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【今日の読書】Day170

ユーザー中心組織論

金子剛 並木光太郎 著  技術評論社  2021年


「心の動かし方」はモノづくりをする人にとっても新しい教養。
価値あるモノづくりをしたい全ての人へ


「ひとり」には限界がある。


❶[3セレクト]

①「ひとり」より「ふたり」

著者はユーザーリサーチを担当していて、ユーザーの抱える課題に気づきながら、その解決策が思い浮かばず悶々とした日々を送っていた。

ある日、別のプロダクト開発に関わる同僚と帰り道が一緒になった。

解決の案が思い浮かばす悩んでいた著者だが、友人は、他のプロダクトで似た課題を解決したケースを経験していて、著者が考えていたよりも簡単に解決策を実践できる方法を知っていた。

意外なところから解決策が見つかったのだ。翌日から、同僚と本格的に議論を始めると、別の業務がある日もかかわらず、協力してくれた。

価値を生み出そうともがいていた著者にとって、ふとした立ち話からユーザーに価値を届ける糸口が見つかったのは、考え方を変える大きなきっかけになった。

②価値ある「モノ」を生み出すには

「モノづくり」というと、「職人のて仕事で生み出される形あるモノ」といったイメージを持つ人もいるかもしれない。

「モノ」とは、物質的なモノだけでなく、多くの人の心を強く揺り動かすモノまで含まれる。

モノは、人が利用してはじめて価値が生まれる。社会現象を巻き起こし、多くの利益をもたらし、生活を一変させるようなモノは人々の心を大きく動かしている。

そのようなモノを作るためには、人の心をよく理解しながらトライアンドエラーを繰り返していかなければならない。

そのためにはまず、参画するメンバーの心を理解し、動かすことが欠かせない。社会にムーブメントを起こすため、まず組織の内部からムーブメントを起こす必要がある。

③なぜ、いまユーザー視点が重要なのか

ユーザーのニーズは、衣食住のような原始的でわかりやすい価値から、人それぞれのニーズにあった価値を選ぶように変わってきている。

モノをつくる側は、ユーザーを徹底的に理解し、常にユーザー視点に立つことが不可欠。

が多様なニーズを持つ現代において、様々は人が共通のユーザー視点を持つことで、ユーザーに新しい価値を届けることができる。

問題解決プロセス→『ユーザー思考』+『デザイン思考』

×組織のさまざまなスキルを持った人の視点をユーザー中心に揃える
○ユーザー視点を組織全体で持つことが、価値の想像につながる

組織の都合を優先し、その論理で動いてしまえば、ユーザーや消費者の心は忘れられ、自らの都合や理屈で、生産やサービス提供が進められてしまう。

共創」を生むためには、決められた業務を役割ごとに分業する「役割別チーム」ではなく、特定の目的のために様々な専門スキルを持つエキスパートを集めた「目的別チーム」が必要だ。

【価値あるモノづくりをするための5つの要素】

✔︎ビジョン:何を成し遂げたいかという目的地
✔︎ビジネス:収益を上げて成長を維持するための仕組み
✔︎チーム:目的を同じくしたチームでモノをつくること
✔︎サイクル:組織とモノづくりをサイクルで成長させること
✔︎カルチャー:組織の土台を作ること

特に、ビジョンは「なぜそれをするのかという」本格的な目的で、ビジョンを競争の起点とするには、モノづくりが「誰」にインパクトを与えるかを具体的にすべき。

❷[マイエピソード]

 「ひとりで何から何までやってしまう」という悪習慣を手放せず、いつまでたっても価値を届けられずにもがいている人は少なくないと思う。

モノづくりをする側が、ひとりで成し遂げることを美徳としていても、ユーザーにとっては、何1ついいことはなく、少しでもはやく価値を届けることに集中方法を考えたほうが、何100倍も価値があるはず。

私も起業当初は、「ひとりで何でも」と思っていました。褒められたい、認められたい、すごいと思われたいなど、つまらないことを考えていました。反省。

❸[今日からのアクション]

大切なことがわかっててもなお、もぐらのようにニョキッと顔を見せるプロダクトアウト的な考え方を、封じ込めるために、ノートに大きく「ユーザーファースト!」と書いて毎日みる!壁にはる!

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