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エッセイ

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さとくらのエッセイをまとめています。
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記事一覧

軽さと重さはまじわるのか。大麦こあら「能美先輩の弁明」から考える。

 最近、BL漫画で大麦こあら「能美先輩の弁明」という作品が目に止まりました。  概要欄には…

さとくら
4か月前
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近づけば見える空は一緒。

 職場を出ると朝に降っていた雨が上がっていた。歩道は濡れていて風は冷たかった。最寄り駅ま…

さとくら
5か月前
8

愛を正しく学ぶための方法を考える。

 人生をゲームとして考える。そうすると、まず自分のステータスを見て体力が低いなとか、コミ…

さとくら
5か月前
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つい「聞いただけでアッと驚くような「キャッチコピー」」を探したくなる休日。

 最近、エッセイを書けていない。  書きたいことが浮かんでこない、というよりはエッセイ用…

さとくら
6か月前
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33歳になった男が壊れないように「正しく考えるための方法」を考える。

 僕って壊れたらこうなるんだと思った。  人生で一番くらいの泥酔をした。結果、姫路に来て…

さとくら
7か月前
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32歳の男が2023年に摂取したコンテンツを100のランキングにして紹介していく。

 まえがき 「さやわか式☆ベストハンドレッド」というイベントがあります。  こちらは「尋…

さとくら
9か月前
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神様に手を合わせるように音楽を聴く日、僕たちは歳を取る。

 ●  先日、職場で早めの忘年会があった。  とあるホテルの宴会場を貸し切っての立食パーティーだった。  そこで僕は同じ部署の二十一歳の女の子を別部署の二十三歳の女の子と引き合わせた。  別部署の子は、同期と仲がいいこともあって喋ったことがあった。  二人の会話は和やかに進行し時折、話題が不足した際にだけ、僕が割って入り会話を繋げた。元々仲良くなれそうな二人だったこともあり、すぐに意気投合した。  別部署の女の子が音楽活動をしていて、youtubeのアカウントで「歌って

大人になって実感する最良のこと、そして、敵わない人。

  年を重ねる度に、母親には敵わないなと思うことが増えていく。一緒に住んでいた頃にも思っ…

さとくら
10か月前
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32歳の男が今まで読んだ本から100冊を選別してみる。

 なにかを選ぶ作業をしたかった。   「1万時間の法則」というものがある。「1つの分野でプ…

さとくら
10か月前
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友人が笑ってくれなくなる時、足を止めて。

 騒がしい居酒屋のカウンターで先輩が言った。 「男ばっかりの職場はつまらないよ。話題が酒…

さとくら
1年前
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靴下を履いて、いくつもの週末を待つ日々。

「今日は部屋で靴下を履いてるんだね」  と彼女に言われて、そういえばそうだなと思う。  ど…

さとくら
1年前
22

大金をめぐる奔走の中で交わされる言葉ほど楽しいものはない。映画『札束と温泉』につ…

 前回から引き続き、佐藤究『サージウスの死神』の一文から始めたい。ちなみに、このセリフは…

さとくら
1年前
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なぜ「災い」は起きるのか?を問う佐藤究『サージウスの死神』について。

 呪いってかかったことあります?  後輩に言われて、少し考えた。 「その呪いは川端康成が掌…

さとくら
1年前
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ここは味気ないほど辛い現実だけれど、楽園を垣間見ることはできる。三浦しをん『墨のゆらめき』について。

 友達の誕生日会を我々がよく行く居酒屋でおこなうことになった。  約束の時間は21時だったけれど、僕の仕事はそれよりも前に終わっていて、ほかに寄る場所もなかったこともあり、20時には居酒屋についてしまった。  カウンターだけの小さなお店だから、人でいっぱいだったら近くの居酒屋で時間をつぶそうと決めていた。  昼はカレー屋をやっている、そのお店はとても人気で、理由は店主の人柄もあるだろうけれど、毎日ちがう料理がメニュー表にあって、そのどれもが美味しいことが一番の要因だと僕は思