『人間をみつめて』 存在の仕方を先行させること 名刺代わりの12冊その1
『人間をみつめて』,神谷美恵子著,河出書房新社発行,2014年初版(1974年『新版 人間をみつめて』朝日選書を底本)
『人間を見つめて』は、大きなくくりで言えば、いわゆる「生きがい論」に入る著作だと思う。
著者の神谷美恵子さんがこの本の前に書いた『生きがいについて』は、日本における生きがい論の先駆け中の先駆けであり、「生きがい」という言葉そのものを人口に膾炙させたとまで言われる。ストレートで人目を惹きつける扇情さがかけらもないタイトルからうかがえる通り、どこまでも誠実