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読書関係

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読んだ本の自分の感想を中心に。
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#読書

『総選挙ホテル』 傍観者で生きていくよりも

 自分のやりたいことをやることと、主体的に生きることは、違うらしい。 『総選挙ホテル』,…

さとみん
3週間前
7

なぜヒトは学ぶのか 人間の条件と配られたカードと幸せと

「学校の勉強なんて役に立たないよ!」「じゃあどんな勉強なら役に立つと思っているの?」 『…

さとみん
1か月前
9

『傲慢と善良』 ○○活と呼ぶことで迷走するもの

『傲慢と善良』,辻村深月著,朝日新聞出版発行,2019年刊行  友人内で定期的に行っている読書…

さとみん
4か月前
7

『マーケットデザイン』 方法は、ある。使う決断はできるか?

 道徳を用いずに、倫理的な結果を導くにはどうすればいいのか。 『マーケットデザイン 最先…

さとみん
4か月前
4

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』 君はひとりしかいないのと同じように

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』,スティーヴン・ウェッブ著,青土社発行,2018年…

さとみん
5か月前
9

『帳簿の世界史』 世界で一番美しいのは……という答えに堪えること

 白雪姫のお妃は、鏡を壊さなかっただけ良心的だった。 『帳簿の世界史』,ジェイコブ・ソー…

さとみん
6か月前
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『人はなぜ物を欲しがるのか』 成熟からの逃走

 『人はなぜ物を欲しがるのか』,ブルース・フッド著,白揚社発行,2023年刊行  何かを所有したいという欲望を、著者は「悪魔」と呼ぶ。だが同時に、それが「あらゆる動物の中で人間だけが持つ、人間を人間たらしめる要素」でもあるとも述べている。  所有、そして所有欲というものを、心理学や動物比較学や歴史など様々な観点から解きほぐす本である。例示される様々なエピソードが面白過ぎて、それをひたすら追いかけていく雑学本のように読むだけでも純粋に楽しい。  何しろ冒頭のエピソードが、借金

『客観性の落とし穴』 インタビューから疎外されたひと

『客観性の落とし穴』,村上靖彦著,筑摩書房発行,2023年刊行  読み終わって、久々に滅入った…

さとみん
7か月前
5

『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと』 医療の本ではなくエッセイとして

『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと~常識をくつがえす“病院・医者・医療”のリアルな…

さとみん
7か月前
4

『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』 ちぐはぐなのは私か他者か

 奇妙なちぐはぐさというか、違和感がずっと追いかけてくる本だった。  書いてあること全て…

さとみん
1年前
2

『ずっとお城で暮らしてる』 

『ずっとお城で暮らしてる』,シャーリイ・ジャクスン著,市田泉訳,東京創元社発行,2007年刊行 …

さとみん
8か月前
3

『レジリエンス こころの回復とは何か』 願いが叶うことか、光が見えることか

『レジリエンス こころの回復とはなにか』,セルジュ・ティスロン著,白水社発行,2016年刊行 「…

さとみん
9か月前
4

『悪魔が来りて笛を吹く』 本当の悪魔は笛を吹かない

『横溝正史自選集 5 悪魔が来りて笛を吹く,横溝正史著,出版芸術社発行,2007年刊行』  NHK BS…

さとみん
9か月前
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ブルシット・ジョブ関連三冊 自分が仕事の意味がわかるって、ほんとかな

『ブルシット・ジョブ,デイヴィット・グレーバー著,岩波書店発行,2020年刊行』 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか,酒井隆史著,講談社発行,2021年刊行』 『ブルシット・ジョブと現代思想, 大澤真幸/千葉雅也著,左右社発行,2022年刊行』 「ブルシット・ジョブ理論(通称BSJ理論)」は、ある種の人にとって、天啓のような光を放つ真理、もしくは心を捉えて離さない魔性を帯びた視点である。  今従事している仕事もブルシット・ジョブだという共感や訴え、