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ブーケ・セラピー1月開催テーマご紹介vol.1:ロミオとジュリエット「その名を捨てて私を愛して」・コミットメント〜愛し抜く覚悟〜

こんにちは♪
咲凛さとです。

わたくしが、毎月定期開催しているブーケ・セラピー。ブーケ・セラピーとは、ブーケを束ねる過程を通して、ご自身の「エネルギー」と「感情」を解放することに比重を置いた一種のイメージワークです。

今月1月は、「ロミオとジュリエット」をテーマに春の軽い花をたっぷり使ったブーケ束ねます🤍ふわふわのスイートピーやラナンキュラス達。香りも楽しめます🤍

ロミオとジュリエット「その家の名を捨てて、わたしを愛して」

💜1月19日開催分は、残り1席です。来週1月14日迄申込締切延長いたします。
ご参加お申込いただいたみなさま、ありがとうございます!

💜1月28日は、大阪初開催です♪こちらのお申込期限は、1月19日までとなります。

詳細お申込みは、こちらからどうぞ。

そして、今日は「ロミオとジュリエット」の物語をジュリエットの変化に焦点を当ててご紹介します。

⬜️登場人物

モンターギュ家(皇帝派)
・ロミオ:モンタギューの息子16歳
・モンタギュー:モンタギュー家の家長
・モンタギュー夫人:モンタギューの妻

キャピュレット家(教皇派)

・ジュリエット :キャピュレットの娘13歳
・キャピュレット:キャピュレット家の家長
・キャピュレット夫人:キャピュレットの妻 
 20代後半
・ティボルト:キャピュレット夫人の甥
・乳母

エスカラス:ヴェローナ大公
パリス:貴族の青年、エスカラスの親戚
マーキューシオ:エスカラスの親戚、ロミオの友人
ロレンス神父:フランシスコ会の修道僧


⬜️14世紀の時代と現代に通じる背景

物語は14世紀のイタリア・ヴェローナが舞台、シェイクスピアは16世紀のイギリスでこの物語を執筆しています。

赤い点がヴェローナ(ベローナ)

シェイクスピアがこの物語を創作したのは、1590年台 ・彼が31歳の時だと言われています。この時代のイギリスは、疫病ペストが大流行していました。大衆演劇はペスト感染の元凶だとして、一時期芝居小屋が封鎖されていました。

14世紀のヨーロッパでも、ペストは大流行しています。使者がロミオに作戦を記した手紙を届けられなかったのも、その使者が、途中、ペストの疑いで足止めとなったためだと言われています。ペストの流行とこれらの出来事は、現代のコロナにも通じるものがあります。

そして、名門一家の争いが、物語の主軸を成しています。ロミオの実家モンタギュー家(皇帝派)とジュリエットの実家キャピュレット家(教皇派)の対立です。

もともと、「教皇派」「皇帝派」の争いは、11-12世紀に端を発しています。「教皇支持派」(貴族や都市の大商人が多い)と「皇帝党」(ドイツ皇帝を支持する派で貴族・領主層が多い)の党争が始まり。

ドイツ皇帝のイタリア政策による侵入と干渉に苦しめられたイタリアにおいても、有力貴族による「教皇派」と「皇帝派」の内部抗争がありました。

出典:皇帝派と教皇派とは

この両家の争いは、昨今の戦争にも重なります。大人同士の醜い争いの一番の犠牲者は何の罪もない子供達だという点において。

無意味に憎しみ合い、互いに相手を挑発し、相手ばかりを責めて自分本位な言動を繰り返す。シェイクスピアは、そんな人間の愚かさを炙り出しています。

⬜️あらすじ・たった5日間の恋物語

ロミオとジュリエットは、始まりから終わりまでたった5日間の物語です。この短い期間に、実に様々な出来事が展開していきます。脚本家シェイクスピアが、舞台の観客を飽きさせないようにする工夫の一つです。

物語序盤に、2人の男女の悲恋であることが明記されていることも特徴の一つ。クライマックスを把握して観るからこそ、スピード感とドキドキハラハラが掻き立てられるのだと思います。

曜日ごとに出来事をご紹介していきますね。

①日曜日

日曜日の朝:
第一幕第1場の冒頭でモンタギュー家とキャピュレット家の大ゲンカから物語は始まります。そして、モンタギュー家の一人息子・ロミオは、ある女性ロザラインの美貌の虜となり片想いをしています。

日曜日の夜:
キャピュレット家にはジュリエットという一人娘がいました。ロミオは晩餐会でジュリエットに出会って一目惚れ。ロザラインのことは、すっかりどうでも良くなります。

たった一つの私の恋が、憎い人から生まれるなんて。
ジュリエット

日曜日の深夜
晩餐会の後。ロミオとジュリエットは、バルコニーで永遠の愛を誓います。いくつか名台詞をご紹介します♪

ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの。
ジュリエット
お父様と縁を切り、その名を捨てて。それが無理なら、せめて私を愛すると誓って。
ジュリエット
私の敵はあなたの名前。
ジュリエット
名前がなんだというの? バラと呼ばれるあの花は、ほかの名前で呼ぼうとも甘い香りは変わらない
ジュリエット

