ロートル記者の就活日記 #2
一次合格、面接試験へ
果たして、A市の市史編さん専門員の第一次採用試験は合格だった。2月14日に市のホームページ上で発表があり、一緒に受験したもう一人の若い女性も通過していた。出題されたA市の地理についてウィキペディアを一瞥した程度の生半可な知識しかなく、二大河川が貫流する市域の防災に対する素人考えを記すなどして答案を水増ししたため、不合格を覚悟していたが、ひとまず胸をなで下ろす。二つの自治体で4冊の震災記録誌を編さんした職務経歴が加点の対象になったのかもしれない。
第二次試験の個人面接は6日後の20日。面接官は担当課の課長や教育長、副市長クラスだろうか。特に対策らしいものはなく、記者・編集者としてのキャリアや岩手の被災地での経験、記録することによって公に奉仕する意気込みなどを愚直にアピールするしかない。
晴れて合格すれば採用は4月1日。勤務先の市史編さん室は、自宅のあるE市から一般道を使うと通勤に1時間半ほどかかってしんどい上、減収が見込まれて今の家賃を払うのが厳しい状況になるので、編さん室が位置するF地区のアパートをネットで物色し始める。この期に及んで不合格だと就活はまた振り出しに戻ることになり、さすがに気が滅入りそうだ。
ロートル記者の、明日はどっちだ。
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