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新版 ハマトンの知的生活

著者:P.G.ハマトン/三笠書房

Q. 知的に生きるための生活上の知恵や思索法とは?

19世紀イギリスので生まれた哲学が、現代の私たちに通用するのだろうか?

■WHY:問題提起


・記憶にのしかかる重荷は確実に増えているのに、記憶力は良くなっていない。にもかかわらず、祖先たちがひとつ学んだところを、私たちは6つ学ぼうとしている。

・変化への対応に急き立てられる現代社会では、1日中書物と向き合い、思索を深めるような時間もない。

《知的な生活に及ぼす知識の影響》

活動的だった人が、知識が重荷になり、活動するエネルギーを減退させてしまうことがある。

何か新しいものを学べば、必ず知性全体の構造に変化が生ずるので、知識を広げることはよくもあり、悪くもある。知識があってこそできる仕事がある一方で、無知なるが故にできる仕事もある。(人を知的にするのは知識の量ではない)

■WHAT:「知的」に生きるとは?


知的に生きるということは、何かを成し遂げることであるよりは、むしろ、高邁でかつ純粋な真理を熱烈に求めること。

■HOW:ハマトンの「知的生活」から学ぶ

ー時間活用ー


《仕事の段取り》

仕事にの完成に要する時間について、人は驚くような錯覚に陥る。明確な限界を持った計画をたて、その限界内で実行できるように仕事の段取りをする。

仕事に熟練してくれば、能率が上がるけれど、時間の伸び縮みは、ゴムの伸縮性より革のようで、伸縮性はあっても、はっきりとした限界がある。

*時間見積もりの誤算

10分間、あるいは10時間でやれることに関して、正確に計算できる人が、10年間でやれることについては、全く愚かしい計算違いをしてしまう。

《毎日2時間”最良の書”を読む習慣》

規則正しく時間を合理的に使う習慣を作る。規則的に行うことが何より大切。2時間でも、きちんと実行すれば1年で700時間以上になる。

自分にとって本当に必要な研究対象や本を取捨選択し、読書に集中する。


《差はスピードではなく”選択能力”》

例)読書
自分にとって重要ではないものは全て飛ばし、本当に必要なものは絶対見落とさないこと。これが読書の技術。自分以外に、自分の知性が必要としているものはわからない。

《「量」より「質」を問う》

終日勉強していながら、それでもなお知識の足りないことを感じ、またわずかばかりのその知識を活用する術を知らない私たちは、貧しい人々も将来は教養を身につけ得るであろうとは楽観できない。

貧乏ために、不自由な思いをしている人がいるけれど、不自由さは必ずしもまずいことではない。裕福な人は、知的能力はあっても、注意を払う対象が多すぎて、せっかくの能力が役立たないことがある。

金持ちが、何かに集中するには、並外れた精神力が必要。

《限界を知る》

私たちは、悲観的になっているか楽観的になっているかで、一喜一憂しがち。一喜一憂すると、自分の力量を正確に知ろうとして、今取り組んでいることをなんとしてでも完成させようとする。

また不安を抱いて仕事すると、仕事が完成するのを一刻も早く見たいという激しい焦燥感がつきまとう。能力や教養の限界がどこにあるのかしっかり見定めることが大事。

自分の限界について知っていることで、自分の力を過大評価したり、夢のような期待に胸を膨らませることもなくなる。

限界がわかればこそ先が正確に読めてくる。

《休息をとる》

休息は知力を回復させるために欠かせない。休憩をとる時には、凪いだ海のような完全な休憩をとる。

*ドイツの哲学者・カントは健康維持の名人だった。単に身体が丈夫であっただけでなく、自分の生活習慣に極度に注意していた。
(知的生活には、順調な肉体の働きが不可欠)


《運動をする》

運動不足になると、消化が弱まり、いい血液が頭脳に巡らなくなる。過度の知的労働を続けると、ノイローゼになってしまう。それは自然からの警告で、適度の運動が治療法になる。

《知的ルールに縛られない》

”早起きは道徳的に立派なことで、朝寝は堕落である”と思っていると、人は8時過ぎに起きると必ず、なんとなく罪を犯しているような後ろめたい気持ちになってしまう。そして、自分がとんでもなく無神経な人間であるように感じてしまう。

大切なことは、その習慣が規則正しいということより、その規則正しさが結局、私たちにとって最も好ましいか否か。

《時計に合わせない》

知性は時計のような仕組みになっていないため、時計のように単純に活動できない。だから、時間に対してある程度ゆとりと自由が必要。

知的な仕事をする人は、瑣末な仕事をあらかじめ決めておいただけ必ずやり通す義務感で、自分の良心を苦しめてはいけない。

■教訓

「人を知的にするのは、身につけた学識ではなく、生き生きと、美しくものを考えることに喜びを感ずる一種の徳」


「教養とは、”実践知”」営みに価値あり!


知性は、生涯磨いていくものだから、規律、習慣が大事!

睡眠、食事、運動、休暇、娯楽。当たり前なことを当たり前に行うことがとても大事。(散歩、読書、寝る15分前は、頭を使う仕事しないなど)


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