②月曜日

月曜日の明け方:
ロレンス神父に結婚を懇願するロミオ。ロミオは今日の午後、ロレンス神父元でジュリエットと懺悔をすませ、そのまますぐに結婚する予定であるとの伝言をジュリエットの乳母に託します。

月曜日の午後:
ジュリエットの従兄弟ティボルトにケンカを売られたロミオ。ロミオの代わりにケンカを買った親友マキューシオが、ティボルトに殺されます。そして、理性を失ったロミオはティボルトを殺してしまいます。ヴェローナ太公によって、ロミオはヴェローナから追放されてしまうのです。

月曜日の夜:
乳母は、ロミオに会いに行きます。いずれロミオが帰ってくることをジュリエットに伝えると約束し、ジュリエットから預かった指輪をロミオに渡します。そして、ジュリエットのもとにロミオは出発しました。

③火曜日

火曜日の夜明け前:
ジュリエットとロミオがバルコニーで会話。ロミオとジュリエットは、一夜を共にします。この日が、二人会話を交わす最後の日になります。

ジュリエットは、ロミオの追放に心乱れて悲嘆に暮れます。そのジュリエットを慰めようとキャピュレット夫妻は、パリスという名門貴族とジュリエットの結婚を決めます。

すでにロミオと夫婦の誓いをたてたジュリエットは、パリスとの結婚を断固として拒否します。両親はジュリエットの頑なな態度に腹を立て、勘当だと言い放ちます。

乳母も、追放されたロミオをあきらめてパリスと結婚するように、ジュリエットを諭します。それをジュリエットは、乳母の裏切りと取ります。ジュリエットは、乳母への信頼を完全に無くしてしまいます。ジュリエットの幸せを考えた乳母の好意が、裏目に出てしまいました。

ジュリエットは、事情を誰にも話すこともできず孤立して追い詰められます。そして、ロレンス親父にすがりつきます。ロレンス神父は、「仮死になる薬で死んだと思わせて霊廟に葬られ、目覚めた時に迎えに来たロミオと二人でヴェローナから脱出する」計画をジュリエットに提案します。

火曜日の夕方:
ジュリエット家では、木曜に実施されるハリスとジュリエットの結婚式の準備が着々と進めらています。

火曜日の夜:
恐怖に震えながらも、ジュリエットが夜に眠り薬を飲みます。

④水曜日

水曜日の朝:
ジュリエットの父母と乳母は、ジュリエットが死んでしまったと思い込み悲嘆にくれます。

⑤木曜日

木曜日の朝:
ロミオは、マントバでジュリエットの身の上の出来事を知ります。彼は、ジュリエットの傍に行って毒薬を飲んで死ぬことを決意します。そして薬屋で強力な毒薬を買い、マントバから約40km離れたヴェローナのジュリエットの元へ向かいます。

マントバとヴェローナの位置関係

木曜日の午後:
ロレンスの庵室に、ロミオに届けるはずの手紙を預かっている僧ジョンが現れます。同僚の僧が町の病人をお見舞いしたところ、ペスト患者に居合わせた濃厚接触者扱いとなってしまいます。検疫官が、ジョン達に一切の外出禁止命令を出してしまったのです。ロレンス神父がロミオに宛てた手紙は、未だロミオに届いていない状況となります。

眠った状態のジュリエットを死んだと勘違いしたロミオは、ジュリエットの側にいたパリスを殺してしまいます。ロミオは墓の中に死んだパリスを横たえると、自らが殺してしまったティボルトにも謝罪します。ロミオは最後にジュリエットを抱きしめて薬屋で手に入れた毒薬を飲み干して、ジュリエットにキスをして息絶えます。

眠りから醒めたジュリエットは、ロミオの死に気付き、ロミオの短剣で胸を刺して彼の側で息絶えます。

金曜日明け方

「誰が禁じても 決して終わらない」両家の争いは、禁止されるのではなく互いに許しあった時に終わります。キャピュレットとモンタギューは、直ちにお互い謝罪を交わして和解しました。

その方たち相互の憎しみの上に、どんな天罰が下されたか、また天は、その方たちの喜びたるべき子宝が、互いに相愛することによって、かえって互いに滅ぼし合うという、そうした手段(てだて)をとられることもわかったろう。
そして、わしもまた、その方たちの仲違いをつい見すごしていたために、身内を二人まで失ってしまった。われら一人残らず罰を受けたのだ。
ヴェローナ太公

「ロミオとジュリエット」に感化されて、たくさんの芸術家たちが、バレエや音楽に絵画などの作品を創り出しています。芸術って、本当に美しく感情に訴えかけてくれます…


⬜️「愛することは、許すこと」

こちらは、瀬戸内寂聴さんのお言葉です。わたくしにとって「許し」は、随分と難しい心理学テーマです。許せないからこそ、苦悩や問題が問題として存在する。そう頭で分かってはいても、「許す」ことは並大抵のことではありません。

