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コミュニティが元気になる30のアイデア「地域を変えるデザイン」

【今日の本】

コミュニティが元気になる30のアイデア
「地域を変えるデザイン」
筧 祐介 著 英治出版 2011年


地域経済と支える産業は衰退し、医師不足は深刻になっている地域がたくさんある。


こうした問題に一足先に挑戦し、厳しい財政状況の中で知恵を絞り、住民の気持ちを動かし、解決策を実践している地域が多くみられる。私たちはこうした地域から学ばなければならない。

そして学んだことを即座に実践しなければならない。生活者を幸せにする美しいデザインが、日本中に次々と生まれれば、日本は、地域は変わるはず。

❶[3セレクト]


①デザインとは

・問題の本質を一挙に捉え、そこに調和と秩序をもたらす行為
・美と共感で多くの人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為

デザインとは、複雑な社会課題に直面している地域が解くべき本質的な「問題」をとらえる行為。住民の心に訴え、行動を喚起し、みんなが幸せな気持ちになれる「納得解」を創る行為である。

【地域を変えるキーイシュー】
1、気候変動
2、地震
3、エネルギー
4、食料時給
5、森林
6、ものづくり
7、人口減少
8、高齢化
9、人口密度
10、多世帯化
11、コミュニティ
12、結婚・出産
13、育児
14、子供の心と体
15、経済格差と雇用
16、外国人
17、犯罪
18、医療・介護
19、自殺
20、生活習慣病

②地域を変えるデザインー地域を変えるデザイン思考ー


”成長”から”成熟”の時代にステージが変化した日本では、過去の「正解」は幻であることが露呈した。それどころか解くべき「問題」すら見つかけられず、多くの地域が苦悩している。

デザインやデザイナーと聞くと、どうしても建築、プロダクト、ウェブなどのカタチをつくる行為、つくることができる特殊な能力の持ち主のことを想像しがちだ。しかし、決してそうではない。

自治体職員や市民から、社会課題を解決する美しいデザインが続々と生まれている。専門家だけが力を発揮する時代ではない。誰もが人の心に訴えられるアイデアを作り、社会を動かすことができるはず。ごく普通の市民が知恵を絞り、デザインの力を操る。そんな市民デザイナーが地域を変える時代がすでに始まっている。

【デザイン思考】
・直感的・身体的
・個別現場重視
・ネットワーク型組織
・バックキャスティング
・ソフト
【行政的思考】
・論理的・分析的
・一般原則重視
・ピラミッド型組織
・フォアキャスティング
・ハード

デザイン思考は、地域が抱える社会課題の本質を、心・体・頭で直感的・身体的にとらえる行為
多種多様なステイクホルダーがともに持続可能な美しい未来の姿を思い描き、地域に眠る資源を活用した新しい仕組みや経験(コト)を創出する行為

【デザイン思考のための5つの技術】
1、共感する技術(他人事を自分ごとにする)
2、発見する技術(違和感を言語化し、課題解決の糸口を集める)
3、拡散する技術(数を出して、質を高める)
4、統合する技術(混ぜて、つなげて、化学反応を起こす)
5、表現する(具体化・改良を繰り返す)


③地域を変えるデザインコミュニティ


地域を変えるためには生活者のちからが必要。国全体の問題だけでなく、地域に顕在化する問題もまた複合的に絡み合っている。だからこそ、複雑な課題を複雑なまま眺め、できることから少しずつ改善して行く人たちが求められている。それができるのは、その場所で生活している人たちだ。その場所で暮らしていくことの専門家であり、より良い暮らしを生み出すちからをもった人たちだ。

昔は、「道普請」と言って、地域の道は地域の人たちで普請する、つまりみんなで力を合わせてるくるのが当たり前だった。少しだけ誰かと協力して活動するだけで、全く新しい生活は生まれる。

【コミュニティとは】
ラテン語(コミュニース)
コム:一緒に・共同して
ミューニース:貢献・任務

コミュニティとは、「共同して何か貢献すること」「一緒に任務を遂行すること」
既存のコミュニティは、「何か困ったことがあれば行政に頼もうとする地域コミュニティ」「好きなことだけやっていればいいと考えるコミュニティ」がほとんど。

❷[エピソード] ーカエルキャラバンー


阪神・淡路大震災より10年が経過した2005年に始まった「イザ!カエルキャラバン!」
楽しみながら防災に必要な知恵や技術を学ぶことができる教育プログラム。これまで防災訓練に興味を示していなかった若いファミリー層が大勢押しかける全く新しいカタチの防災訓練。システムは、シンプル。子供たちは家にある遊ばなくなったおもちゃを持ち寄り、共通貨幣である「カエルポイント」に交換。そのポイントで他のおもちゃと「かえっこ」できる。おもちゃを持っていないこやもっとポイントが欲しい子は、楽しい防災ワークショップでポイントをもらい、おもちゃをもらうことができる。


❸[今日からのアクション]


豊かすぎて麻痺してる。わたしたちは、考えなくなった。贅沢病で溢れてる。人が何かやってくれるのを待っている。自ら動こうとせず、椅子に座って自分の権利ばかり主張する。そんな人が増えている気がする。だけど、一部地域では、本来持っていた「生きる力」を発揮して、様々は課題解決策が生み出されている。一人一人が課題に目を向け、デザイン思考を持てば、地域は、日本はもっと良くなる。

まず、自分の住んでいる地域の課題を5個リストアップしてみる。


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