世界一明るいサヨナラ
娘が一番最初に話せるようになった言葉は「バイバイ」だった。ママとかパパとかを密かに期待していた私たちは笑ってしまった。意味をわかっているかといえば微妙なところではあるが、玄関で出かける前に手を振って「バイバイ」と言えば、小さな手を縦方向に振り下ろしながら「ばっばーい」と元気よく返してくれる。寝る前にもっともっと絵本を読んでとせがんでも読んでもらえずに怒って泣いていても、「もう寝る時間だからバイバイね」と言えばけろっとした笑顔で「ばっばーい」と言う。どうも見ていると用済みになった人・物にバイバイしているようだ。
娘のバイバイは世界一明るいサヨナラだ。いつか娘もサヨナラの本当の意味を理解する時がくるのだろう。自分で決めたサヨナラに心がえぐられたり、突然訪れたサヨナラに声を上げて泣いたり、たくさんのサヨナラを経験していくだろう。それでも、サヨナラの先にしか見えないものもあることを知って大きくなっていってほしい。娘の未来がどうか明るいサヨナラに満ちた未来であってほしいと思う。
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