ムーミン展の感想

昨日札幌芸術の森美術館でやっているムーミン展に行って来たので、忘れない内に書いちゃいますね。
メモとかとってなかったので、印象的だった所だけ。

一番びっくりしたのは、表紙の絵です。
小説1作目『小さなトロールと大きな洪水』の表紙は、ムーミンがムーミンママと森の中を歩いているシーンなんですが、その森の空間の描き方が絶妙で、引き込まれました。暗い色の感じも良くて、切羽詰まった状況の中にも大きな花が咲いたりして、森という、何か温かいものに包まれてゆくような感覚になりました。2作目の表紙は、彗星が迫ってくる中、干上がった海の上をまっすぐな竹馬で歩くムーミンたちの姿が描かれていて、不安や恐怖の中の張り詰めた空気を感じました。そしてそれがまた完璧で不思議で魅力的な空間になってるんですよね。この2作目は1968年にも描き直して出版してるのですが、1946年バージョンの方が、隙きがなくて好きでした。でもグッズで売ってたポストカードは、1968年バージョンでした。がっかし。でも買ったけど。

こんなに平面の中に奥行きがある空間が描けるんだ。と思いました。まるで紙の中が袋状になっているみたいでした。


そして、その空間を形作る風景画の秘密を解く鍵みたいなものが、最後に展示されていました。






それは……浮世絵です!

トーベ・ヤンソンさんは日本文化にも興味があったそうで、浮世絵との共通点が展示されていました。はっきりと参考にしてるとは書いてませんでしたが、波の形や、岩の形など、影響を受けてるんじゃないかな〜と思うものも多かったです。
この不思議な空間に誘われる感じ。現実のようでいて現実じゃない空間みたいなもの。
東海道五十三次に出てくる風景に感じるものと似ている気がします。


他に好きだったのは、トーベ・ヤンソンはペンの細かい線で描いてる挿絵が特徴的ですが、初期の頃に同じ挿絵をインクの濃淡で描いているものがあって、それも、いいな〜と思いました。

あと、トーベ・ヤンソンと、パートナーたちとで作ったムーミンのお屋敷のミニチュアを、トーベ・ヤンソンの弟が写真に撮ったという絵本が紹介されていて、それも興味深かったです。それも買っちゃいました。てへ
こんな絵本を作りたいな〜とちょうど思っていたので……。

小説も、まだ一冊しか持ってないので、他のも全部読んでみたいと思います。




同じ芸術の森の中にある有島武郎旧邸が素敵な雰囲気を放ってました。こんなに洋風なのに、一階は、ほぼ畳。想像力の限界だったのか、ただ慣れてるからそうしたのかわかりませんが、なんかおもしろと思いました。

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秋ですね〜



帰りにおにぎりとみそ汁を食べました。


満足満足。