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FORZA!ITALIA ! ! ==素晴らしき握手文化! 嗚呼、これが仇に !! ==

新型コロナウイルス感染拡大について、
日本は人との距離感が遠いから
感染者数が少ないのではないか・・・

と諸外国から言われています。

例えば挨拶

日本人は人に会うとお辞儀をします。
お互い上半身を前に傾けるので、
大体2m位でしょうか。
確かに離れています。

ところ が海外の挨拶を見てみると
いろいろな形があるとは思いますが
思いつく代表的なものはというと
握手、ハグ、チークキス、キス。

まさに濃厚接触!!
オマケに欧米ではマスクをする習慣が
ありません。
これでは感染が広まってしまう!!

しかーし!!
私がイタリアで体験した挨拶は、
人と人とが繋がるキッカケにもなる
とても素晴らしい文化でした。
新型コロナウイルス感染があったからと
いって、決してその習慣を無くさないで
欲しい・・・それが私の実感でした。

そこで今回は、イタリアの挨拶について
書いてみたいと思います。

«前置き»
1997~2002年まで、私はイタリアで
様々な料理を取材してきました。
料理の取材といっても、観光地にある
有名なレストランの豪華な料理ではなく、
小さな町の一般家庭。
その家のマンマ(奥さん)が作る家庭料理が
ほとんどでした。

そして、そこでは、ごく普通の日常生活を
送っている沢山の人と出会いがありました。

これから書くことは、この経験を踏まえ
私が、実際に見て、聞いて、感じた、
私独自の視点から考えたものです。
宜しければお読みください。

小さな街を訪れ、取材先のお宅に伺うと、
決まってどこの家でも、わざわざ遠い
日本から仕事でやってきた一行を、
家族そろって大歓迎してくれます。
場所によっては、日本のテレビが来る事が
すでに街中に知れ渡っていて、地方新聞の
取材が来たりもしました。

家に入ると、その家の主人に握手を求められ
ガッチリ握手。
挨拶の始まりです。

次に奥さんが現れ、挨拶と握手。
そして次は息子さんに挨拶と握手。
またまた次は、娘さんに。
そして隣人に、友人に・・・・
5人いれば5人に。10人いれば10人に。
ともかくイタリアの出会いのシーンは、
挨拶と握手で始まる。
それがこの国のしきたりでした。

イタリアでは、この習慣が徹底されて
いて最初の頃はビックリします。
バール(イタリア流喫茶店)でも
レストランでも、握手こそしないものの、
お客は必ず
ボンジョルノ(こんにちは)」と
一声店の人に声をかけて入っていきます。
そして帰る時も、
アリベデルチ(さようなら)」と
一声かけて店を出ます。
始めて入る店でも、どんな場所でも、
どんな時でも出会いの始めは挨拶から
というのがイタリアなのです。

例えば、日本でお蕎麦屋さんに入った時、
お店の人が「いらっしゃい」と出迎えても、
「こんにちは」と応えるでしょうか?
応えていたとしたら常連さんでしょう。

また、たくさんの人に出会った時、
その一人一人に挨拶をするでしょうか。
日本では、「始めまして」とひとこと言う
ものの、それは全員に対しての言葉で
1回だけで済ませてしまうことが多いに
違いありません。

イタリアでは、この挨拶と握手の出会いが
あれば、後は友達感覚で話が始まり、
親しいコミュニケーションが始まります。
バールでもレストランでも、
見ず知らずの人が気軽に話をしているのも、
よくある風景のひとつなのです。

私が思うに、この挨拶と握手があってこそ、
気さくで親しみ易い、陽気なイタリア人が
存在する
のでしょう。

それから、挨拶の握手にはもうひとつ
意味があるといいます。

昔から言われていることではありますが
ヨーロッパなどで互いに侵略し合う戦いの
歴史の中、利き手で握手するという事は、
「自分は武器を持っていない」
と言う意味が込められているのです。
握手をすることが、「私は貴方の味方です」
と知らせる証だったのです。
握手そのものが、心を開くキッカケになって
いたのだと思います。

もちろんお別れの時も挨拶と握手の嵐です。

場合によっては20人近くの人がいて、
あちこちで次から次へと握手大会が始まる
様子は、日本人から見ると不思議な感じ
でもあり、また微笑ましくもあります。
当初は、ちょっと照れ気味に挨拶していた
私も、回数を重ねる毎にすっかり慣れて
しまいました 。


