隊【給料事情を解説】


先に『協力隊としてもらえる給料の合計』をお伝えすると、200万円は軽く超えます。


おそらくみなさんが想像していたよりも多かったんじゃないかと。

そうなんです、めちゃくちゃお金がもらえるんですよ協力隊って。というわけで、具体的にどういったお金がもらえるのか見ていきましょう。


✔︎4部構成

本記事では、協力隊が受けとる給料を以下の4つのパートに分けて説明していきます。

①派遣前に受け取るお金
②2年間の任期中にもらえる給料
③帰国時に支給される手当
④その他の諸経費


一つずつ順に解説していきます。




派遣前に受けとるお金


まずは任国に派遣される前に受けとるお金について紹介していきますね。以下の3つの名目で支給されます。

1. 移転料
2. 支度料
3. 派遣前訓練手当



✔︎移転料

移転料とは『赴帰任に伴う住居の移転のための経費』という位置づけです。


派遣される前や帰国後に引越しがあるケースに備えたものですかね。引越し費用みたいなものだと思ってください。

この移転料は派遣される国によって金額が異なりますが、だいたい80,000円〜130,000円の間ですね。


基本的にアジア圏や大洋州といった日本から割と近い国に派遣される場合は少なめで、中南米やアフリカなど日本から遠くなると高めの移転料が支払われます。

参考までに、ぼくがボリビアに派遣された当時の移転料は114,000円でした。


ただし国ごとの移転料の金額は変わることもあるので、正確な金額は協力隊になるともらえるボランティアハンドブックを参考にしてください。



✔︎支度料

支度料は『赴任に伴う諸準備のための資金』という位置づけです。任国に派遣される際に必要なものを買うためのお金ですね。


移転料のように派遣国によって金額が違うということはなく、支度料は全派遣国一律『90,000円』。

カメラやPCを買ってもいいでしょうし、衣類や常備薬なんかをしっかり買い揃えてもいいでしょう。


派遣される際の持ち物について別の記事でまとめているので、以下の記事を参考にしながら荷造りしつつ、支度料を使って必要なものを買い足していく感じにしてもいいと思います。




✔︎派遣前訓練手当

派遣前訓練期間分の手当として支給されます。

金額は『40,000円/月』。派遣前訓練は70日なので、2ヶ月半相当の100,000円がもらえるということになります。


ちなみに派遣前訓練手当は、派遣前訓練が終わったときに自分の国内口座に一括で支給されます。訓練期間中に受けとれるわけではないので、勘違いしないようにしてください。



青年海外協力隊の派遣前訓練については以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は合わせてご覧ください。




