恋人でも、夫婦でも、友人でも、家族でもなく「同志」としてのパートナーについて。
私のパートナーは、ふしぎな人だ。
6年近く一緒にいて、ここ5年ほどは寝食を共にしているけれど、時間を積み重ねるほど謎が深まるばかり。
まずはパートナの属性を整理してみよう。
*この記事は「2022年10月26日」に書いた「恋人でも、夫婦でも、友人でも、家族でもなく、同志としてのパートナーについて」を再編集したものです。
*「クラウドファウンディング型 株主募集」は、既に終了しています
いちばん近くて、いちばん謎が深い存在
彼は、7歳年下の男性だ
戸籍システムに照らすと、彼は7歳年下の男性だ。
だけど、その時々で10歳以上年上のようにも、小学2年生のようにも感じることがある。
そして、たまに「私より女性らしいのではないか」と感じることもある。
なんといっても、羽黒山伏 星野文紘先達お墨付きの”おばさん系”だ。
もはや私たち二人の会話がガールズトークのようで、全く結論がない。
だけど、なんとなく生活が成り立ってきたし、今では一緒に仕事をしているけれど、そちらも何だかんだとうまく進んでいる。
これは、彼の”おばさん力”のおかげなのだろうか。
彼は、領収書からストーリーが読める会計士/税理士だ
だけど、彼の公式のプロフィールを見ると、”おばさん系”とは程遠い、硬い人に見える。
彼の職業は、会計士/税理士。一体どんな魔法を使っているのか、あっという間に事業計画書を生み出し、数字の羅列から(私の体感的には)一瞬で、問題点を見つけ出す。
いわば数字のスペシャリストの彼からは、世界はこうやって見えるらしい。
私は編集者として文章表現を生業にしているので、文章表現からいろんな情報を読み解くことはできる。
文字として書かれているストーリーはもちろんのこと、「書かれていないこと」もある程度はわかる。(たとえば「こういうことを表現したい!」と内心は思っていること、その時の感情や精神状態、その方の性格傾向などは、文章を読むとある程度は読み取れる)
彼は、それに似たことを「領収書」を通してできるらしい。
「領収書には、その人らしさ、その会社らしさがある」らしいです。
そして、世のビジネスパーソンが苦手とする会計。
彼にとって「会計は、うん○💩とほとんど同義」らしい。
私は彼の「会計=うん○説」がとても好きなので、いつか本になるといいなぁ。世の中の編集者さん、筆力があるので、書き手としてお勧めですよ!
(会計=うん○説について、詳しくはこちら)
彼は、沖縄出身だ
彼は沖縄で生まれ、大学卒業まで沖縄で育った。
沖縄弁で育った彼が標準語を覚えたのは、社会人になった時。社会人になるとみんな敬語で話すから、彼は最初、標準語は敬語しか話せなかったという。
かたや、私は茨城出身で、18歳からは首都圏で暮らししている。多少の訛りはあっても、ほぼずっと「標準語」の文化圏で暮らしてきた。
でも、果たして何が「標準」なのか、、、彼との暮らしは、自分にとっての「常識」が偏見のコレクションだったことを思い知らされる日々だ。
たとえば、彼にとっての「そば」は「沖縄そば」(蕎麦粉でつくるのは「日本蕎麦」らしい)、お正月といえば旧正月だし、スパムを味噌汁に入れるのは当たり前。
味噌汁にスパムは、正直驚いた。「だってスパムって炒めるもので、味噌汁に入れちゃいけないでしょ」と思いませんか?
でも、ある時、賞味期限ギリギリのスパムの扱いに困って、おそるおそるお味噌汁に入れてみたら……美味しい! 豚汁に似た旨味があるし、独特の出汁のおかげで味噌汁を主役級の料理にしてくれる。
「スパムを味噌汁に入れると美味しい」
ふつうに生きて死ぬ分には全く不要な知識かもしれないけれど、この気づきは、私の世界をほんのちょっと(ナノレベル)で広げてくれる出来事だった。
私にとっての身近なエイリアン(宇宙人)。
パートナーは、そんな存在だ。
Everyone Is An Alien Somewhere とColdplayは歌っている。私も、彼にとっては宇宙人なのだろうか。
少し普通ではない、彼とのパートナーシップ
出会いはマッチングアプリ、はじまりの言葉は「傷つけると思うから」
そんな身近な宇宙人、彼とのパートナーシップは、少し「ふつう」と異なることが多い。
まず、パートナーシップの話をすると、大体「出会いのきっかけは?」となるけれど、私たちの出会いはマッチングアプリです。
有名マッチングアプリで何度かメッセージのやり取りをした後、すぐに会うことになった。そして、会って5〜10分で気が合うことがわかり、二度目に会った時「じゃあ付き合いましょうか」となった……といのが事の発端。
とても印象に残っているのが「じゃあ付き合いましょうか」となった時に、彼が言った次のひと言。
普通、逆じゃない? と思った。
「幸せにする」とか「大切にする」とか言うのでは?
