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不機嫌は虐待〜子供が自分を大切にできなくなる育て方

・自己評価が低く、自分に自信が持てない
・人を信じられない
・本音を言えない
・見捨てられる不安が強い
・孤独でさみしい
・自分を大切にできない
 
 
これは一体なんだと思うだろうか?

わたしの知り合いやクライアントでも、「全部当てはまる」という人がいるが、

実は、これ、「依存症患者」に共通する特徴。

依存症というのは、
薬物、アルコール、ギャンブル、買い物など様々。

NHKの番組で内科医のおおたわ史絵さんが、
お母さんの薬物依存症と向き合った経験を話していて、その中で出てきた。(薬物といっても鎮痛剤だったそう。)


幼稚園の頃から、帰宅すると、
 
「お母さん、今日は怒ってないかな?」
 
と、顔色を伺っていたのだとか。

子どもは、おかあさんに笑っていて欲しいから、だそうだ。

おおたわ史絵さんは、お父さんとともに、そういうお母さんに対してどう接するか?

ということ以前のところ、

「自分たちがどういう心持ちで過ごすか」

ということに焦点を当て、なんとかその家族の危機と向き合うことで、自分を保っていたようだけれど、

お母さんもお父さんも亡くなった今も「依存症との戦いは、まだ、終わっていない」と話されていたのが印象的。

私自身、依存症の恐ろしさは、
就労支援していた頃に、
ずいぶん目の当たりにした。

「もう大丈夫かな」と思った方でも、
あっという間に、元に戻る。

それどころか、人格そのもの変わってしまって、
「会話にならない」ということに驚きましたが、これが自分の身近な人だったら・・・と思うと、そのショックは計り知れない。
 
依存症は、主に幼少期に、親との関係において、
安心感・安全感を持てなかった場合に起こりやすい。
 
カウンセリングしてても、
99%根本は親との関係性。

そこをクリアしないと、次に進めない。
でも、クリアしないとどうなるか?

そう、子供に引き継がれる。

・自己評価が低く、自分に自信が持てない
・人を信じられない
・本音を言えない
・見捨てられる不安が強い
・孤独でさみしい
・自分を大切にできない

という親が子供に何をするかと言えば、

「こんな自分でも、この子はわたしを見放さないのか?」

を試すのだ。

親は、子供に対して辛く厳しく当たることで、それでも自分を嫌いにならないのか?を試す。

感情を制御できないのではなく、子供に対して、
感情をぶつけることで、子供を試す・・・

子供で試すことをしないと、自分の価値が感じられないから。

虐待には、いろいろなパターンがあるものの、
「子供を試す」ことから始まる虐待は、
結構多いのではないだろうか・・・

「どんなに厳しく叱っても、お母さん・お父さんのことを嫌いにならない子供」が必要だから、叱っている。
いや、怒っている。

恋愛がうまくいかない、
仕事がうまくいかない、
というのも、同じパターン。

お母さんが不機嫌、
いつも怒っている、
そして自分を試す・・・

そんな家庭で育った子供は、
「依存症患者」に共通する特徴をそのまま受け継いで育つ。

依存症のリスクが上がるのも、
想像は容易ではないだろうか。

もし・・・

あなたが幼い頃、お母さんやお父さんに叱られて、

「怖かった」

という記憶がある、もしくは、

「捨てられるのではないか?」

という恐怖の記憶があるのであれば、
それをそのまま、子供に植え付けることをここで断たなければいけない。

想像してみて欲しい。

今、あなたが自分より身長が2倍ある大男に、大きな声で怒鳴られたら、どのような気分だろうか?
子供は、それを体験し続けている。

でも、それを断つといっても、
「どうやって?」と思うかもしれないが、

まずは、自分で何かを選択し、
それに自信を持つことが第一歩。

どういうことかというと、
おおたわさんのお話にあったように、
幼い頃から、お母さんやお父さんの顔色を伺って育つと、
何かを決める時、自分の心ではなく、
常に「お母さんやお父さんの顔色を伺う」ことが、
染み付いているから。

いつまでも、自分で自分が良いと思う選択ができない。

だからこそ、自分に自信が持てないし、

自分に自信が持てないと、
相手を信頼するということにも自信が持てず、

そんな自分を好きになることもできないから、
本音を言ったら嫌われると思っている。

本音を言わないからこそ、
誰かと一緒にいても孤独になるし、自分のことが嫌いだから、大切にもできない。

だからまず、
「顔色を伺う」のをやめよう。

自分で決めよう。

その選択の結果がどうなってもいいのだ。

うまくいこうが、失敗しようが、
自分でした選択は、すべて「正解」なのだから。

自分で選択をせず、行動せず、
不機嫌でいることは虐待。

そう、「自分」への虐待なのだから。

虐待は続いていく。
自分でやめない限りは。

自分を虐待するのをやめたら、
子供を虐待することもなくなる。


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