「比較なんてしなくていい!」と頭でわかっていても、比較してしまう人へ。
色々な人の相談に乗っていると、さまざまな局面で人と比較しては苦しくなっているというケースは少なくありません。
これは、人と比較して劣等感を感じるだけでなく、
人と比較して優越感を感じている人も同様に苦しみの中にいます。
この記事は「比較なんてしなくていいんだ!」ということを言うつもりは一切ありません。そんなこと誰でも頭でわかっていると思いますし、頭で分かっていても、比較してしまうわけですから。
私自身も。以前は人と比較しては悔しさを感じていました。
幸い、それほど劣等感に苛まれることも、下を見て安心感を感じることもなく、ただただ自分を追い込み、磨き、努力と根性でそのギャップを埋めるという方向にベクトルは向いていました。こう聞くと一見悪くない
その差が埋まろうとも、また新たな比較対象を見つけては、ギャップを作り出し、またそこに向かって走り出すの繰り返し、一向に満たされることはなく、すっかり疲弊し切っていました。
なんとなくその達成感ややりがいみたいなものを惰性で追いかけていて、
心の奥底ではすっかり冷め切っていました。暇つぶしのために達成感を味わうゲームを延々と繰り返しており、何度もクリアして飽きたゲームを延々と繰り返していく感じで、ある意味地獄でした。
人との比較だけじゃない、情報社会の危うさ。
比較してしまうのは、職場や友人などの身近な人だけではありません、これだけ情報で溢れる社会の中で、さまざまな人の成果や生き方にスポットが当たります。同世代のアイドルやスポーツ選手、経営者やビジネスパーソンの情報を見ては、「私何やってんだろ」「どうせ、私なんて」と考えては塞ぎ込んでしまうなんてことも少なくありません。
また、情報だけでなく、妄想も比較の対象になります。理想を描くことは悪いとは思いませんが、あらゆることに理想を掲げて疲弊している人も少なくなありません。いつもこうであったら、ああであったらと、理想ばかりを妄想しては「不足感」を感じ、それを積み重ねていくと自分が嫌いになっていきます。
情報が溢れる社会では、いやでも情報に触れる機会が多く、同時に比較することも多くなってきており、これからますます、加速していくことでしょう。
「比較なんてしなくていい!」と言われても・・・
前述しましたが、比較なんてしなくていいと言われても、気づいた時には、比較してしまっていませんか? 私はそうでした、比較しなくていいなんて何の助けにも気休めにもならない言葉です。
比較したい私、比較をして劣等感を感じて不安になる私、比較して優越感を感じて安心する私、そして、そういう自分を見ては自分が嫌いになっていく私。そういう私を蔑ろにしたまま「比較なんてしなくていい!」なんて言葉を採用しようとしても、葛藤が生まれるだけです。
今度は、比較してる自分を見て、「またやってしまった」と落ち込むのが関の山です。
どんな私がいても、蔑ろにせず、ただ向き合う。
世の中には、色々な考え方があります。なんとなくそれっぽい格言のようなものや、ぐうの音も出ない正論みたいなもあります。しかし、その多くは、頭ではわかってもできないものばかりです。
やればいいじゃん、で済む人もいますが、多くの場合、行動には至りませんし、行動したとしても続かないことがほとんどです。
その頭ではわかっていることができないのは、ブレーキを踏みながらアクセルを回そうとするからです。当然、ブレーキにもエンジンも負荷がかかります。それが葛藤です。
「人と比較するなんて意味ない」とわかっていても、比較してしまう。
比較してしまう私を蔑ろにして、その考えを採用しようとしてもできるはずがありません。
比較してしまう私をみていくと、そこには、色々な私がいるはずです。
これがいい、これは悪いという考えを握り込んでいる私や、
何か理想があって、不足を感じている私など。
そういう私がいるのにも関わらず蓋をして、比較をやめようとすることは合理的ではないのは、ここまで読んでいただいた方ならわかると思います。
どんな私がいても、蔑ろにせず、ただ、その私と向き合っていく。
どんな私がいても、蓋をせずに、ただ、その私を知っていく。
そうした時に、握り込んでいる考えの枠が少しずつ緩んでいきます。
その緩みと同時に、意識が広がりが起きていき、その広がった意識が定着してくると、徐々にそれらが気にならない私になっていきます。
無理に"それっぽい考え"を採用せずとも、自然とそうなっていきます。
手放そうとせずに、手放している。
これが自覚の真骨頂です。
自分との向き合い方を極めていくなら、これた容易にできるようになってきます。向き合いましょう。
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