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「生体防衛反応」と「環境適応反応」

人間には「生体防衛反応」「環境適応反応」というものがあります。
人間に限らず、全ての生き物がもっている生理的反応です。

ウイルスに感染すると発熱し免疫を働かせてウイルスを退治しようとします。体に悪いものを食べると、下痢をしたり嘔吐したりするのも生体防衛反応です。最初は辛かった立ち仕事や肉体労働も何ヶ月かすると慣れて辛くなくなります。
いろんな場面で起こる「慣れ」も「生体防衛反応」と「環境適応反応」
といえます。このように生体防衛反応が働くことで環境変化に適応反応しているのです。人が生まれながらにもっている遺伝子に依存する才能や体質も環境や本人の努力により遺伝子スイッチのon/offが切り替わり突然体質が変わり、才能が開花する事もあるそうです。

筋トレは「生体防衛反応」と「環境適応反応」を利用したものと言えます。筋肉に過酷な負荷が繰り返しかかると、筋肉を増強して体を防衛しようとします。過酷な負荷のかかる環境に適応した結果が筋肥大した肉体です。

筋肉が日々の筋トレにすっかり適応反応してしまうと停滞期、マンネリ化ですね。そこで、さらなる過酷な負荷を筋肉に与え「生体防衛反応」を呼び起こす必要があるわけです。

ダイエット(減量)に関しても、食事制限をするダイエットを続けると「生体防衛反応」が働き、少ない食事でも体重が減らないように、筋肉が減り、基礎代謝が下がり、より脂肪が付きやすい痩せにくい体質に「環境適応反応」してしまいます。
流行り?の「ケトジェニックダイエット 」はこれらの反応を上手に利用しています。
ノーベル賞で注目を浴びるようになった「オートファジー」も典型的な例です。生き物は飢餓状態になると自身の細胞を分解して栄養源にするオートファジーを活発化させるのです。

このような人体のしくみは、複雑な機序で行われている反応ですが、
その理由(目的)は至ってシンプルで、

環境に何か変化があった時、生き延びる為、適応する為にはどう反応するべきか?

この問題に最も素直に反応した結果だと思います。

 水が高い所から低い所へ流れる 
ように
 重い重量を持ち上げる → 筋肉が発達する
 食事制限をする → 痩せにくい体質へ変化する

こんな感じで単純に考えれば、難しい理論はともかく、何をしたら効果的なのか自然とわかってくるのではないでしょうか?

また、人間の体内で起こっている「生体防衛反応」や「環境適応反応」は
刻々と変化する環境に対して、反応は常に進行形であり、日々変化している、と考えるのが普通であす。 そう考えると ひとつのやり方、理論だけを正しいと思い実践する事は、一時は正しくても、状況が変わってきたら
正しく無くなってくるかもしれません。

先日紹介した「細胞核オーバーロード」の筋トレも、従来の常識とされていた筋トレ法と一見正反対のように見えますが、「生体防衛反応」と「環境適応反応」の視点で考えてみるとこれも自然な反応なのかも、と思えてきます。

このような事も意識して、いろんなやり方を試して見ると従来の常識とは違った新しい方法がみつかるかもしれません。
自分の体がどう反応するかは、自分が一番わかるのですから。

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