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言葉のことばかり【途中と中途】

途中を知らない

芸能人って、
ふとに見ると髪型が激変している
…ことが多い。

特に男性。あれ不思議なんですよね。
長髪だったのが短くなったのなら
「ああ、切ったんだな」ってことなんだけど

短かったはずなのに次見ると
長髪になってたりする
ので驚く。

芸能人はプロ根性で髪の毛を伸ばす。

…ってことは、さすがにないだろうから、
まあ、単なる錯覚なんでしょう。

見るのが久しぶりなのに、
印象が強いからしょっちゅう見てる気がして
急に激変した感じがするんだろうな。

途中を知らずに
前の点と今の点を繋げてしまうってことね。

中途がない。

ひとつ言えるのは彼らがボクらに比べて
「中途半端がない」ってこと。

たとえば、短かった髪の毛を
伸ばすことに決めた…とする。

僕らだと、床屋へ行ったら、
まあ、その時点では、まがりなりにも
ちゃんとした髪型だったものでも、
伸びてる途中ってやつは結構微妙。

その点、芸能人は
途中もちゃんとしてる…ってことだろう。

ヘアメイクさんもいるし、
そのときそのときの見た目が、
常に商売道具だからね。

ま、一般人にはそんなに髪型を変える
「必要がない」ってだけかもしれんが…。

中途の途中

こうやって何気なく書いていても、
「途中」「中途」って
無意識に使い分けてる気がします。

意味的にはどっちも一緒だと思う。
だけどニュアンスが違う。
…というか使うときの気分が違う?

堅苦しく言うと、

「途中」はスタートとゴールが決まってて
その間の「点」な感じ。
ちなみに「途」は道のことです。

「中途」はスタートはしてるけど、
ゴールはちょっとぼんやりしてるイメージ。
「点」というよりは期間で
スタート直後というよりは
半分くらい進んでる感じ。
なので止めると勿体無いし、
止めたらゴールは消えちゃう。

一方「途中」の「点」は
スタート直後でもゴール間近でも使える。
ここで止めてもゴールそのものは消えない。

あくまでも勝手なイメージです。

どっちも先にある文字が主導権を持ってて
「途中」は主は「道」にあってやや客観的。
「中途」は主は「中」にあってより主観的。

だから「中途半端」は気持ちが萎える。

「中途の途中」…そんな言い方ないけど
「道半ば」な時点に自分がいる、って感じがする。
「途中の中途」だと意味がわからない。

よくわかんないですか?
まあ国語の先生じゃないので中途半端…。
こういうことずっと考えてるのは
楽しいんですけどね。夢の途中みたいで。

ちなみに薬師丸ひろ子さんの
「セーラー服と機関銃」という歌
ホントのタイトルは「夢の途中」です。

さよならは別れの 言葉じゃなくて 再び逢うまでの 遠い約束 現在を嘆いても 胸を痛めても ほんの夢の途中 このまま何時間でも 抱いていたいけど ただこのまま冷たい頬を あたためたいけど

夢の途中 来生たかお

この場合、いま胸を痛めているのは
特定の時点ではなくて夢を見ている時間の…

途中ですがこのへんで止めときます。

次回の言葉は「社交」です。


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