ターゲットは「消費者」なのか
新おしゃれファッションタオルブランド「TRUE TOWEL」のターゲットを設定して作っていく際の思考の記録です。
「気がついている人」がターゲット
「ちょっとした贈り物」の代表の一つ、いわゆる「お年賀タオル」とは質感がまったく別次元ですし、価格もそれなりのものとなります。
当然ながらマス向けのマーケティングでは効率が悪いでしょう。
また一方で「どれでもいい」という低関与商材の最たるのものという位置づけから、「今治タオルブランド」が登場してからは、タオルの質の差に気がついた方が増えてきているのも事実。
今も「どれでもいい」と考えていらっしゃる方たちに啓蒙するには少し体力不足(=自分が)なので、「気がついている方」をターゲットの中心としました。
ターゲット設計の際には、「ペルソナ」をつくるのが定番化していた時期があったような気がします。
ただペルソナは、未知の新サービスの企画時や、他部署にまたがる製品・サービス提供である場合に少しは有効なのかなあと感じるくらいで、作成する労力の割に作って満足!程度で片隅に追いやられてしまうような気がしますし、今回の新ブランドを作る上での登場人物は自分を中心に極少数なので、省くことにしました。
少しラフにターゲットを考えてみることにした
ラフに考える、とはいっても関係者向けに資料はたくさん作ってはいますよ。
ただマーケ志向が強すぎると、とってもつまらなくなりそうなのは、前回の記事「新ブランドのネーミングの思考の記録」でも感じていたので、もうちょっと緩めに、幸せになれるイメージが引き立つようなターゲット設計にすることにしました。「ひらめき」をもとに。
なにより、今回の新ブランドは圧倒的に高いクオリティであることがベースにあるので、小手先でこねくり回すのもどうなのかな、と。
そんなときに見かけたのが最所あさみさんのnote。
なんかすごいマトリックスの図!
2017年の記事なので、さすがにメディアの変遷はありますが、メディアとカラーをうまくマトリックスにした秀逸な記事です。
だいぶ、思考の参考にさせていただきました!
モノクロ系:ミレニアル世代も
最所さんのマトリックスにおいては、"今どきのタオルブランド"の多くが右下のモノクロ系(KINFOLKやキナリノ、北欧等)を狙っていると思います。いわゆる「暮らし系」のジャンルで、ミレニアル世代も含みますね。
ただ自分の今までの経験上、この暮らし系ジャンルは一見「購買意欲が高くない、単価が低い」という鬼門のエリアです。その購買意識を覚醒させるためにはかなり手間と時間がかかるのと、もう少し組織化してからでないと手が回らないので、存在は意識しつつも中心に据えるのはやめました。
ネイビー系:基本的な嗜好は赤文字系の流れをくむ
VERY、CLASSY.、Oggi、25ansが雑誌では該当。
比較的結婚も早く、キャリアと同じかそれ以上に家庭を大切にする傾向があるネイビー系は、消費意欲は強くなくても結果としてベビー子供関連も含めた絶対的な消費額が増える傾向にあります。
彼女たちの上品かつクラシック、正統派な属性は、いわゆる審美眼が鍛えられています。
家庭用品/日用用品であるタオルについて決定権があるし、いいモノを見極めること、そして選ぶことに躊躇しない女性たち。(のはず)
そして自分のこれまでのファッションブランドビジネスにおいても主たるターゲットであったので、とても親近感があります。
ここに決めました!
年齢的にはこれくらい ↓
ターゲット像をビジュアル化
最所さんのマトリックスにも後押しされて、ネイビー系のジャンルに自信を深めたのですが、ロゴデザインやマスタービジュアルを作成する上で、わかりやすいターゲット像を用意する必要がありました。
その一例 ↓
クリス-ウェブ 佳子さんのインスタと、ロンハーマンのその頃のカタログでほぼビジュアルを作っていました・・・。
加治ひとみさん、泉里香さん、飯豊まりえさん、朝比奈彩さん、滝沢眞規子さんでもなく、クリス-ウェブ 佳子さんを勝手にブランディング・ターゲットとしました。
今回大事にしている「幸せになれるイメージ」という「とてもふわっとした」イメージは、彼女がとっくにビジュアル化していたのです。
ターゲットは「消費者」なのか?
永らくブランドビジネスに関わってきて、「実際に手にとってくれる人=ブランド体験をしてくれる人」のことをなんと呼べばいいのか、なにかずーっとモヤモヤしていました。
呼び方としては以下の4つくらいかな。
・消費者
・生活者
・顧客
・ユーザー
マーケ的には「消費者」が一般的なのでしょうが、せっかく作り上げたブランドを「消費」してほしくはないんですよね。
ただの言葉の響きだけの勘違いなのかもしれませんが。
TRUE TOWELというタオルは、消費するっていうより、もうちょっと人間的で、人に寄り添って安心感を持ってそばにいてくれる存在、というか。
本当は「ファン」と言い切りたいところですが、まだまだお披露目したばかりなのでそこまでは断言できずにいるのが現状で、この問いへの回答はもう少し認知されてからにしたいと思います。
本当はもう少し緻密に、資料もたくさん作って考察したのが事実なので、きちんと全て書いてもいいのですが。
でもそんなロジックの履歴より、エモーショナルなブランドを目指すには「ひらめき」「幸せ」「いとおしい」っていう「想い」のほうがパワーになるはずなので、ふわっとした記録となりました。
<次回予告:タグラインを考えなくちゃクリエイティブができない>
#ブランド #ブランディング #ターゲティング #トゥルータオル
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら幸いです。