見出し画像

目から鱗のハウツー営業㉙【競合他社からの切り替え[着手編]】

「このお客様を何とかして攻略したい。でもライバル会社との付き合いがあって、ウチとの取引は難しいみたいだな。」
こんなことに悩むことはありませんか?
真剣に営業という仕事に邁進すれば邁進するほど、こうしたケースは増えますよね。
 
営業活動の花形であり、代名詞のように言われている新規開拓は、
この競合他社からの切り替えか、
新たな需要の発掘・創出・提案
の2種類しかありませんので、その内の一つということになります。
 
どちらの方が簡単かと聞かれることもありますが、
こればかりは『そのお客様によります。』としか言いようがありません。
もっと言うなら、そのお客様担当者が
あなたをどの程度気に入っているか、
そして競合他社からの切り替えであれば、
お客様担当者が、あなたとその競合他社の担当営業職のどちらを
どの程度気に入っているかのバランスによって難しさがほぼ決まる、
というのが正確な答えになると思います。

大前提【競合他社からの切り替えは難しくない、その意味】


では、本題に入ります。
最初に言っておきますが、競合他社からの切り替えは皆さんが思っているほど難しくありません。
難しくないというのは、競合他社からの切り替えが簡単に出来るという意味ではありません。
 
単純なパターンを繰り返し行うだけで良いという意味です。
逆に言えば、時間をかけ精緻な戦略・戦術を練ろうが、それほど結果は変わらない
ということです。
難しく考えすぎて活動の第一歩が踏み出せない営業職が多いのですが、それこそ本末転倒だと思いますので、最初にこれだけは伝えておきたいと思います。
 
【競合他社からの切り替えは複雑でも何でもないただの作業】
と位置付けてください。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と割り切って活動する方が、結果に繋がりやすいと思ってまず間違いありません。
 
どうやったところで成約率は低い訳ですから、ゲームをやるような感覚で常に次々と淡々とアプローチを仕掛けておくスタイルを維持してください。
 
私自身、この手法に関しては、正直20代後半で身に付けたところからほとんど成長も変化も修正もしていません。
それほど単純なモデルだということです。
 
今回は基本的な考え方と第一歩の踏み出し方について解説します。
 
分かりやすく説明するために、
攻略したいお客様をA社、
A社が現在主に取引をしているあなたの競合他社をX社とします。

NG行動とその理由


まず出来れば避けた方がいいNG行動から解説します。
X社から自社に取引を切り替えて欲しいがあまり、A社担当者にX社への不満を聞き出すことから入る営業職は意外と多いです。
 
しかし、これは確率的に考えたら、あまり良策でありません。
何故なら、不満の有無とは関係なく、A社はX社を一定程度評価しているからこそ、現在取引をしている可能性が高いからです。
いくら不満があっても、A社は取引のない今のあなたとあなたの会社よりはX社を信頼しています。
 
長年付き合いもあって、その分不満もたまっているはずだと思いたいかもしれません。
しかし、基本的には付き合ってきた時間は信頼と愛着を深める方向に働くことを忘れてはいけません。
そういうお客様担当者に他社への不満の聞き取りから入るのは、あなたへの印象を悪化させる可能性があります。
多少A社の担当者に気に入られていたとしても、不用意にこうしたことを聞かない方が無難だと思います。

【代替案】


代替案を提示しておきます。

一般論として業界全体の傾向などを説明する形なら構いません。

例えば、「X社の〇〇に対して不満があるのではないか?」とある程度確信がある場合でしたら、
「業界全体の傾向として、〇〇に不備の多いライバル会社は多いようです。」
「他社の〇〇が不満で弊社に取引先を変えたお客様もいらっしゃいます」
などとA社担当者に伝えるのはX社への批判にはなりませんし、A社にもA社担当者に対しても失礼でもありません。
 
私が営業職になりたての頃は、
【お客様に他社の悪口は言うな】と先輩に教えられました。
これは取引をしている、していない、関係なくということです。
それは自分の品位を貶める結果にしかならないということです。
 
まして付き合いのある会社に対して不満がある前提で、お客様に接するのはどうなのでしょうか?
思ったよりリスクが高いと気づきませんか?


その理由とは、付き合いのあるX社の不満を聞こうとする、
X社の悪口を言う、批判をすることは
結果として、A社をも否定することに繋がるからです。
逆に言えば、その点をクリアすれば同じ内容を伝えたとしても問題ないということです。
それが代替案のような伝え方ですね。
 
 
想像してみてください。
「ウチの奥さん、すごいケチでお小遣いが少ないんだ」と言っている人に
「そんな奥さん、最低ですよね」と言うようなものだと思ってください。
ほとんどの人が直感的に「しっかりした奥さんですね」などと言うはずです。
それは本人が自分の奥さんを否定的に言ったとしても、それに便乗すれば、相手が気分を害すこと、結果的に奥さんだけではなく本人をも否定した事になってしまうことを経験から知っているからですよね。
同じことです。
 
 大前提として、多少不満はあっても、A社はX社をある程度評価しているはずだという前提をまず持ってください。

ここから先は有料記事となります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ここから先は、
【競合他社からの切り替えは具体的にどんなことを留意し、また具体的にどんな行動を取るべきか?】
を解説します。

「新規開拓に苦手意識がある」
「競合他社からの切り替えなんて上手くいったためしがない」
「営業本、ビジネス書を読んだけど、営業という仕事が分からない」
そんな方に特におススメの内容です。

是非、お読みください。
 
 

ここから先は

2,285字

¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?