イラスト「読む」力って、与えられたものだったんだ
耳の長い動物はウサギ。首が長ければキリン。たてがみがあればウマ。でも、なぜかそれがわからない夫・・。
動物を知らないだけ、だと思っていた
インドネシア人の夫は、おそらく、多くの日本人が大人になる過程で、ごく自然に知ることになるであろう動物の名前や、動物に関する知識がちょっと欠けています。
先日も、テレビでシマウマを見て「カバだ」と言っていました・・。
ペンギンが大好きだけど、「ペンギンは鳥類であり、子どもは卵から生まれるのだ」という事実は、何度説明しても飲み込んでくれず、テレビで見るたびに聞かれます。これは記憶力の問題かもしれないけど。
私は、そんな彼について、「育ってきた環境が違うからね」「知ってることと、知らないことは人それぞれだよね」・・くらいに思っていました。インドネシアの野生動物については、当然、私よりも彼の方が詳しいわけですしね。
でも、実は、彼が知らないのは、実物(映像や写真を含む)の動物だけではなかったんです。
実はイラストを「読めない」
トップの画像をご覧ください。
おそらく多くの人が、「ああ、ナマケモノね」とわかるのではないでしょうか?英語が読めなくても。
夫はナマケモノを知っています。テレビで何度も見ていて、その度に、「これ気持ち悪ーい」と嫌がっていましたから、印象には残っているはずです。
でも、この写真のメモ帳を選んびました。嫌いな動物だと気づかずに。
彼は、動物のイラストを見て、何の動物なのかを判断すること、つまり、イラストを「読む」ことが、非常に苦手なんです。
ナマケモノだけではありません。ウサギとか、ウマとか、イヌとか、テレビでも良く見るし、実物も見たことがあるし、イラストだってよくある動物すらわからないことが、多々あります。
イラストを「読む」力は、与えられたものだった
それで、私は初めて気づきました。
イラストを「読む」というのは、成長してきた環境に与えられた、能力(センス)のひとつなんだ、と。
私は、小さいころから、ネコやイヌやウサギの絵を描いてきました。写生もしたかもしれないけど、ほとんどはとてもとても単純化した、イラストとして。
イラストにする時は、何の絵かわかるように、動物の特長を誇張して描きます。そのための観察も必要ですよね。きっと、多くの園児や児童が同じことをしているはずです。
動物が描かれた、あるいは、動物がモチーフの教材や、文房具や、服やおもちゃを持っていました。絵本も読んだし、アニメも見ました。
だから、動物が単純化されて描かれると、大体こんな感じ!というのが、考えなくてもわかるんです。
でも、実物以外の動物にあまり触れてこなかった夫には、わからない。全然わからないわけではなくて、「勘が鈍い」という感じでしょうか。
ああ、イラストを「読む」力って、誰にでも備わっているわけではないんだ。
イラストが何の動物かわかったから、どうってことはありません。でも、わかった方が楽しいことだって、きっとあるはず。
私、恵まれた環境で育ってきたんだな。
そんな、新鮮な発見でした。
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