でも、彼は違っていた。
彼は、まじめなのだ。まじめに、真正面から人生に向かいあうと、守れない約束はできなくなる。そしてそれは、私もそうだった。
実際のところ「パートナーシップを築くって、そう甘いものじゃない」と感じているのは、たぶん私だけではないはず。スウィートな時間は、あっという間に通り過ぎていき、そこにはいつも日常が、お互いの人生がある。
そして、偏見のコレクションを「常識」「当たり前」だと思い込んだ未完成な人間同士が一緒に時間を過ごすとなると、どうしたって摩擦は避けられない。
大好きな人でも、わかり合えないことはある。分かち合えないものもある。「ちがい」が、どうしようもなく孤独であることを思い出させることもある。
そんななかで「傷つかない関係性」なんて、無理な話なのだと思う。
生きてるだけで傷だらけですよ、本当に。
ぶつかり稽古のような日々
だけど、そもそも傷つかない関係性が良いことなのか。
もちろん、悪意をもって誰彼構わず傷つけるという暴力的な、シャドーの暴走は避けたほうがいいと思う。
……でも、摩擦があるからこそ磨かれるものがあるのでは?
宝石だって、原石を摩擦によって削って出来上がるのだもの。傷つくたびに、自分の本質が表にあらわれ、もっと本来の「自分」になっていくような気がしなくもないのです。
彼には彼なりの想いがあると思うけれど、私は、二人の関係性は「ぶつかり稽古」のようなものだと思っている。
稽古だけど、手は抜かない。本気でぶつかる。
傷つけることもあるかもしれないけれど、私は彼がもつ強さを信頼している。傷を傷のままで終わられせないレジリエンスの力をもっている、はず。
彼も、同じように思っているのかはわからないけれど、最初の彼の宣言通り、私は彼に傷つけられ、おそらく彼も私に傷つけられながら時間を共有するようになって4年超。お互い、出会った当初に比べて、ずいぶん逞しくなったような気がする。
とはいえ「相性がいい」とは思えない
……なんてことを書くと、すごくいい関係性を築いているように思われるかもしれない。でも、私たちは決して相性がいいわけではないと思う。
何よりも、彼とはとことん好きなものが違う。
彼はインドア派で、私はアウトドア派。
彼は犬派で、私は猫派。
彼は、仕事の都合にあわせて寝るけれど、私は自然のリズムにあわせて寝たい(だから、生活時間帯がずれることが多い)。
彼はコーヒー派で、私は紅茶派。
彼は説明を好まないけれど、私はとにかく説明が好きだ。
だけど、彼は説明書を読むタイプで、私は説明書には目もくれないタイプ。
彼はアニメ派で、私はマンガ派。
彼は、一つの話をじっくり読むけれど、私は同じ話を何度も読む(その分一回あたりの読むスピードが速い)。
彼は白黒はっきりつけるのが好きで、私はグレーを行ったり来たりするのが好き。
彼はシングルタスク派で、私はマルチタスク派。
彼はコシの強いうどんが好きで、私は柔らかめのうどんが好き。
彼はコシのある田舎蕎麦が好きで、私は繊細な更科蕎麦が好き。
彼は一人で内側に閉じこもって考えるのが好きだけど、私はおしゃべりをしたり、身体を動かしたりしながら考えるのが好きだ。
彼は旅をするならばどこでもドアで行きたいらしい(移動が好きじゃない)けれど、私は目的地に向かうまでの道のりが好きだ。
だけど「嫌いなもの」は似ている
ここまでちがうと、なかなか一緒に行動できない。
だって「山に行こう」と言っても「家にいたい」となるし、そもそも生活時間が合わないことが多いのだから。
すれ違い……どころか、擦れる(=ふれあう)機会さえなかった可能性が高いから、これだけ相性の良くない相手を出会わせたマッチングアプリのアルゴリズムはすごいと思う。
だけど、そんな私たちだけど、なぜだか「嫌いなもの」がよく似ている。
特に嫌なのは「本気で生きていない」状況なのだ。
「次の瞬間、人生が終わりを迎えるかもしれない」
お互いそれぞれこの手の切迫感のようなものと共に生きていることが、出会ってすぐにわかった。
「今、目の前にいる人と明日は会えないかもしれない」
そうやって人と関わると、どうしたって本気で向き合わざるを得なくなる。
