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読書関係

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読んだ本の自分の感想を中心に。
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#読書感想文

ピック・スリーと東京物語

 ただ自分の素直な思いを書くだけで、暴露話と受け取られてしまう境遇の人がいる。 ★★★ …

さとみん
3日前
7

『春にして君を離れ』(その2) 悪者を作って結託してしまう姿

 我ながら、悪意の塊みたいな読み方をしてしまったなと思う。 『春にして君を離れ』,アガサ…

さとみん
2週間前
9

『春にして君を離れ』(その1) なんぢらの中、罪なき者まづ石を擲て

 みんな、自分は聖人になれないのを知っているけれど、他人には聖人のようなふるまいを求めて…

さとみん
3週間前
8

『ヘルシー・エイジング』  精神の遺書を書こう 名刺替わりの12冊その2

 年を取るのっていいことだよ。  若さを失うのは怖い、という人は、ぜひ読んでみてほしい。 …

さとみん
1か月前
4

『総選挙ホテル』 傍観者で生きていくよりも

 自分のやりたいことをやることと、主体的に生きることは、違うらしい。 『総選挙ホテル』,…

さとみん
2か月前
7

なぜヒトは学ぶのか 人間の条件と配られたカードと幸せと

「学校の勉強なんて役に立たないよ!」「じゃあどんな勉強なら役に立つと思っているの?」 『…

さとみん
3か月前
9

『人間をみつめて』 存在の仕方を先行させること 名刺代わりの12冊その1

『人間をみつめて』,神谷美恵子著,河出書房新社発行,2014年初版(1974年『新版 人間をみつめて』朝日選書を底本) 『人間を見つめて』は、大きなくくりで言えば、いわゆる「生きがい論」に入る著作だと思う。  著者の神谷美恵子さんがこの本の前に書いた『生きがいについて』は、日本における生きがい論の先駆け中の先駆けであり、「生きがい」という言葉そのものを人口に膾炙させたとまで言われる。ストレートで人目を惹きつける扇情さがかけらもないタイトルからうかがえる通り、どこまでも誠実

『傲慢と善良』 ○○活と呼ぶことで迷走するもの

『傲慢と善良』,辻村深月著,朝日新聞出版発行,2019年刊行  友人内で定期的に行っている読書…

さとみん
5か月前
7

『マーケットデザイン』 方法は、ある。使う決断はできるか?

 道徳を用いずに、倫理的な結果を導くにはどうすればいいのか。 『マーケットデザイン 最先…

さとみん
6か月前
4

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』 君はひとりしかいないのと同じように

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』,スティーヴン・ウェッブ著,青土社発行,2018年…

さとみん
7か月前
9

『帳簿の世界史』 世界で一番美しいのは……という答えに堪えること

 白雪姫のお妃は、鏡を壊さなかっただけ良心的だった。 『帳簿の世界史』,ジェイコブ・ソー…

さとみん
7か月前
10

『ずっとお城で暮らしてる』 

『ずっとお城で暮らしてる』,シャーリイ・ジャクスン著,市田泉訳,東京創元社発行,2007年刊行 …

さとみん
9か月前
3

『レジリエンス こころの回復とは何か』 願いが叶うことか、光が見えることか

『レジリエンス こころの回復とはなにか』,セルジュ・ティスロン著,白水社発行,2016年刊行 「…

さとみん
10か月前
4

『悪魔が来りて笛を吹く』 本当の悪魔は笛を吹かない

『横溝正史自選集 5 悪魔が来りて笛を吹く,横溝正史著,出版芸術社発行,2007年刊行』  NHK BSプレミアムで、「深読み読書会 『悪魔が来りて笛を吹く』」が再放送(元は2019年に本放送だったらしい)されていて、ちょっと気になって録画したところで、「そういや原作読んでなかったな……」と今更気付き、原作を慌てて読んだ、というのが事の次第である。  実は金田一耕助シリーズは、遠い昔に『本陣殺人事件』を読んだきりで、しかも遠い昔すぎて内容を大半覚えてない。『金田一少年の事件