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グループワークで大事なのは「紡ぐ力」。

円滑に動くグループを作るために重要なのは、そのグループを作るに至るプロセスはもとより、そのメンバーが持つ会話を「紡ぐ力」が重要なのではないか、と言うお話です。

授業でも、他の仕事でも、複数人で1つのことを成す、いわゆるグループワークというスタイルの場を運営することが多いのですが、どんなに段取り良く用意周到に準備をしてみても、活性化しないグループというのが少なからず出てきます。これ、先生方はあるあるじゃないでしょうか。

そんな時、考えるのは雰囲気が良くないのかな?まずは対話しやすい和らいだ雰囲気を作るためにアイスブレイクをしよう!となります(だけど、ここで「アイスブレイク」という単語を使うことにより、かえって”アイシング”を促すことになる…という話はまた今度)。アイスブレイクをやること自体は間違っていません。むしろ大事なことです。

さぁ、アイスブレイクも行って雰囲気もなんとなく柔らかくなった!グループ決めも納得?しぶしぶ?でもなんとかできて、グループでの話し合いもできるかな?と思いきや沈黙が流れるテーブルが……(このグループ分けのプロセスもこのアイシンググループを生み出す一つの要因になることもあるのですが、ここで触れるとまた長くなってしまうので、また次の機会に)。

そんな時、どうしたんだろう、大丈夫かなぁと心配になってテーブルの横に行って、会話を促すためにあれこれしちゃいがち。僕も先日同じようなケースがありました。

だけど、あえて、ここは少し待って観察してみました。
この「信じて待つ」という選択(覚悟?)も対話の場を運営する人にとっては大事なことだと思います。

観察した結果、そのテーブルでどんなシーンが繰り広げられていたかというと、最初頑張って第一声をあげる子はいるのです。なんとか会話をしようとして、アクションを起こす子はいるのです。だけどその「次」がつながらない。多少なりともその発言に対してコメントがあれば良い方で、相槌すらなく目も合わせない。さすがにそれではこの第一声をあげた子がかわいそうなので仲介に入りましたけど。

会話というものは、発言したことを誰かが受け取ってくれて初めて成立します。最初に続く人の重要性は計り知れない。

話はそれますが……
Derek Siversが「社会運動はどうやって起こすか」のTED Talkの中で”1st Follower"の重要性を語っていましたが、その話につながることが多いと感じます。

この、誰かの発言を受け取り次につなげるのが「紡ぐ力」です。

グループワークで活動がうまくいかないグループが出てしまう理由は、これが要因なのでは……。なので、グループを作るためのワークを色々と考えるのももちろんですが、この「紡ぐ力」を養うことにも注力をするべきなのではないでしょうか。

えー、またなんとか能力かよー。という声が聞こえてきそうですが、この能力、そんな大それたものではないので、ちょっとだけでも意識させることができたら、グループでの行動が改善するのではないかと考えます。

じゃあどうやって意識させるか、ですが、もちろんワークとかをやって体験を通して理解させるのも必要にはなってきますが、まず、そもそも、なんでこの力が大事なのかを理解させる必要があります。このそもそもをおろそかにする人が結構いる(苦笑)

僕はだいたいこういった話をする際に「みんなも経験として感じたことあると思うけど〜」という言葉を使います。なぜなら一番理解しやすいのは自分の経験則だからです。
この言葉を使って話した時の学生たちの表情を見るに「あーそう言われたらそうかもなー」的な、腑に落ちる感覚を汲み取ることができています。
これらを導入として、自分の経験に紐付けさせた上で、例えば傾聴力のワークとか視線のワークとかをやってみたりすると効果的かもしれませんね。

対話の場を円滑に動かすのは本当に本当に難しいです。これをやれば絶対に大丈夫!という「答え」はありませんからね。
その「場」で感じたことを大切に、こうしたらもっと良くなるんじゃないかな?と、試行錯誤しながら、臨機応変に試してみることが大事です。現場の苦労は計り知れません。色々大変ですが、一緒に頑張っていきましょう。

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