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読書関係

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読んだ本の自分の感想を中心に。
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#読書感想文

『ヘルシー・エイジング』  精神の遺書を書こう 名刺替わりの12冊その2

 年を取るのっていいことだよ。  若さを失うのは怖い、という人は、ぜひ読んでみてほしい。 …

さとみん
2日前
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『総選挙ホテル』 傍観者で生きていくよりも

 自分のやりたいことをやることと、主体的に生きることは、違うらしい。 『総選挙ホテル』,…

さとみん
1か月前
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なぜヒトは学ぶのか 人間の条件と配られたカードと幸せと

「学校の勉強なんて役に立たないよ!」「じゃあどんな勉強なら役に立つと思っているの?」 『…

さとみん
2か月前
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『人間をみつめて』 存在の仕方を先行させること 名刺代わりの12冊その1

『人間をみつめて』,神谷美恵子著,河出書房新社発行,2014年初版(1974年『新版 人間をみつめ…

さとみん
2か月前
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『傲慢と善良』 ○○活と呼ぶことで迷走するもの

『傲慢と善良』,辻村深月著,朝日新聞出版発行,2019年刊行  友人内で定期的に行っている読書…

さとみん
4か月前
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『マーケットデザイン』 方法は、ある。使う決断はできるか?

 道徳を用いずに、倫理的な結果を導くにはどうすればいいのか。 『マーケットデザイン 最先…

さとみん
5か月前
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『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』 君はひとりしかいないのと同じように

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』,スティーヴン・ウェッブ著,青土社発行,2018年刊行 " Where is everybody ?" … 「みんなどこにいるんだろうね?」  このフレーズがたまらなく魅力的で、声に出したくなる。  デキるビジネスパーソンの思考法、みたいな文脈でもよく引用される「フェルミ推定」を考え出した物理学者エンリコ・フェルミの名を冠したパラドックス、 「宇宙の膨大さを考えれば宇宙人は広く存在してしかるべきなのに、地球人が未だに彼らに出会

『帳簿の世界史』 世界で一番美しいのは……という答えに堪えること

 白雪姫のお妃は、鏡を壊さなかっただけ良心的だった。 『帳簿の世界史』,ジェイコブ・ソー…

さとみん
6か月前
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『ずっとお城で暮らしてる』 

『ずっとお城で暮らしてる』,シャーリイ・ジャクスン著,市田泉訳,東京創元社発行,2007年刊行 …

さとみん
8か月前
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『レジリエンス こころの回復とは何か』 願いが叶うことか、光が見えることか

『レジリエンス こころの回復とはなにか』,セルジュ・ティスロン著,白水社発行,2016年刊行 「…

さとみん
9か月前
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『悪魔が来りて笛を吹く』 本当の悪魔は笛を吹かない

『横溝正史自選集 5 悪魔が来りて笛を吹く,横溝正史著,出版芸術社発行,2007年刊行』  NHK BS…

さとみん
9か月前
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ブルシット・ジョブ関連三冊 自分が仕事の意味がわかるって、ほんとかな

『ブルシット・ジョブ,デイヴィット・グレーバー著,岩波書店発行,2020年刊行』 『ブルシット・…

さとみん
10か月前
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『吉野朔実は本が大好き』 今はもうない、「オタク」の姿。

『吉野朔実は本が大好き』,吉野朔実著,本の雑誌社刊行,2016年発行  共感を持って読める人と、…

さとみん
10か月前
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『超没入』 本当に効率を上げたいと思ってる?

『超没入 メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解』,カル・ニューポート著,早川書房刊,2022年  より効率を上げてくれるツールとみなされている、電子メールやチャットシステムが、漫然と取り入れると実は作業効率と人間の能力を著しく下げてしまう……というパラドックスを、様々な視点から説明し、それに代わるアイデアを紹介した本である。  すごく面白かった。面白いと同時に、どこか薄ら寒い、「まだこれで終わりではない」感覚が残る。  アテンションエコノミーやSNSの承認欲求がも