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【おもしろいの正体:11】人気ランキングに好きなものが入ってないのは自分がおかしいのか。

おもしろさは
何で評価されるべきか。

自分がおもしろいと思ったことが、
世間では全く評価されないってこと
よくありますよね。

たとえばM-1見ていても
審査員の評価に納得いかない経験は
みんなあると思います。

考えてみれば当然のことで
みんなが同じものをいいと思うわけがない。
だからこそ新しいものが生まれるわけで。

それでも自分の基準が正しいのか
不安になるのも当然です。
特におもしろさを作る仕事してたら、
自分だけいいと思ってもしょうがない。
評価されなければ、仕事になんないです。

じゃあ何で評価されるべきか。

ランキングは人気投票です。

ランキングってありますよね。
これは間接的に評価を知るための
いちばん一般的な方法です。
何かを購入するときなどに参考になる。

この場合「自分がまだ知らなくて、
知ってる人の意見を参考にする」

というのが前提ですよね。

つまり、正確には
それはおもしろさの指標ではありません。
おもしろいと思った人が多かったという
客観的なデータです。

もうひとつ言えるのは、
そのデータが優劣を示すものではなく
好き嫌いを示しているということ。

人気が高いことと
出来がいいことは違う。

もちろん多くの人に好まれることは
仕事的にすごく大切なことです。

怖いのは、それをゴールに置いてしまうと
たぶん行き詰まる。

正解が自分の中ではなく外にあって、
日々変わってしまうから
です

そのゴールを常に捉え続ける才能があれば
行き詰まることはないですが。

知らない人が
作ったランキングで
自分が評価されること。

またCMの話ですいません。

CMにもランキングみたいのがあって、
それが載ってる専門誌があったりします。

これ、何で評価してるかと言うと、
客観的なデータ、ということになっている。

月2回、計3000人のモニターによる調査。
内容は「純粋想起法によるアンケート」です。

つまりモニターの人に
「いま、食品のCMで
 パッと思い出すのは何ですか?」
と聞く方法ですね。

つまり「いま強く印象に残ってるもの」

なので確かに
「感度ランキング」だとは思いますが、
そこに「好」が着いてるのかは
ちょっとわかりません。

好感度と高感度は
ちょっと違うんではないかと
思うのだが…

「好きなCM」って聞いてるのかな?
あえて言うなら高い方の「高感度」ですね。

確かにこれも大きな指標です。
それを否定するものではありません。
ぜーんぜん否定してません。
記憶に残らないものは作るだけ無駄ですから。

要はこちら側(作り手)の問題です。
反応されるかどうか、は入り口なので、
ここをクリアするのは大前提でしょう。

ただ、それを達成する(反応される)要素は
表現の出来不出来だけではない。

流れる量が多ければ認知は上がるし、
有名タレントを使えば想起は当然早くなる。

いいCMと言われるための答が
「いっぱい流さないと意味ないです」
「タレント使わないと目立ちません」

になってしまう。

これは好感度ではないですね。

もちろんこの調査は、
発注するクライアントさんが
「いいCM」を判断するための指標
なので
用途として正しい。

ただそれは、
おもしろいかどうかの指標ではない。
それだけのことです。

結果、僕がいいと思うものは
なかなかランキングに入らない。

それは当たり前のことなんだと思います。
だけど何というか、
あまりに自分の評価とかけ離れてるんですよね。

CMはM-1ではないので、
審査員が評価するものではないです。

広告賞というものもありますが、
これは逆に効果とイコールではない。

そもそもCMは見てくれる一般の方々に
評価されることが目的なんだから、
同業者同士で褒め合っててもしょうがない。

そして一般の人が何をおもしろいと思うのか、
それを測るのは本当に難しい。

そもそもおもしろさって
数値で測れるものじゃないですもんね。
感性を数値化できるコンピューターはない。
(あるのかな?)

で、結局何かに置き換えて判断しようとする。
広告は特にそうですね。
判断しないとビジネスにならないので。

だからデータに頼らざるを得ない。
この悪循環です。

感性の勝負を形にする方法はある。

データ、数字にはならないですが、
見える形にすることはできます。

直感で手を挙げる。という方法です。

何のこっちゃですが、
武道の勝負の付け方がこれですね。

柔道の「一本!」というやつです。

すごく感覚的な決め方です。
オリンピックなんかの国際大会では
そうもいかないのでいろいろな要素を
根拠にしてると思いますが、結局のところ
その瞬間「決まったかどうか」ですね。

理由なんてない。いいものはいい。
個人的にはこれが全てだと思います。

おもしろさの勝負にこれを持ち込んだのが
IPPONグランプリですね。
なぜか、ではなく、いいものはいい。

松本人志はいろいろあるけど
やっぱりすごいと思います。

次回は

【おもしろいの正体:12】人がおもしろいと思うものならおもしろいという困った風潮。

気が向いたら、また遊びに来てください。

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