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「ちいかわ」がおじさんのこころに届くまで3年かかりました。

「ちいかわ」のこと
知ってはいた。

知ってる、というのとも違うかも。
見た記憶はあった程度。

かわいいとは思ってた。
だけど「すみっコぐらし」との違いも
気してなかったし、
サンリオのキャラクターと
同じようなものだと思ってた。

バリア貼ってましたね。
普通のおじさんはみんなそうだと思う。

かわいいものに積極的に関わるなんて
おじさんにはあるまじき行為なので。
(そんなの自分で自分が気持ち悪い…)

アニメはよく見る人だけど、
それでもこのタイプは敬遠します。

流行の伝わる速度なんて
そんなもんです。

で、最近になって
これはちょっとなんか違う。
という噂を聞いた。

おじさんに届いた時点で一般化したんだと、
一般的には言われています。
そしてそのとき旬は終わるとも。

で、見たら…ハマりました。

これは何なんだ?って思った。

ひとことで言うなら、
何もない。

もちろん最初に興味を持ったのは
かわいいんだけどちょっと不穏な空気。

なんかあるみたいだけど、何もない。
ただ、そこにいて、それがかわいい。

だけど
その空気(気持ち?)みたいなのが、
理想じゃなくて実は現実的。

これ言っちゃうと覚めちゃうけど、
今のみんなの気分を変換してるだけ。
そんな感じがした。

これあなたの生活
そのものじゃん。

かわいい。気持ちいい。
たのしい。おいしい。

それだけで暮らしていきたいけど、
毎日には絶対なんか不穏なことがある。
それをそのまんま見せてる感じ。

作者のナガノさんのこと知らないけど、
たぶん自分の気持ちをそのまんま
描いてるんだと思った。

だから見る方も、何も考えないで
そのまんま浸ればいいだけなんだ。

…これ読んでる同世代(シニア)の方、
よく意味わかんないですよね。

でも一回見てみてください。
手っ取り早いとこだと、
アマプラで見られます。

1話1分とかです。
何も起きないので最初「何これ」と思う。
だけどなぜか次が見たくなって
見てるうちになんか同化する

そうね。同化する感覚です。
それを気持ちいいと思うかどうか。
ハマらない人はハマらないし、
だったらやめてください。ごめんなさい。

シニアの人は
自分に変換すると
妙に納得するはず。

実はこのものがたり、
シニアの生活の方が似てるかもしれない。

簡単な食べものはなぜか降ってきたり
湧いてきたりする。
これってちょっと年金ぽい…。

だけどそれだけじゃ満足できない。
だから仕事する。

仕事しようと思っても
大したものはない。

草むしり、シール貼り、とうばつ…。
とうばつは高収入だけどキツい。
資格取らなきゃ賃金安い。

貧富の差がある。
だけど気にしてもしょうがないので
考えないようにして楽しく暮らしてる。

いろんなタイプがいる。
だけどみんな力はない。

公式サイトより

純粋だけど
自分をちゃんと活かせないタイプ
これが「ちいかわ」

ちゃんとしててすこく気を遣って
がんばるけどなかなかむくわれない。
これが「ハチワレ」

思ったとおりに好き勝手に生きる、
迷惑かけたりするが魅力的で憎めない。
これが「うさぎ」

この3人がメインのキャラクターで
ああこの人ね、って周りにも
必ずいそうなタイプ。

生きてくぶんには何とかなるし
それでいいんだけど、
実はまわりに危険がいっぱいある。

悪い誘惑があって、だまそうとするヤツもいる。
それに染まると自分もそうなってしまう。
(モンスターになってしまう)

純粋なほどあぶない。

助けてくれる人もいるけど、
なぜかその人たちはを纏っている。

考えてるとだんだん
物語なのか、自分の周りの実話なのか
わかんなくなってくる。
(年取ると子供みたいになってくし)

人間は基本的に善良だけど、
ちょっとしたことで
違う人間になってしまう恐れがある。

そう考えると
現実ってすでにホラーだなあと思います。

シニアに寄せてみたけど、
年齢関係ないかもしれないですね。
働き始めた20代女子なんて
まさにこんな感じ
かもしれない。

しかし「ちいかわ」が現実と違うのは、
必ず「何とかなる」ところ。
ここだけはファンタジーです。

(ちいかわたちが戦うとき、
「がんばるぞ」ではなく
「何とかなれ〜」と言う)

なのでこの世界に浸るのは
ひょっとすると現実逃避かもしれないし
そこが気持ちがいいのかもとは思う。

みたいなことを考えましたが、
こんなこと考えるのも粋じゃないんだよね。

ただあるがままを楽しめばいいんだと
思ってます。

僕と同じようにまだ「ちいかわ」が
自分に届いてない人は、
ぜひ一回浸ってみてください。

テーマソングもすごくよくて、
歌詞もわかったようなわかんないような
感じなのですが、
なんか「日常」です。

タイトルは「ひとりごつ」
ひとりごとじゃないのかと思ったけど、
これ「ひとりごとを言う」という
動詞なんだね。ちゃんとある言葉。

ハチワレがずっとしゃべってるキャラで、
いちばんフラットに世界を見ている。
(ちいかわはしゃべらない。
 うさぎは奇声しか発しない)

実はこの子が作者そのもの
なんじゃないかと思ったりしています。

結論、人生はひとりごつ。






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