新ブランドのネーミングの思考の記録
自分のミッションは、ビジネス的にはtoC向けの新ブランドを作り上げること。
正岡タオルの製品は、ホテル向けやOEM等の卸、そして今治タオルショップでの販売があって、自身での小売はほぼ行っていなかったのですが、新ブランドではECからはじまり、ゆくゆくは百貨店などの実店舗での展開を想定しています。
ブランドネームとターゲットを同時並行で考えていきましたが、今回はネーミングの話。
ブランドの名前を決めるなんて、ワクワクしますね!
ネーミングを決定するまでの思考の記録です。
1.「マーケティング手法」でのアプローチ
独りよがりに決めるのではなく、周囲からも納得してもらうことが企業なので当たり前なわけなので、オーソドックスにマーケティングっぽく思考を進めました。
強みを生かし、そこに「共感」をプラスしていくという方向性を示し、まだ形のないブランドの輪郭を少しずつ明らかにしていこうとしています。
(※簡単な図を作っていました。↓ )
タオル製品の市場規模は約1,600億円といわれていて(まあ小さいわけですw)、「おしゃれファッションタオル」を自ら購入する割合は1,600億円のうちどれくらいなんだろう?と初めは探っていましたが、すぐにやめました。
なぜなら新ブランドが提供する価値は「これまでにない新しい価値」を目指しているわけなので、既存の市場規模からはみだすものと考えたからです。
ブランドを構成する要素を浮かび上がらせるため上記の図をベースに、
・顕在的価値=企業(これまでの製品)の特徴的な優位性は?
・潜在的価値=共感できる情報は何?
というようにネームに繋がる要素をどんどん書き出していったのですが、
ここで気がついてしまいました。
↓
「こんな方法で生み出したブランドネームって、つまんなくない?」
「幸せになれるイメージ」をブランドネームに込めたいので、
「キャッチーな思いつき」を最初に考えて、それにロジカルに肉付けしたほうが良いかも・・・ちょっと「夢」的な発想をたっぷりで。
マーケティング手法は、ひらめきや思いつきには絶対にかなわない・・・。
ちょっとイチからやり直しです。
2.あらためてヒアリングからやり直し
小手先だけで決めていっても、幸せをイメージさせるようなブランドネームにはならないなと思いとどまり、あらためて会社の創業からの歴史とかトピックなど、しつこくヒアリングさせてもらうことにしました。
そんなところから「ひらめき」が生まれたらいいなあ、と期待しながら。
ヒアリングメモに書き残したのは・・・↓
・親父の「ヨコ糸一本たりともバカにするな、いい糸使え」の言葉
・妥協しないものづくり
・バブル崩壊後も、上質な原料を使用→適正な価格で販売→どんどん注文が減る→だけどクオリティを落とさない→信用が生まれた
・一枚のタオルを創ることで、豊かな生活を分ち合って生きたい
・・・・
いろんな話を聞かせてもらう中で、結局どこまでいっても「真面目で、手を抜かないものづくり」のお話がでてくるのですよ。
ん?
これって・・・。
もしかして・・・。
3.ブランドネーム、最初から目の前に存在していました
「ファクト」から「ベネフィット」を導き出そうとしてたら、答えは「ファクト」の中に最初から存在していました。
そう、何度も聞かされてきた「真面目で優しいものづくり」なんです。
もちろん新ブランドも、奇をてらわず、真面目に、手を抜かずに作り続けてきたという企業のDNAを存分に引き継いでいくつもりです。
「真面目」「手を抜かない」「優しい」という単語に触れていたら、
なにかが降りてきました!
ひらめきました!
『TRUE TOWEL』!!!
「真実の、本当の、本来の、適正な、厳密な、本物の、正真正銘の、純種の、純粋な、忠実な・・・」を意味する「TRUE」。
企業の歴史とか姿勢とか強みとか、あれだけ聞かせてもらっているのに、「TRUE TOWEL」が舞い降りてくるまでに2ヶ月もかかってしまいました。
カタカナでは「トゥルータオル」です。
※ちょっと検索に弱そうではありますが(小さい「ゥ」が入っているので)、大丈夫でしょう。
そして上記の思考とは別の視点なのですが、
ちまたには「ホテル仕様・ホテルスタイル・ホテルユース」という名前のタオルがたくさん販売されていますよね。
もちろん、全てではないですが、「ホテルタオル」という名前で手にして、がっかりしたひとも多いはず。
「きっとあなたの思うホテルタオルはこれのはず」というのも伝えたかったコピー。なにしろ実際にラグジュアリーホテル向けに作り続けてきたので。
名前だけのぺらぺっらなホテルタオル?とは本質的に別物。
「真面目で優しいものづくり」と「本物のホテルタオル」という二つのソーズが組み合わさって、「TRUE TOWEL」というブランドネームが出来上がりました。
<次回予告:ターゲティングのマトリックス>
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら幸いです。