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ジェットストリーム
濃い霧に包まれたハイウェイを走ること45分。3年ぶりの帰国に少し緊張しながら空港へ向かう。
今回はアレンタウンからシカゴ経由で成田へ。
本当は羽田着でチケットを取っていたけれど、2月の時点で成田に変更になった。空席を減らす為なのか、いろいろな噂が流れていたけど実際の理由は分からない。
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アレンタウンにあるLehigh Valley International Airportに到着して
チェックインをすると、
「国内線はスーツケース1人1個までですので、2個オーバーで$200です。」と係の方。
「え?国際線の通しチケットだから、国内線も1人2個で大丈夫なはずですよ。」と言うと、親切な方で念のためにスーパーバイザーにも確認してくれた。
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今回の国内線のアメリカン航空はJALコードシェア便がない為、アメリカン航空の通しチケットになっているらしい。だから、規定はJALでは無くアメリカン航空。
Eチケットに受託荷物の個数が記載されいたらしいけど、まさかこんなことになっていると思わないので読んでいなかった。
往復で$400は予想外の出費だけど、チケットは安く買えているのだから仕方がないと自分を納得させる。
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2時間でシカゴに到着、そこから成田までは13時間。
搭乗前にアナウンスがあり、PCR検査結果や必要な書類のチェックがあった。
アプリは全てダウンロードし、ファストトラックの画面はグリーンになっているから問題はないはず。
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1番大変だったのは出発72時間以内のPCR検査。ペンシルバニアの田舎には、日本の検査証明書に対応してくれるLabはないので、仕事の前に片道1時間半かけて検査に行ってきた。出発の68時間前だったから、もし何かの理由で出発が4時間遅れたらアウトだ。でも、空港から出なければプラス24時間の猶予があると何かに書いてあったから、これを信じるしかない。
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書類記載の不備で入国出来なくなる場合もあるから、Labから送られて来たPFDの検査結果を良く確認してファストトラックに入力。審査中からグリーンになるまでには、かなり時間がかかったけど、無事に入国に必要なものは揃った。
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国の説明では分からない事だらけで、誰もが不安を抱えての入国だ。
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隣りの席は前日まで空席だったので「Yay!!」と娘と2人で喜んでいたら、チェックインで「フルフライトですよ。」と言われてガッカリ。後から遅れてやって来たN95のマスクをしたその燐人は、ずっとスマホで誰かと連絡を取り合っている。どうやら、D.Cから搭乗する友達と成田で落ち合って一緒にジャカルタに帰国する予定らしい。自分は乗れたけど、その友達のチケットが取れなくてスッタモンダしていた。
しばらくしてCAさんが確認して下さり、無事に搭乗出来ていたようで一安心。
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眠れないまま成田に到着。
まずはトランジットの方から降りて下さいとアナウンスが流れ、機内で待つ事30分。
結局はほとんどがトランジットで、席に残っていた入国者は10%程度。だったら、少ない方を先に降ろしてくれてもいいのでは?と疑問は残るけど、便によっては入国者が先に降りる場合もあるらしい。トランジット客がいなかったら機内はガラガラだったと言う事になるから、航空会社もいろいろ操作しないといけないのも理解できた。
飛行機から降りると、そのままの流れで検査場に向かう。
空港内をぐるぐる回りながら、流れ作業のコンベアにでも乗っていたらどれだけ楽だろうと思うくらい、20時間寝ていない体にはきつかった。小さなお子さん連れや、お年寄りはさぞかし大変だろう。
そんな事を思った数日後にアメリカからの入国は、空港のPCR検査も自宅待機も、6月からは免除されるとのニュースが流れて来た。
到着してから3時間もかかった検査結果は「陰性」
3日前にも検査しているのだから当たり前だ。
結果を待っている間にダウンロードした税関検査のアプリは、紙の申請は家族一枚で良いのに対し、各自1人ずつ入力しないといけないから、混んでいなければ紙を渡すだけの方が早い。
空港からスーツケースを実家に送り、身軽になった私と娘は自動販売機で飲み物を買いバスターミナルに向かった。
ホテル行きのシャトルバスは私と娘だけで車内はガランとしている。運転手さんが「ここに座りなさい。」と運転席の直ぐ後ろの席を勧めてくれた。
パンデミック以降の日本の様子やワクチンの事、アメリカの状況を運転手さんと話している内にホテルが見えて来る。食べたかった鰻屋さんの事を尋ねると「成田は5時には店は閉まりますからね〜。」と運転手さん。
「5時は早すぎるんじゃない?」と思いながら、前回行った川豊 西口館の時間を調べると8時閉店。
もう、とっくにその時間は過ぎていた。
「さて、ご飯はどうしようかな…」と静まり返っている景色を眺めながらコンビニの位置を確認。ホテルの部屋に入ると疲れている娘を置いて、さっきバスの中から見えたコンビニへ向かった。
暗くなってしまった町を歩きながら、母国の少し湿った空気を懐かしむ。
「帰って来たな。」
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成田と言えば、noteでもご活躍の日暮エムさんの地元。著書である「ひぐらし日記」を現地で購入したかったけど本屋さんも閉まっている。仕方なく実家に帰ってからAmazonでオーダーした。
幼い頃から「アンネの日記」や「二十四の瞳」「はだしのゲン」に興味を持ち、いろんな戦争跡地に出かけて行く姉と甥っ子にも読んでもらいたい作品だ。
せっかく近くまで行ったから、エムさんにもお会いしたかったな。
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こうして翌朝、3年前の帰国で別れぎわに叔母がくれたSuicaを手に、今度は電車で成田空港に向かった。
つづく。
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