ニューボーンプロジェクト
私たち秋庭夫婦が、茨城県古河市にUターンし農業を始めた時、一番最初に取り組んだこと。
妻ヒロコさんの居場所を作ったことでした。
「農家を継ぐお嫁さん」とは、朝から晩まで畑仕事、泥んこまみれの汚れて汗臭い農家の世話人役のイメージ まして、うちは50年前の古いトタンの家 趣のある古民家なら聞こえがいいが、それとは程遠く農業資材が煩雑になってゴミなのか分からない状態で、とにかく片付けが行き届いていない実家だった。実家がずっと恥ずかしかった。それでも「いい」と言ってくれた妻に力をもらっていた。
結婚前は、台東区蔵前のデザイナーズシェアハウスに住んでいたので、まさかのギャップで、まずは農業より「子育てしやすい空間」を、女性がいてもときめく場所が優先でした。 30年前の資材や50年前の家具を片付けつつ、お洒落にする為「ビニールハウス」をカフェにするリノベーション【ニューボーンプロジェクト】(人の手で生まれ変わる暮らし)を開催した!
そこにアドバイザーとして来てくれたのが、「空間デザイナー」Sさん 同じ茨城県出身で、華道も通じている女性の方が、まさか私たち夫婦の結婚式の時のアレンジメント担当だったお陰でリノベーションする事ができました。 そしてそのプロジェクトを知って、集まって来たのが、中央大学、早稲田大学の学生たちでとにかくみんな素直に協力してくれた。
まさか、妻の居場所を作りたいと叫ぶと、デザイナーの先生や大学生達が集まって来たなんて、今振り返ると本当に「引き寄せ」の驚異的なパワーを放っていたかのように思う。
なぜそこにみんなが集まったのか? 多分その時、さまざまな農業や田舎スタイルをみんなで模索していたと思う。若者(大学生、社会人)など皆、都会で暮らしながら地方の身内がいない「ふるさと難民」が多く、リアルな農家との交流の場を求めており、より血の通った繋がりと"食べる・生きる"ことの意味を探していた。NIPPON TABERU TIMES(通称食べタイ)のメンバーは、多分20名くらい来てくれたと思います。 みんな大学を卒業したのでどうしているかな? また、会えたら嬉しい!
食べタイが書いてくれた記事:ライター松本華
https://note.com/taberutimes/n/n3b31bb6fa1d5
冬の強風に飛ばされる ナスの枝が「鹿の角みたいでかっこいい」とデザイナーさんが集めて、それをしめ縄で編んで、他の針葉樹でもアレンジメントしてくれた。全部が自然の造形だとまとまり過ぎてしまうので、そこにアイアン小物や布やランプやなど人工物を加えるとインパクトのある【シンボルリース】が出来上がった。
私にとっては、早く燃やしてしまいたい厄介者のナスの枝が、デザイナーさんのお陰で「息を吹き返す」 もう一度生まれ変わるという概念を教わった。 本来の百姓は、そう言った生活の器用さの上に成り立っていたのではないかと、現代の消費活動に慣れきってしまった私たち世代からすると、多角的に見る視野を教えてもらえた。
常に前向き、むしろ「振り返らず」自分の価値観やイマジネーションのまま形作る妻ヒロコのハーブ園作りがこうして始まりました。
明らかに、直感を頼りに突き進みながらも成功するパターンの人ですw
ありがたい限りです。
「お金をかけず、アイデアとデザイン性で」をテーマに夢を語って始めた秋庭農園でした。
とにかく、メッセージを描いていた。自分に向けて、そして愛する人たちに
自分たちの描く 農園に集まる女性たち の未来像を描き、みな生まれ変わっていく。 2016年、秋庭農園とヒロコハーブスのスタート地点でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?