私は娘の唯一の理解者。自戒を込めて。
荒れ狂う娘。
次第に口調が強くなる母。
その時、娘がギャンギャン泣きながら言ったのです。
「ママ、いいお顔で言ってよ!」
「ママ、パパとお話する時はいいお顔なのに!なんでむすめちゃんとだけいいお顔じゃないの!!」
3、2、1、ハイッ!いいお顔!
「いいお顔」というのは、これですが…
娘が何でもないことでもすぐにギャーギャー泣きわめくので、私がよく言うのです。
「いいお顔で優しくお話して」
「いいお顔になったらお返事するね」
「むすめちゃんは今からいいお顔になりまーす!3、2、1、ハイッ!」
いつも成功するとは限りません。いや、むしろ7割失敗です。でも、時には、これが効くこともあるんですよ。
ママママママ!な一日
12月某日。娘が朝から大荒れでした。
いつもより少し早く起きたせいで、眠いのかもしれない。便秘がちで、調子が悪いのかもしれない。そう予想して、ある程度は気遣いもします。
でも、朝から断続的に声を荒げ、泣きわめき、こうじゃないああじゃない、ママこっち来て、ママ今すぐ・・!ママ!ママママママママ!・・これですもの。
もうお手上げ。何をしてもダメです。かまってもだめ。かといって放っておいたらもっとだめ。コンディションが悪い時の娘は父親を寄せ付けないため、そもそも夫は戦力外です。むしろ、そこにいるだけで火に油を注ぎます。
こんな状況が、夜、寝る直前まで続きました。
私は大人であり彼女の親です。彼女は若干4歳の子どもです。
いかなる言い訳も通用しません。声を荒げたら、娘を責め立ててしまったら、ぜんぶ私が悪い。
でも、丸一日娘に気を遣うのは疲れるもので、自分が怒鳴り散らされ続けているような感覚になる時もあるんです。まるで職場でハラスメントを受けているような感じ。本当に気分が落ち込むこともあるほど。
この日だって、午前中は頑張ったのですが・・。
もう無理だ・・と思いながら、気付いたこと
それで、(もう理由は覚えていませんが)寝る前にもギャンギャン泣かれて、私も怖い顔で応戦してしまい、極めつけはこれです。
「ママ、いいお顔で言ってよ!」
はああああ?まず鏡で自分の顔見てから言ってみろ!
(と、言ったとか、言っていないとか・・)
いいか娘よ、母は人間であって神でも仏でもない・・。
そう思いながら、「ああ、これは本心だな」と感じました。
考えていることがそのまま言葉や態度に出てこないことも、多々あります。
実はもっと甘えたくて、「もっと一緒に遊ぼう」とか「お仕事なんかしないで」とか「弟はその辺に置いておいて」とか言いたいし、スキンシップもしたいのでしょう。でもそれがうまくいかなくて、「パンツ履かせて」「あーんして」「歯ブラシ用意して」「マママママママ」になってしまうんですよね。
いつも、そうなんだろうなとは思っていました。
だから、泣いている弟を横目で見ながら、「どっちが赤ちゃんだよ」と頭の中でぼやきつつも、着替えも食事もトイレも歯磨きも、言われるまま、できるだけ手助けしてきました。
そんな赤ちゃん返りも、弟が生まれてから数か月すれば自然と消えるはず・・と思っていたら、もう7か月。多分、私のケア不足で、こじらせてしまったんです。できるだけ希望に応えようとはするものの、時々は「頼むから自分でやって」と言ってしまうし、「4歳にもなって・・」という気持ちが疲れた顔に表れてしまうことだってあります。
私は娘の唯一の理解者
私は、少なくとも、彼女が言っていることの意味はわかります。
「どうしてこんな些細なことでギャンギャン言うのか」と思いますが、どうして騒いでいるのか、原因くらいはわかって対応できます。
でも、夫にはそれができません。1つは、そうしようと思ってもいないからなのですが、決定的なのは言葉の壁です。落ち着いてゆっくり話す日本語は多少理解できても、娘が泣きわめきながら発する支離滅裂な言葉は、たとえ聞いてやろうと努力しても聞き取れません。
原因がわかっていないから、下手に慰めてみたりおどけてみたり、あるいは怒ってみたりして、ことごとく失敗し、娘を「泣きっ面に蜂」状態にしてしまうのです。
ということは、私は、彼女の、唯一の理解者。
完璧に理解し、完璧に対応することはできなくても、言葉の意味、行動の理由を理解できる、唯一の人間です。それは同じ日本語話者だからでもあるし、毎日行動を共にし、何にこだわるのか、どんなことで機嫌を損ねるのかを注意してチェックしているからでもあります。
唯一の理解者に、優しくしてほしい。
当然のことではありませんか。
私だって、夫や娘に対して、そう思っています。
ごめんね。できた母親じゃなくて。
思ったことが顔に出てしまい、自分を演じられない性格が、子ども相手に修正できずにいます。
大人として落ち着いて、愛情をもって対応できるように精進していかなきゃいけません。一方で、たまに、ほんとうに、たまに、爆発してしまっても、他のところでカバーできるように、日々コツコツと信頼関係を築いていくことも大事かもしれないと思っているところです。
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