さて、こんな国だから、
イタリア語を話せない私でも
挨拶くらいはできるようになりました。
そこで、ちょっとだけイタリアでの
挨拶の仕方
を伝授したいと思います。

挨拶の言葉は、その時間と状況によって
少しずつ変わります。
これは、日本で「おはよう」「こんにちは」
「こんばんは」と変わるのと似ています。
一日の午前から夕方にかけては
「Buongiorno(ボンジョルノ)」
「おはよう」と昼間の「こんにちは」を
兼ねて使います。
夕方から夜にかけては
「Buonasera(ボナセラ)」
夕方版「こんにちは」と「こんばんわ」を
兼ねています。
寝る前には
「Buona notte(ボナノッテ)」
「おやすみなさい」という意味です。
時々、「Buongiorno」と「Buonasera」の
どっちを使うか迷うこともありますが、
そんな時は、挨拶の時相手が言うのを
待ってから相手に合わせれば問題なし。

因みに「Buon」は「良い」
「giorno」は「一日」
「sera」は「夕方」
「notte」は「夜」
という意味。
つまり、挨拶は、それぞれ
「良い一日を!」「良い夕暮れを!」
「良い夜を!」と言っていると思えば
覚えやすいかもしれませんね。

もう少しレベルを上げて

初めて会う時は
Buongiorno.Piacere
(ブォンジョルノ・ピアチェーレ)」
これは、「こんにちは、始めまして」
という意味。
北イタリアの人やビジネスマンの人は
「ピアチェーレ」という言葉を使いますが
それ以外は、余り使わないようです。
もし相手に「ピアチェーレ」と言われたら、
Piacere mio.(ピアチェーレ・ミオ)」
(こちらこそ始めまして)と言うと
丁寧に挨拶を返した事になります。

挨拶に便利な言葉は、
Ciao(チャオ)」という言葉。
時を選ばず一日いつでも「Ciao」でOK
本来は親しい人にかける言葉ですが、
日本人なら「Ciao」で充分。
返って「Ciao」と言った方が親しみを
持ってくれていると思うかもしれません。
親しくなった時の挨拶には「Salve
(サルベ)」という言葉もあるようです。

このようなイタリア語の挨拶の言葉は、
出会いの時も別れの時も使え、
「Buongiorno」
「Buonasera」
「Buona notte」
「Ciao」
時と状況によって使い分けます。

「さようなら」は
挨拶の言葉を使っても良いですが、「Arrivederci(アリベデルチ)」という
言葉を私は使っていました。
何故なら、お別れの時どうしても頭の中に
「さようなら」の言葉が浮かんでしまった
からです。
「こんにちは」の言葉を別れでも使うのに
抵抗があったのでしょう。
そこで私は、
「Ciao arrivederci !」とか
「Arrivederci Ciao !」とか
まあ、その場の雰囲気と勢いで言って
済ませてました。 (´・∀・`)ハハハ…

困るのは、たくさんの人と会った時に
挨拶をする場合です。
私の経験では、皆がそれぞれ次々と違った
言葉で挨拶をしてくる
ケースがほとんど
だったのです。
まずは「ボンジョルノ」
そして次の人は「チャオ」
そして次が「サルベ」などなど。
どう返していいか分からないまま迷って
いると、最後の方は挨拶の言葉ではない
何かを言っています。
結局こちらは、ただただ「ボンジョルノ」を
繰り返していましたが、後で分かったのは
彼らが言っていたのは、実は、自分の名前
握手をしながら
「キエーザ」とか「アンジェロ」とか、
挨拶の言葉の代わりに自己紹介していた
のです。
(そんなに次々と言われても、一度に沢山
覚えられるものでもないんですけどね・・・)
おかげで、挨拶の言葉の中に自分の名前
入れても良いということが分かりました。

兎にも角にも、挨拶の言葉を覚え、
困った時には自分の名前を言って握手する。
そうすれば、
イタリア人とのコミュニケーションは
スムーズに、失礼なく始まるはずなのです。

素晴らしき握手文化!

新型コロナなんてぶっとばせ!!

そして古き良き伝統はいついつまでも
続けていって欲しいものです。

さて、次回は・・・

イタリアならでは・・・
あの?食材についてお話します。

continua alla prossima volta
(次回に続く)

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