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自由な社風の落とし穴

つい先日、大学3回生の若者(男性)と就活について
相談にのるという機会があった。

非常に礼儀正しく、挨拶もしっかりとされていて
私は月並みながら「しっかりとした子やなぁ~」と自分が
同い年だったころを思い出しながら感心した。

まず、一通り自己紹介や彼自身がどのような学部で学び
どんな大学生活を送ってきたのかなどの話をしてもらう。

その後、どんな会社や業種に進みたいのか、
具体的なイメージはすでにありますか?と質問を投げかけてみた。

彼はいくつか会社名を上げ、すでにこの夏にインターンも
経験したところもあるそうだ。

ここまで自分で考えてくれているのなら、話もしやすいなと
思っていたが、志望動機でひとつ気掛かりな点があった。

「自由な社風らしくてすごく働きやすいと思って」


彼の志望動機のひとつである『自由な社風』
確かに、素晴らしい言葉であり社風と言える。

一人一人が組織や人間関係に縛られる事なく、自由に発言し
自由に交流し、個人個人が尊重された開放的なイメージを受けるだろう。

しかし、『自由』という言葉の裏にある
コンテキスト、文脈を読み取って就職しなければ
きっと失敗すると思います
、と
私は彼にアドバイスをさせていただいた。

『自由な社風』とは、
『自由』の範囲で、自分で考え、行動し、自立した
社員達が優れた(正しい)アウトプットを
出すからこそ許される
ものだと私は考えている。

それはつまり、
自己管理が出来、自ら行動し、
自分で何が必要かを思考し導きだし、
時にはやりたくない事やわからない事が必要となった場合は
勉強して成長しながら組織や顧客が満足するアウトプット(成果)を
自ら出せる人間達が集まるからこそ『自由な社風』が成り立つのである。

自由な社風だから好きなことだけが出来るだろう、何にも縛られずに
伸び伸びと働けそうだから、何をしても良いなどという
『自由に甘える』思考では絶対に会社にも迷惑がかかる。


幸いなことに、彼はそのような甘えた考えではなく
この会社に入ったら自分がどのように貢献できるのか、
今の自分のスキルレベルを理解した上で、今後どのような部分を伸ばすか、
という自己分析もちゃんとできている子だったので
私は安心して背中を押すことが出来た。

彼と話をした後にフィードバックレポートを書く際、
改めて私は『自由』の裏にあるコンテキストを考える重要性を再認識した。

自由とはつまり、
『自分の意志で行動や決断が出来ること』である。
ともすれば、
『自分の意志で行動や決断をしなければならない』とも表現が出来る。
そして、その結果や責任は自分が負わなければならない。

自由には責任が伴う、と漫画なのか、ドラマなのか定かではないが
聞いたことがあるがまさしくその通りだ。

私が今回話をさせていただいた子は、この話を即座に理解してくれたが
今後就活を行う方には理解していただきたい。

自由・自立といった言葉には『自』という感じが含まれる。
誰かに何かを強制されたり、必要以上にルールに縛られたり
部署ごとの軋轢といった余計なしがらみは無い職場かも知れない。
しかし、『自ら』考え、行動し、成長し、アウトプットを
出すことが前提で成り立っているのであると。

自由・自立という言葉の表層を見るのではなく、その裏側にまで
是非、意識を向けて選択してほしい。

ぐでたろうでした、では、また。





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