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ドキュメンタリー映画「マリウポリ 7日間の記録」

今日は「マリウポリ 7日間の記録」を観るため、渋谷駅近くにある映画館「シアター・イメージフォーラム」へ。

この作品はロシア侵攻により戦地となってしまったウクライナの人々を映し出したドキュメンタリー映画。

この映画監督は2022年3月末に現地での撮影時に殺害されてしまい、その婚約者が助監督として遺志を継いで作品を完成させたもの。

作品が映し出していたのは、破壊される場面や凄惨な光景ではなく、そこに生きる人々の姿。

ナレーションや解説もなく、現地の人々の会話などが入っているだけで、淡々とした作風で長回しも多用されている。

だから、まるで現地の人々と同じ時間軸で一緒に過ごし、戦時下の生活を経験しているような感覚になった。

上映時間は約2時間、ニュースで流れるような一瞬を切り取った写真や短い映像からは伝わらない、現地の人々の日常が伝わってくる作品でした。

 

スクリーンにはロシアからの砲弾で瓦礫の山になった家々、粉々になった建物やガラスが散らばる道、遠くには砲撃で上がった炎と町を舐めるように流れていく雲海のような煙が映っていた。

撮影ベース地である教会地下の部屋には、子供や老人を含む避難民おおよそ20~30人くらいが身を潜め、食事をしたり寝泊まりしていた。

上映開始時は砲撃音が鳴り響くと体がビクッと反応し、次は近くに落ちるのか遠くに落ちるのか・・・と砲撃に身構えていた。

でも時間がたつにつれ砲撃音に慣れてきた。

現地の人々はというと建物の外で砲撃音を聞きながら、タバコを吸ったり、冗談を交えながら会話したり、焚火で大きな鍋に皆のためにスープを作ったりしている。

まるで砲撃音は日常の雑音の一部やBGMであるかのよう。

いつ死ぬかもわからない恐怖に常に支配されている事に間違いないけれど、私たちと同じような生活を送っていた。

 

今回、プロデューサーであるナディア・トリンチェフさんが緊急来日して公開初日の舞台挨拶をして下さって、そのなかで最初は砲撃が恐怖なのに次第に慣れてしまうというような事を仰ってた。

実際に戦争下で自分がそのように慣れるのかは分からないけど、非現実のような日常を映画から経験できた気がした。

また、トリンチェフさんは客席への締めくくりのメッセージで「スープを作るシーンのように、他人との繋がり、他人を気遣ったりすることが、平和への糸口となるはず」というような事を仰っていた。

戦争・侵攻はまだまだ本当に身近なものではないし、人によってはまるでゲーム映像のように映っているかもしれない。

このドキュメンタリー映画は多くの人に見てもらいたいと思った。

 

終盤に鳥が飛んでくるんだけど、その1羽は平和の象徴のような真っ白な鳩だった。

 

争わない事がなぜこれほど難しいのか‥

どうか平和へ進んで欲しい。

それではまた☆彡

※上映後の舞台挨拶の撮影や拡散OKとの事でUPしています。

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