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烏兎匆匆(うとそうそう)

年月が早く過ぎ去っていくこと。(文選:もんぜん)

昔の人々に伝わる
話にこうある。

太陽には三本足の烏がいて、
月には兎がいると
信じられていました。

彼らは太陽と月のことを
「烏兎(うと)」という言葉で表現し、
私たちが時間を数えるように、
1年の「月」と「日」を意味しました。

三足烏(さんそくう)Wikimedia Commonsより

太陽の三本足の烏を『金烏(きんう)』
月の兎を『玉兎(ぎょくと)』と呼びます。

いっぽう、
「匆匆」は「怱怱」とも書き、
早く過ぎ去る意味で、
それが合わさることで、
「月日歳月」のたつことの早いこと
を述べています。

昔、中国西晋の
文学者に「左思(さし)」
という人がいました。

彼は、中国の大昔の詩や
文章を集めた大きな本
『文選(もんぜん)』という
もののなかの一部にある
「呉都の賦(ごとのふ)」に

「烏兎を日月に籠め、飛走の棲宿を窮めんとを思ふ」

と書いた。

これは、天に昇り、
あの日の烏、
月の兎をそれぞれ
太陽と月に閉じ込め、
飛び走る鳥獣のすみかを
きわめ尽くして
捕えようと思う……。
というのである。


「呉都の賦(ごとのふ)」は
左思(さし)が
十年の歳月をかけて
完成したとされる
「三都の賦(さんとのふ)」の一部で、
三国時代の魏・呉・蜀の
首都の繁華のさまを述べ、
また、「三都の賦(さんとのふ)」は
いわゆる

「洛陽(らくよう)の紙価を高める」

ものであったとされる。
著書が良い評判を得て、
盛んに売れた
ことを意味します。


金烏(きんう)と
玉兎(ぎょくと)は、
中国の伝説や神話に
登場するキャラクターです。

これらは主に太陽と月に関連しています。

👀 Mabel Amber, who will one dayによるPixabayからの画像

金烏は、太陽を象徴する存在であり、
太陽の神であるとされています。

大昔、中国の人々は
太陽にカラスがいると
信じていました。

しかし、
天文学者・山本一清氏は、
彼らが言っていたのは
太陽の「黒点」と呼ばれる
太陽の黒い点のようなもの
だったのではないかと
考えている。

WikiImagesによるPixabayからの画像

金烏を太陽の黒点の
象徴とする説は、
近世から語られており、
庶民向けに出版された
暦占を中心とした
実用百科事典「大雑書」にも、

「確かに太陽には
三本足の烏が
いるように見えるが、
それは本物の鳥ではない。
ただ太陽が暗く見えるだけだ」

と語っています。

一方、玉兎は月を象徴し、
月の女神であるとされています。

Joyjit ChowdhuryによるPixabayからの画像

アジアの多くの人々も
そう思っていて、
"月にはウサギがいる "という
言い伝えが伝わっています。

そして、
ウサギのすぐ隣には、
すり鉢のようなものが見え、
中国では、この臼を使って
特別な万能薬を
作ることを想像し、
日本では餅を
つくためのものだと考えました。

これらのキャラクターは、
中国の古典文学や
伝承にしばしば登場し、
太陽と月の起源や
動きに関する物語に
結びつけられています。

特に『山海経』や
『史記』などの
中国の古典文献において、
【金烏と玉兎】に関する
伝説や神話が見られます。

これらの物語は、
中国の文化や宗教において
重要な要素となっています。

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