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職務経歴書の書き方で転職成功の8割が決まる(その3)

私はインテリジェンス(現パーソルキャリア)で人材紹介事業部のリクルーティングアドバイザーとして1万人以上の職務経歴書を読んで、その中で内定を獲得する確率が非常に高い人たちがいることに気付きました。

【内定確率の高い人の共通項】
「転職理由」「志望動機」「自己PR」に一貫性がある。
「転職理由」「志望動機」「自己PR」すべてに「自分が過去に経験した出来事」と「その出来事に紐づく考え」がエピソードとして語られている。

職務経歴書の中に上記2つの要素が入っている人たちでした。
私はこの「転職理由」「志望動機」「自己PR」に一貫性があることを「転職のストーリー」と呼んでいました。

(参照)職務経歴書の書き方で転職成功の8割が決まる(その1)
(参照)職務経歴書の書き方で転職成功の8割が決まる(その2)

今回は2つ目の『「転職理由」「志望動機」「自己PR」すべてに「自分が過去に経験した出来事」と「その出来事に紐づく考え」がエピソードとして語られている』について説明します。

最初に理解しないといけないことは、自分が経験したことは「出来事」「考えたこと」の2つに分けられるということです。

「出来事」とは、その時に実際起こったこと

図1

「〇〇大学に入学した」「〇〇会社に就職した」「営業として売上を達成した」「勉強した」「本を読んだ」「旅をして〇〇を見た」といったことは全て出来事になります。(「動き」や「行動」を表すものです)

「考えたこと」とは、その「出来事」が起こった時に頭の中に浮かんだ思考のこと

図2

「(勉強を通じて)社会の仕組みに疑問を感じた」「もっと効率的な仕事の仕方があるのではないかと考えた」「人から感謝されて『自分も誰かの役に立てるんだ』と気づいた」「友人から指摘されて初めて自分の欠点に気付いた」「自分が本当にやりたいことはこれなんだと分かった」「もっと社会を良くするためには必要なことが分かった」といったような、自分が何か出来事が起こった時に、実際に頭の中で考えたことになります。

私は、この「出来事」と「考えたこと」をセットで話すことを「自分エピソード」と呼んでいました。この「自分エピソード」は「転職のストーリー」を裏付ける「根拠」になります。

「自分エピソード」で説得力を上げる

この根拠がないとどんなに「転職のストーリー」を上手に言えたとしても、聞いている人事は「なんでそう考えたの?」という疑問が残ります。
その疑問に答えるために過去の「出来事」と「考えたこと」をセットで話すことで説得力が増すというわけです。
(さらに、その出来事が人生でインパクトがあった内容であればあるほど「確かにそんな経験すれば、そう考えるようになったのもうなづける」と相手に思わせることが可能です)

そして、この「転職のストーリー」と「自分エピソード」をセットで話せるようになると、人事はその人の話している内容を論破できなくなります

もちろん矛盾だらけの「転職のストーリー」だったり、関係ない「自分エピソード」だったら突っ込みどころ満載になってしまいますが、そうではなく辻褄が合っている内容の場合は、その人の「事実」に基づいた話しなので聞いている人は否定することができなくなります。

もし同じ技量を持っている方であれば、間違いなく「転職のストーリー」を持っている方が採用されるし、たとえ学歴や経歴で差があったとしても人物評価の比重が高い企業では逆転することは十分可能です

転職希望者の上位5%に入る

私はこの「転職のストーリー」と「自分エピソード」を簡潔に職務経歴書にまとめて書いている人たちが100人に3~4人の割合で存在していることに気付きました。そしてこの人たちはどこの企業を受けても高い確率で内定を獲得していました。

この書き方ができるかどうかは学歴とはあまり関係なく

「相手が自分のことをちゃんと分かるためには何を伝えたら良いだろう?」
「どんな話なら自分が真剣であることが伝わるだろう?」

ということを考えている人たちだと思います。つまり面接官である相手のことまで考えているのです。

のちに私はこの内容をまとめて転職の個人コンサルの仕事をしたのですが、約20人の方をコンサルしてほぼすべての方の転職を成功させることができました。(中には50社応募して書類通過が2件(内定0件)だった女性が10社応募して6社書類通過し4社から内定を獲得して私も驚きました(笑))

こうして私はリクルーティングアドバイザーとして実績を積んでいきました。

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