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スペースXから学ぶ、成功する組織文化【事業コンサルと一緒に読むDXニュース(2/4回)】

■ この記事について

今回もDX関連のニュースの中から「事業を成功させるために、今日から活かせる学び」を抽出します。みなさまも私と一緒に、学び・事業に活かして行ってください。
↓筆者がどんな活動をしているかはこちらをご参考になさってください。

■ まずはニュースを3点要約

スペースXの宇宙船、試験飛行で再び爆発・炎上 「着地に要改善」

<要約>
・米宇宙開発企業スペースXが開発中の巨大宇宙船試験機の飛行試験が米テキサス州で行われたが、同機は着地に失敗し爆発・炎上した

・スペースXはインターネット配信した飛行試験のライブ中継で「今回も素晴らしい飛行だった」とアナウンスし「着地を少し改善する必要があるだけだ」と述べた

・スペースXの統括エンジニア、ジョン・L・インスプルッカー氏は、「フラップの操作に関する多くの良いデータを得られた」と述べた。近いうちに次の試験飛行を行う予定

■ この記事から学ぶべきこと

・持続的に成功を収める組織は失敗をプロセスと捉える

スペースX(Space Exploration Technologies Corp.)は2002年にイーロン・マスクによって設立された航空宇宙メーカー・宇宙輸送サービス会社です。民間企業として初めて宇宙船の打ち上げ、軌道周回、回収に成功した企業であり、国際宇宙ステーションに人間を飛ばした実績もあります。

困難を極める宇宙開発事業において、スペースXは持続的に成功を収めている組織と言えるでしょう。その企業の試作機が昨年12月に続き2回目の爆発、着地に失敗しました。

これに対する組織の発表は「素晴らしい飛行」「少し改善する必要があるだけ」という非常に前向きなものです。

施策機とはいえ、"有人飛行を視野にいれた宇宙船プロジェクトで着陸に失敗して大破"という結果に対して、これだけ前向きに捉えられる組織は多くはないはずです。おそらくスペースXの中では、この施策機に関わったエンジニアが解雇されたり不当な扱いを受けることはないでしょう。「失敗という結果からどんな問題を発見でき、次はどう改善するか」という次に進めることに組織全体の意識が向いているはずです。

・「持続的な成功」には"大量の失敗"から得られるデータが必要不可欠

ある知人から聞いた話で、彼の務める企業は『新規事業開発部は存在するが、新事業の立ち上げ失敗するとすぐに左遷されるため、会社に知見が残らない』という体制になっていたそうです。

これは非常に恐ろしいことです。

”まぐれのホームラン”は起こり得ます。知識や経験がなくても、立ち上げた事業がたまたま大成功することはあります。しかし事業には成熟・衰退のライフサイクルがあります。一本のホームランで組織が生き続けることはできません。ホームランは何本も打たなければいけません。どうすれば可能になるでしょうか。

"成功する確率の高い箇所"でバットを振り続けるしかありません。その"成功する確率の高い箇所"はどうやって知るのでしょうか。経験に基づく事実から知る他ありません。経験は挑戦しないと得られません。そして多くの挑戦は、失敗に終わります。つまり多くの失敗の中からしか得られないのです。最後の大きな成功を得るために、うまく大量に失敗し、学ぶ必要があります。

・失敗を許容する組織とは、ゆるい組織ではない

「失敗を許容する」という言葉はよく耳にします。しかし『失敗して残念だったね。気にしないで、ぱーっと忘れよう!』というような内容に履き違えている人もいるのではないでしょうか。当然これは大きな間違いです。

失敗、つまり予想していなかった結果が得られ、次にどう活かすかのみに集中する組織。これは失敗を許容する組織でしょう。

・失敗を許容する組織になるのを待たない

『うちの組織は失敗を許容する文化じゃないからな』と愚痴をこぼしたい気持ちが分からないわけではありません。しかし、自分自身は失敗から学び・次に活かすことを体現できているでしょうか。「にわとりたまご」ではありますが、失敗から学び、活かすことで許容される組織に変化させていくこともできるでしょう。

今日の「疑問投げかけ」

・自分は、最近どんな失敗をしたか

・その失敗から、自分は何を学び、どう活かしているか

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