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「オンライン授業で画面ONじゃなくていいよ」をやめて欲しい理由

こんばんは。佐藤です。

8月ですね。梅雨も明けましたね(やっと)!色々(本当に)あった前期授業も締めくくりの時期になってきました(あ、1校だけスタート遅れの影響で9月まであるんだった……)。

今期はZoomやTeamsを使ったリアルタイムのオンライン授業が大半を占めました。各校、各現場、色々な制約条件の中、全国の先生たちも同じ状況だったと思います。

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そんな中、どことは明記しませんが、「これだけはどうしても解せない」というルールを聞きました。それは「オンライン授業においては顔出しは基本しなくて良い」というものです。しかも全学的なルールとして発信してしまっているところがあって。

いやーこれにはびっくりしました。

各授業において、対面の要素が不必要なら、その授業担当の先生の判断で、顔出しはしなくて良いとするならわかります。知識伝達の一方通行授業であれば、無理やり顔出しする必要はありませんし。まぁそれ以前にリアルタイムにする必要ありませんけど。

でも、昨今はどこの教育機関でもアクティブ・ラーニングを推進しようという目標を立てているはず。他者との対話や話し合ったことなどの発表を授業要素として盛り込むように指示がある中でこのルールはいかがなものかと思います。

皆さんも経験あると思いますが、相手の顔が見えないだけで、かなりコミュニケーションのハードルは上がります。技術的にそれがとてつもなく難しいのならまだしも、クリックするだけで、画面ONになってコミュニケーションしやすくなるのに、なぜそれを封じるのか。

ノンバーバルコミュニケーションの大切さを学ぶ授業じゃなし、なぜ、あえて高度なコミュニケーションを取らざるを得ないようにするのか、全くわかりません。

もちろん、いろんな理由があるのはわかっています。画面ONにすると通信容量が大きくなって利用料がかかってしまうとか、家の中というプライベート空間が映ってしまうとかのナイーブな問題は山のように出てきます。

しかし、前者だとすればモバイルWi-Fiの貸し出しをしたりして学ぶためのWi-Fi環境の整備をしてあげるべきだし、後者に至ってはバーチャル背景を使うだけでクリアします。機能的に使えないなら壁際で受けることで後ろに何かが映るのを防ぐことができます。そもそも家族が映ったって大した問題じゃありません(少なくとも僕はまったく気にしません、むしろ一緒に授業受けてもいいですよ笑)

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そして何より、授業を進める上では学生たちの表情や仕草を見ながらでないと適切に運営することができません。ちゃんと伝わってるかなーとか、集中できてるかなーとか、表情や反応を見ることで学生たちの理解に沿って進められるわけです。

ファシリテーションの経験をお持ちの方は、ニュアンスが伝わりやすいと思いますが、アクティブ・ラーニング型の双方向授業を運営する際は、場をファシリテートすることで授業を進めていきます。そのためには場の雰囲気を感じとり、それによって次の一手を生み出すようしていきます。オンラインの場合は雰囲気を感じることができないので学生の「反応」でしか、その雰囲気を掴むことができません。

つまり、顔出しNGは、授業パフォーマンスを低くすることにしかならず、学びを受け取る側の学生にとってもマイナス影響になってしまいます。

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後期もオンラインでの実施がまだまだ続く気配です。
ぜひ後期は「もっと学生のことを見て」授業しましょう。


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