物語の中では、ロミオとジュリエットの死を以ってして、ようやく周囲の大人たちは、憎しみ合う己の愚かさに気づいています。

自分自身の不完全さや未熟さを受け入れてこそ、相手の不完全さや未熟さも受け入れて許せるのかもしれません。自分自身を許すことが、先なのかなとも思います。許せないのならば、その自分自身も許すこと。

「許す」「許さない」も、各々の自由選択です。許さないと幸せになれない訳でもありません。ましてや「許し」は、強制ではありません。

ただ、「許す」とネガティブな感情がどんどん減って心が自由になります。わたくし自身の経験に基づく実感です。その対象に対して、様々な捉え方ができるようになります。わたくしは、様々な捉え方ができるようになるプロセス自体を「許し」と捉えています。

そして、その対象に捉われる時間が皆無に近くなればなるほど、「許し」は進んでいると思います。「どうでもよくなった」の心境です♪

みんなそれぞれに、それぞれの事情の中で、精一杯できる限りのことをしているのだなぁ…と。相手の事情に想いを馳せることもできます。相手に対して、愛おしさも湧いてきます。

そう思える自分自身に対しても、とても心が穏やかになれます。相手の事情に想いを馳せること、そんな自分自身をも愛おしく思うこと。これも「自己肯定感」の一つだと、わたくしは捉えています。

⬜️ジュリエットの変貌・コミットメント・愛し抜く覚悟

16歳のロミオと14歳目前のジュリエット。

当時中世ヨーロッパは、女性12歳・男性14歳から結婚が可能で、15歳で立派な成人とみなされていました。物語序盤のロミオは、恋に恋する状態でした。

可憐で純真無垢なジュリエットは、ロミオと出逢ってたった2日足らずでロミオを結婚相手として「選ぶ」決断を行います。

親の言いなりの政略結婚が当たり前の時代、自らの意志で結婚相手としてロミオを「選び取る」強さ。純真無垢な少女が、大人の女性になる覚悟を決めます。

そして、ジュリエットは、ロミオに対して「どうして欲しいか」をちゃんと伝え続けています。どうしてもらえたら嬉しいか、どうしてもらえたら悲しいか。ジュリエットは、そこもロミオに伝え続けています。

ジュリエットの「ロミオを愛し抜く覚悟」は、ロミオの彼女への本気の想いと覚悟を引き出しています。

両親や乳母の反対を押し切って、ロミオと最後まで添い遂げるために、恐怖心を振り払い睡眠薬を飲む決断と勇気。ジュリエットは、様々な「怖れ」を腹を括りつづけることで乗り越えています。何度も何度も、決め続けています。

「決めた」瞬間から、ジュリエットは「いかなる束縛からも自由」になっています。恋愛・パートナーシップにおけるコミットメントでは、次のことが大切だと言われています。(わたくし自身未知の世界ゆえ、説得力欠けます…)

✔︎彼・彼女からの愛を受け取ること
ジュリエットは、ロミオの愛を最大限に受けとっています。

✔︎彼・彼女との幸せなビジョンを描くこと
ジュリエットは、ロミオとヴェローナを脱出して幸せに暮らすことを描いています。

✔︎彼・彼女を信頼すること
ジュリエットは、ロミオが自分を迎えに来てくれること、永遠に愛し続けてくれることを信頼しています。

パートナーシップであれば「彼・彼女と幸せになる」と腹を括ること。
ライフワークであれば「その夢は実現する」と腹を括ること。ライフワークに置き換えると、こんな感じになるのでしょうか。

✔︎周囲からの愛を受け取ること

✔︎自分自身の才能を受け取ること

✔︎自分自身と周囲の幸せなビジョンを描くこと。与える意識。

✔︎自分自身を信じること。信頼すること

そして、周囲からの応援をうけとることも、コミットメントにおいて大切になってきます。

ロミオとジュリエットは、最初は乳母も味方でした。最後は、ロレンス神父が唯一の味方となっています。そのような極限の状況下でも、ロミオを愛し抜くジュリエット。わたくしは、そんなジュリエットが最強の強者に思えてなりません。

自分の幸せや成功を応援して願ってくれる人達。その存在に気づくこと。そして、その人たちの思いを受け取り、感じながら進むこともコミットメントを後押ししてくれます。

わたくし、いつも思います… こうやって綴っている内容は、自分自身にブーメランとなって返ってくるということを。

随分と長文になってしまいましたが、次回は心理学用語を交えて「ロミオとジュリエット」をご紹介したいと思います。物語の「情緒」「情景」が吹っ飛びそうな内容になりそうです笑笑。

ブーケ・セラピー当日は、さまざまな登場人物に想いを馳せながら思う存分にオリジナルのブーケを束ねていただければと嬉しいです。わたくしも、ご参加いただく皆さまと目一杯楽しんでまいります。

詳細お申込はこちらから🤍

長文お読みいただきありがとうございます。
咲凛さと

『参考文献』