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【読書記録】書いて生きていく プロ文章論

世の中には2種類の人間がいます。
そう。読んだ本の内容を「覚えている」人間と、「すぐに忘れてしまう」人間ですね。
私は後者です。3日前に読んだ本のあらすじを説明できないタイプ。

昔から読書は好きだけれど、何も身についていない事実からは逃げていました。
知識を自分のものにするために、読書記録を始めます。

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記念すべき第1回目は、3月末に通勤時間を使ってちまちま読み進めていたこの本をご紹介します。

書いて生きていく プロ文章論 / 上阪徹

シーライクスのライターコースを受講された方は、見覚えがあるのではないでしょうか?
講師の山越栞さんのおすすめ本です。私はその場で動画を止めて、メルカリでポチりました。謎の行動力!

目的

強いて言うなら、自分の文章に自信を持てるようになること。
右も左も分からない状態でアウトプット量を増やそうとしていたので、とにかく多くのプロの方のノウハウを吸収したかったのです。

気づき① 形容詞の多用はNG

形容詞は使わない。数字や事実を意識する。それだけで文章は変わっていきます。(P51)
形容する言葉を使わないというのは、つもり具体的な内容を挙げる、ということです。(P50)

ハッとさせられました。心当たりがありすぎる。形容詞って便利ですよね。

たとえば、先ほど「目的」の見出し。下書きの時点では、「うまい文章を書けるようになること」を目的に挙げていました。
読み返したときに違和感を覚えたんです。うまいってなんだ?と。
慌てて書き換えました。

どれだけ読み手目線で書いていても、形容詞を使うときは無意識に主観的になってしまう。そのことに気づけたのが大収穫だなと!

数字や事実も、説得力のある文章には不可欠だそう。P51を参考に、具体例を考えてみました。

× おいしいハンバーグ屋
○ 4時間待ちが当たり前のハンバーグ屋
○ テレビや雑誌で何度も紹介されまくりのハンバーグ屋

静岡あたりにあるハンバーグ屋ですね。下2つからの方が、この店を連想しやすいはず。数字と事実はやっぱり強い。

気づき② 「世間相場」を知るライターは強い

どういう文章が、どういう内容が読み手にとって興味を持ってもらえるのかをイメージするとき、そこには「相場観」というものが必要になるのです。(P62)

この本の中で最大のキーワードだと感じたのが、「相場観」。読み手の人物像・レベル感を具体的に想像する力のことだと解釈しました。

あまりにやさしく書きすぎてしまうと、読み手はバカにされているのか、と思ってしまうのです。逆に、難解な用語がひとつでも多くなれば読者は読み進めてくれない。(P64)

これこそが、「相場観」を意識した考え方です。

生命保険の代理店営業をしていますが、研修を担当するときに意識していることと同じだと感じました。
相手が新人なら、基本的なところから。ベテランなら、資料に載っていることは最低限にして、マニアックな情報をメインに。
入社2年目の私は正直、この程度の使い分けしかできていません。
一方で、営業成績トップの先輩は、レベル感を何段階にも分けて定めている様に見えます。より適切なアプローチができるので、数字が伸びるのは当たり前ですね。見習わなければ。

ライターも営業マンも意識すべきことは同じだと気づかされました。
文章力向上のために買った本から、仕事につながる知見を得られるとは!なんだか得した気分になりました。

気づき③ 大切なのは、感謝の気持ち

筆者はP131とP289でそれぞれ、「取材相手への感謝」と「仕事をいただけることへの感謝」を述べています。

感謝の気持ちを持って接することで、取材相手や編集者から信頼を得られます。そして、積み重なった信頼が次の仕事を運んでくる。
一つ一つの仕事に感謝できると、幸せなサイクルが生まれるんですね。

ライターにもっとも必要なスキルは文章力だと思っていましたが、大前提として信頼があってこそですね。

総評

全編を通して、筆者の心得には大きな土台があると感じました。それが、徹底的に相手の立場に立つこと。
文章以外にも言えることだと思います。たとえば、仕事、恋愛、人間関係……もしかして、世の中のすべてに言えるのでは。

文章が書けずに悩んでいる人だけでなく、「最近すべてがうまくいっていない気がする」とモヤモヤを抱えている人にもプラスになる本だと感じました!

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