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夏の足元

なんか、オシャレ系の題名をつけてしまいましたが、私は以前も書いた通り、気づいたら全身緑になる位オシャレというものに疎い人物なので、オシャレ系の記事ではありませんのでご了承ください。

私は北海道出身なので、大学で仙台に引っ越してから、夏はサンダルで過ごすという文化を知って、驚いた。
気がつけば、周りの友達が、皆サンダルを履いていたのである。私はそんな文化知らなかったので、一人でいつものスニーカーを履いていた。
「さとこもサンダル履けばいいのに」そう言われて、はっとした。
確かに、最近、やけに足元が暑いのだ。
そうか。サンダルを履けばいいんだ。
そう思い、私もサンダルを履くことにした。

北海道でも、サンダルは使用する。ベランダには、昔ながらの茶色いサンダルがあるし、飲み屋さんに行くと、座敷の前には、トイレに行く時用のサンダルが置いてある。だから私の中でサンダルとは、靴を履くのが面倒な時に、一時的に履くもの。もしくは、オシャレな人が、オシャレアイテムの1つとして使うもの。というイメージだった。なので、自分が、まさか1夏を通してサンダルで過ごす日々が来るとは、夢にも思わなかったのである。

私は人生の中に突如現れたつっかけライフを楽しんだ。基本、紺色のビーチサンダルを履いて、大学にも行ったし、バイトにも行った。けれど、ある日バイト先の人に「ま〜たビーチサンダル履いてる」と言われ、ビーチサンダルを普段使いにするのはオシャレじゃないんだ……と初めて知った。

あとは、中米風の色合いの、木製のサンダルもよく履いていた。私は外反母趾なので、鼻緒があるタイプしか履かない。そのサンダルも、鼻緒があるタイプで、歩くとカランコロンと下駄の様な音がするので気に入っていた。
しかしアパートの管理人さんに、「音が響くね」とやんわり注意され、そうか、サンダルは、音も気にしなくちゃいけないんだ。と、初めて知った。

サンダルライフに慣れていなかったので、そんな失敗も多々あったが、私は毎日快適に過ごした。
楽だし、涼しいし、外反母趾にも良いし、なんと言っても解放感がある。北海道だとなんだか恥ずかしくて履けなかったけど、暑いからしょうがない。という理由で、堂々とサンダルが履ける。それが嬉しかった。

それから、大学を卒業し、何年か後に私は北海道に帰ってきた。今、帰って来てから9年の月日が経っているが、帰って来てから一回も、サンダルライフを過ごしていない。

スニーカーで普通に1夏過ごせてしまう。

それになんだかやっぱりサンダルを履くのが恥ずかしい。

たまに外に出る時、あえて私はちょっとそこまで感を出し、茶色いサンダルを履く。そういう時でしか、サンダルを履けない、元の道民になってしまった。
サンダルを素足で履くと、冷たくて気持ちいい。あのサンダルライフが懐かしい。