今、目の前のことに全力を尽くす。
そうやって本気で自分の人生に向きあうと、おのずと「本質」から外れたこと、「自然の理」にそぐわないことは、できなくなる。
そして自然と、世のなかにある「あきらめ」、不平不満を言いながらもしたがっている「当たり前」に向き合わざるを得なくなり、どういうわけだか、リスクを負ってもチャレンジしていく場面に遭遇する確率が高くなる。
今年の5月、オーガニックヘナ、ハーブを紹介&提案する事業をはじめたのだけど、この事業の共同創業者の一人は、パートナーの彼だ。
二人とも、元々、美容とは縁遠い仕事をしていたのだけど、ふとしたきっかけで美容業界のアレコレを知ることになり「見て見ぬふり」ができなくなったというのが、創業の一つのきっかけでもある。
(詳しくは、こちらの記事でまとめています)
時には、システムに噛みついていく
「見て見ぬふりはできない」彼の、人生前半戦最大の(?)プロジェクト
たぶん、彼も私も、あまり大きな野望を掲げるタイプではない。ヴィジョンを掲げて真っ直ぐに突き進む……というよりも、体感・肌感覚にしたがいながら、流れにしたがって、
「見て見ぬふりはできない」
と、どうしようもなく感じた時に一手を打つ。そういう生き方を好んでいる気がする。
そして、今、彼は「見て見ぬふりはできない」と、かつてないほどに強く感じている事業に携わっている。
それが、沖縄での再生医療事業だ。
「沖縄で再生医療事業を推進したい」
↑は、彼が役員として関わる会社のHP。
難しい話はよくわからないのだけど、
・沖縄の経済活性化につながる
(沖縄の経済活性化は沖縄の経済的自立に不可欠で、沖縄の経済的自立は沖縄の各種問題のキーファクターになると思う)
・再生医療技術を社会実装させることで、本来は治るはずの病気で苦しむ方が少なくなる可能性が高まる
(身体に負担の大きい対処療法になる前に未然に病を防ぐ、「予防医療」に力を入れていくらしい。予防医療が普及することで、病気になってから少ない手立てを選択するのではなく、そもそも悩まずに済む状況をつくり出せるかもしれない)
というのが、私が魅力を感じるポイントだ。
そして、とても彼らしいチャレンジだとも思う。
沖縄出身で「沖縄の経済的自立」に問題意識をもちつづけきた彼の出生歴としても、「問題の根本に向きあえる人、自分の人生と真摯に向きあう人を増やしたい」と願う今の彼の願いとしても。
クラウドファウンディング型 株主募集
そんな彼らの事業は、今、クラウドファウンディング型の株主募集を行っている(10月26日19:30スタート)。
「見て見ぬふりはできない」から始まった彼のチャレンジが、今、また次なるステージへと羽ばたこうとしている。
本気で生きていると、時にはシステムに噛みつくことだってある(というか、気づけば、ほぼそればかりしている気もする)。
本気で生きる仲間として、システムに噛みつく仲間として、そしていちばん近くにいるであろうパートナーとして、心から応援しています。
投資に関心のある方(エンジェル税制の対象となるそうです)、沖縄経済・医療の進歩を応援したい方、ぜひご検討ください。
*詳しくは下記ページをご覧ください
(以下は、告知ページより抜粋)
こんな方に応援してほしい!
医療経済(医療資源の最適配分、医療サービスの革新、向上、効率化等)に関心のある方
予防医療、早期診断、QOL向上等を含む健康長寿社会の実現に関心のある方
バイオ関連産業振興を通じた沖縄の地方創生の取組みに共感いただける方
プロジェクトのポイント
独自技術で迅速・低コストな高感度診断薬を開発し、患者の負担軽減や医療コストの低減を目指す
九州・沖縄地方最大級の細胞培養加工施設を活かし、再生医療関連の製造受託・開発製造支援事業を展開
沖縄県の産業振興補助事業6,000万円に採択、大手医療メーカーや日立グループをも巻き込む事業推進力
なぜこの事業をやるのか?
サポートいただいた金額は、別の方のサポートに使用いたします。 コンテンツ作成、創造をサポートしあう文化を、根付かせていけると良いなと思っています。 ご協力よろしくお願いします。