✔︎派遣前に受けとれる金額の合計

ここまでの内容を一旦整理します。協力隊として派遣前に受けとれるお金は以下の3つ。


移転料+支度料+派遣前訓練手当


移転料は派遣国によって異なるので、もらう金額はひとそれぞれです。


ぼくが派遣されたボリビアの場合、具体的な金額は以下のようになります。

114,000円(移転料)+90,000円(支度料)+100,000円(派遣前訓練手当)=304,000円

めちゃくちゃもらえますね。このお金を使って、派遣に向けてしっかり準備を整えましょう。




2年間の任期中にもらえる給料


ここからは任期中にもらえる給料をみていきましょう。

以下の4つのお金が支給されます。


①現地生活費
②住居費
③健康管理手当
④国内手当


順に解説していきます。



✔︎現地生活費

その名の通り『現地での生活費』です。

・食費
・水道光熱費
・日用品代
・移動にかかる交通費

上記のようなものが、現地生活費に含まれます。


現地のひとたちの生活を基準にした調査を踏まえた上で現地生活費の金額が決まるので、もらえる現地生活費は派遣国によって違います。


ただし普通に生活するには十分足りるくらいの金額が支給されるので、心配する必要はありません。月$300くらいから、多いところだと$700くらいもらえるかと。


ちなみに現地生活費は毎月支給されるのではなく、3ヶ月に一度、3ヶ月分がまとめて支給されます。

基本的に4月、7月、10月、12月にもらえる感じですね。



✔︎住居費

これもその名の通り、住居のための費用です。現地で住む家の家賃ですね。


住居費は各派遣国によって上限が決まっており、家賃がその上限より高い家には住めません。


自分が派遣される国の住居費の上限がどれくらいなのかは、実際に協力隊に合格してボランティアハンドブックで確認しましょう。

参考までに、ぼくがボリビアで住んでいた家の家賃は$300でした


住居費も現地生活費と同様、3ヶ月ごとの支給です。



✔︎健康管理手当

このお金は『心身ともに健康管理を各自でしっかりおこなうことを支援するため』という位置づけです。


健康管理手当は、2年間の任期のうち半分(1年)が経過したときに一度だけ支給されます。


派遣されて1年が経ったところで、残りの1年の任期も健康に気を遣いながら活動してもらうための「自己管理」を隊員に促すためでもあるかと思いますね。


受けとる金額は派遣国による違いはありません。全派遣国、一律$361です。



✔︎国内手当

派遣期間中に日本国内でなんらかの支出が必要になった場合に備えて支給されるお金が『国内手当』。

『55,000円/月』が毎月日本の口座に振り込まれます。派遣国による金額の違いはありません。


派遣期間は2年間(24ヶ月)なので、合計すると1,320,000円もらえることになります。


もし国内手当を2年間ずっと使わずにいれば、任期が終わったときに1,320,000円がそっくりそのまま貯金されてることになりますね。



✔︎任期中に受けとる金額の合計

一旦整理します。任期中にもらえる給料は以下の4つ。


現地生活費+住居費+健康管理手当+国内手当


現地生活費と住居費は派遣国によって異なるので、ここでは具体的な金額は紹介できません。

ただし国内手当だけでも1,320,000円ももらえるので、かなりの金額が支給されることがわかりますね。




帰国時に支給される手当


ここまで『派遣前』『任期中』に受けとれる給料をみてきました。さいごは『帰国時』にもらえるお金について解説していきます。


帰国時には以下の2つのお金が支給されます。

①移転料
②協力隊活動終了金

順にみていきましょう。



✔︎移転料

移転料は派遣前に貰えますが、帰国時にももらえるんです。すでに派遣前のパートで解説しているので、説明は割愛します。


ちなみにもらえる金額は派遣前と同じ。

派遣国によって違うので、正確な金額は伝えることはできません。



✔︎協力活動修了金

その名の通り『青年海外協力隊としての活動を終了することによってもらえるお金」』です。


ちなみに以前までは『帰国社会復帰手当』『帰国初動生活手当』という名目で支給されていましたが、名称が変わったみたいですね。

これらは以下のような目的で支給されていました。


帰国社会復帰手当→帰国後に仕事に就くまでの生活費などに対する支援
帰国初動生活手当→派遣終了後の引越しなどに対する支援


なので協力隊活動終了金も、同じような趣旨は含まれていると思います。


協力隊活動終了金は『20,000円/月(派遣期間分)』です。

派遣期間は2年間(24ヶ月)なので、全部で480,000円が支給されます。



✔︎帰国時に支給される合計金額


帰国時にもらえるのは『移転料』『協力活動終了金』の2つ。


移転料はだいたい80,000〜130,000円の間なので、それに480,000円を足した金額を任期満了時に受け取れます。



✔︎その他の諸経費

ここまで紹介してきたお金以外にも、派遣前訓練や出国/帰国に関わる以下のような交通費等もJICAから支給されます。


派遣前訓練の際の「家⇄訓練所」の交通費
派遣される際の「家→空港」の交通費
帰国時の「空港→家」の交通費


また『教育訓練手当』という最高200,000円もらえる制度もあります。しかしこれは対象者のみ。詳しくは以下のリンクをご覧ください。





年金、税金、保険料は?


青年海外協力隊としてもらえる給料については、以上です。

ここからは2年間の任期中の『年金』『税金』『保険料』についても説明しておきますね。


興味のない方はさいごの『まとめ』のパートまで一気に読み飛ばしちゃってもOKです。



✔︎年金

派遣前に住民票を抜いていくので、青年海外協力隊の任期中は年金の支払い義務はありません。

しかし2年間の任期中は国民年金に『任意加入』することができ、JICAは加入を強く勧めています。


国民年金に加入するかしないかは任意ですが、2年間支払わなかったら当然将来的に受けとれる年金も減るので、そこはご自身で考えましょう。



ちなみに2年分の年金を前払いする『前納』という制度もあります。前納すると多少の割引が効くみたいなので、検討してもいいかもしれませんね。

前納に関して解説しているサイトを載せておくので、興味がある方はご覧ください。




✔︎税金

所得税に関して、派遣期間中にJICAから支給される手当等は非課税です。

住民税は派遣される年の前年度分の支払いはありますが、その後の2年間は支払いの必要はありません。



✔︎保険料

支払いの必要はありません。派遣の際に住民票を抜くので、国民健康保険は適用されなくなります。

任期中はJICAの保険が適用されるので、ご安心ください。



✔︎市町村や税務署に確認

本記事で一応年金、税金、保険料に関して少しだけ解説しましたが、詳細やより正確な情報は必ず自分が住んでいる市町村やその税務署に確認してください。


JICAもホームページにおいて年金等の手続きに関する情報を説明しているので、そのリンクを載せておきますね。



上記のリンク先も必ず目を通すようにしましょう。




まとめ:2年間で200万円以上もらえます


というわけで、協力隊としてもらえるお金を解説してきました。受けとれる金額は、みなさんが想像している以上だったんじゃないかと。


これだけのお金がもらえるのは本当にありがたいことですし、間違いなく協力隊のメリットです。


さいごに、本記事をまとめておきます。


青年海外協力隊として受け取る給料
派遣前→移転料(派遣国により異なる)・支度料(90,000円)・派遣前訓練手当(100,000円)
任期中→現地生活費(派遣国により異なる)・住居費(派遣国により異なる)・健康管理手当($361)・国内手当(55,000円/月)
帰国時→移転料(派遣国により異なる)・協力活動終了金(2年間の任期をまっとうした場合、480,000円)


これだけ手厚い手当を受け取りながら海外で活動できる機会なんて、なかなかありません。

もし青年海外協力隊に興味が湧いたら、応募を検討してみてください。


協力隊の職種や応募の流れに関しては以下の記事をご参考に。



それでは今回はこの辺で。




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