『帳簿の世界史』 世界で一番美しいのは……という答えに堪えること
白雪姫のお妃は、鏡を壊さなかっただけ良心的だった。
『帳簿の世界史』,ジェイコブ・ソール著,文藝春秋発行,2018年刊行
「帳簿」、つまり会計という概念を中心に、古代ローマ時代からリーマン・ショックまでの世界史を俯瞰した本……なのだが、田中靖浩さんが執筆した似たような切り口の『会計の世界史』があくまでわかりやすいエンタメに徹して楽しい読み物を展開してくれたのに対して、こちらは割とシビアで人間の業を突きつけてくる、重々しい本になっている。
この本が繰り返し繰り返し提示